破傷風:静かなる脅威とその予防
- 破傷風とは破傷風は、破傷風菌と呼ばれる細菌によって引き起こされる感染症です。この細菌は、土や埃の中など、私達の身の回りによく見られます。通常は、傷口を通して体の中に入り込みます。傷は、小さく浅いものから、大きく深いものまで様々ですが、破傷風菌は、傷口の奥深く、酸素が少ない環境で繁殖しやすいため、注意が必要です。破傷風菌は、体の中で毒素を作ります。この毒素は、神経に影響を与え、筋肉を異常に緊張させる作用があります。その結果、様々な症状が現れます。初期症状としては、口が開きにくくなったり、ものを飲み込みにくくなったりすることが挙げられます。さらに症状が進むと、全身の筋肉が硬直したり、痙攣を起こしたりすることもあります。特に、背中や腹部の筋肉が硬直することで、体が弓なりに反り返ってしまうこともあります。破傷風は、重症化すると命に関わる危険性も高く、予防が非常に重要です。予防には、破傷風ワクチンが有効です。乳幼児期に定期接種を受けることで、発症のリスクを大幅に減らすことができます。また、大人になってからも、追加接種を受けることで、効果を維持することができます。万が一、傷を負ってしまった場合には、傷口を清潔に保ち、速やかに医療機関を受診するようにしましょう。