全身の筋肉が衰える病気:ALS
- ALSとはALS(筋萎縮性側索硬化症)は、体を動かすための指令を脳から筋肉へと伝える役割を持つ神経細胞「運動ニューロン」が、少しずつ壊れていく病気です。運動ニューロンは、脳から脊髄を通って全身の筋肉へと繋がっています。この運動ニューロンが正常に働いているときは、脳から「手を動かす」という指令が出されると、その指令は脊髄を経由して手の筋肉へと伝わり、スムーズに手が動きます。しかし、ALSを発症すると、この運動ニューロンが徐々に壊れてしまい、脳からの指令が筋肉へと伝わらなくなってしまいます。その結果、筋肉は次第にやせ細り、力が弱くなっていきます。初期症状としては、手や足の動きがぎこちなくなったり、言葉が話しにくくなったりすることがあります。病気の進行は患者さんによって異なり、呼吸に関わる筋肉が弱って呼吸困難に陥ったり、食べ物を飲み込む筋肉が衰えて食事が難しくなったりすることもあります。ALSは現在のところ、根本的な治療法が確立されていません。しかし、病気の進行を遅らせたり、症状を和らげたりするための薬物療法やリハビリテーションなどが行われています。