空気感染

看護技術

陰圧室:感染症から守る砦

- 陰圧室とは陰圧室とは、室内を外部よりも気圧を低く保つことで、空気中に漂う病原菌やウイルスなどの感染性物質が外部に漏出するのを防ぎ、空気感染のリスクを最小限に抑えることを目的とした特殊な病室です。「空気感染隔離室」とも呼ばれています。通常の病室との違いは、陰圧室は常に室内の空気を排気し、外部から新鮮な空気を取り入れる仕組みを持っている点にあります。ドアを開けると、まるで軽い風圧を受けたように空気が室内に流れ込んできますが、これは内部の空気を外部へと押し出し、常に清潔な状態を保つために必要な空気の流れなのです。この仕組みによって、もし患者さんが咳やくしゃみをした際に、病原菌などを含んだ空気が室内に拡散したとしても、外部へ漏れ出すことなく、排気口から排出されます。これにより、医療従事者や他の患者さんへの感染リスクを大幅に減らすことができます。陰圧室は、麻疹やおたふく風邪などの空気感染する病気や、免疫力が低下した患者さんなど、特に感染予防が必要とされる場合に利用されます。
看護技術

無菌室:感染から患者を守るための砦

- 無菌室とは無菌室とは、空気中に漂う目に見えない微生物の量を可能な限り減らし、清潔な状態を保つように設計された特別な部屋のことです。空気の清浄度は国際的な基準に基づいて厳密に定められており、別名「バイオクリーンルーム」とも呼ばれます。では、なぜこのような部屋が必要なのでしょうか?私たちの身の回りには、目には見えないたくさんの細菌やウイルスなどの微生物が存在しています。通常、健康な人であれば、多少の微生物に接触しても、自身の免疫機能が働き、病気から身を守ってくれます。しかし、手術後や免疫力が低下している患者さんの場合、これらの微生物が体内に入ると、深刻な感染症を引き起こす可能性があります。無菌室は、このような感染リスクを最小限に抑えるために、様々な工夫が凝らされています。例えば、空気中の微生物をフィルターで除去する装置や、室内の気圧を外部より高くすることで、外部の空気の侵入を防ぐシステムなどが挙げられます。また、無菌室に入る際には、専用の衣服を着用し、手洗いと消毒を徹底するなど、人の出入りによる微生物の持ち込みにも注意が必要です。このように、無菌室は、患者さんの安全を守るための重要な役割を担っています。 手術室や治療室、免疫力が低下した患者さんのための病室など、医療現場において幅広く利用されています。
PAGE TOP