看護

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患者中心の医療を実現する:ウォーキングカンファレンスのすすめ

- ウォーキングカンファレンスとは従来の会議室で行うカンファレンスとは異なり、患者さんのベッドサイドで行われるものがウォーキングカンファレンスです。会議室に集まって行う形式とは異なり、医師や看護師が患者さんのもとへ直接足を運び、その場で話し合いを行います。特徴的なのは、患者さん自身も議論に参加できる点です。治療方針やケア内容について、医師や看護師から直接説明を受け、疑問点があればその場で質問できます。ウォーキングカンファレンスでは、患者さんは医療従事者と顔を見ながら、自分の病気や治療について話し合うことができます。そのため、治療内容に対する理解を深めることができ、納得した上で治療に臨むことが期待できます。また、自身の意見や希望を伝えることで、より積極的に治療や看護に関わることができます。このような患者中心の姿勢は、患者さんの不安や疑問を軽減するだけでなく、医療従事者との信頼関係構築にも役立ちます。その結果、治療効果の向上や患者さんの満足度向上、ひいては医療の質向上に繋がると期待されています。
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心地よい眠りの準備: イブニングケアのススメ

- イブニングケアで心地よい眠りを一日の終わりに迎える夜は、ただ眠るための時間ではありません。翌朝を気持ちよくスタートさせるために、心身をゆったりと休ませ、質の高い睡眠へと導くための準備をする時間とも言えます。この、夕方から寝るまでの時間を利用したケアを「イブニングケア」と呼びます。日中は仕事や家事、勉強など慌ただしく過ごしていても、イブニングケアの時間を持つことで、活動モードから休息モードへと自然に切り替えることができます。夜のゆったりとした時間を有効活用し、自分自身をいたわることで、心身の緊張を解きほぐし、心地よい眠りへと誘うことができるのです。具体的には、ぬるめのお風呂にゆっくりと浸かったり、好きな香りのアロマを焚いたり、リラックス効果のあるハーブティーを味わったりなど、方法は様々です。また、寝る前のスマホやパソコンの使用を控えたり、部屋の照明を暖色系にしたりすることも、質の高い睡眠を得るための準備として効果的です。イブニングケアは、特別なことをするのではなく、日々の生活の中に取り入れやすい、自分にとって心地よい方法で行うことが大切です。毎日の習慣にすることで、睡眠の質が向上するだけでなく、心身のバランスを整え、より健康的な生活を送ることに繋がります。
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医療現場の必需品:リストンとは?

リストンは、病院や診療所などで日々使用されている、医療用の特別なはさみです。みなさんが、病院で包帯を巻いてもらったり、点滴の管を固定するテープを貼ってもらったりした際に、医師や看護師さんが使っていた小さく、少し変わった形のはさみを見たことがありませんか?それが、リストンです。 リストンは、包帯やテープ、糸などを切るために作られています。医療現場では、患者の体に直接触れるため、清潔さや安全性が非常に重要になります。リストンは、先端部分が丸みを帯びているという特徴があります。これは、万が一、患者の肌に先端が当たってしまっても、傷つけないようにという工夫がされているためです。また、切れ味が非常に鋭いことも、リストンの大きな特徴の一つです。切れ味が良いことで、処置を素早く行うことができ、患者さんの負担を減らすことにもつながります。 このように、リストンは医療従事者にとって、患者さんの安全を確保しながら、日々の業務を円滑に行うために欠かせない道具の一つと言えるでしょう。
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医療現場の日常用語:包交ってなに?

病院で働く人たちは、患者さんの命を守るために、日夜、忙しく働いています。 その中で、限られた時間内に、正確に情報を伝えるために、特別な言葉を使うことがあります。 これは、普段私たちが使っている言葉とは少し違い、医療現場だけで通じる、いわば仕事の言葉のようなものです。 このような言葉を「略語」と呼びます。 略語を使うことで、医師や看護師は、情報を素早く共有し、患者さんの治療に専念することができます。 しかし、患者さんからすると、聞き慣れない言葉で戸惑ってしまうこともあるかもしれません。 今回は、数ある医療略語の中から、「包交(ほうこう)」という言葉について詳しく説明しましょう。 「包交」とは、「包帯交換」を短くした言葉で、傷口を清潔に保ち、早く治すために、汚れた包帯を新しいものと取り替えることを指します。 傷の状態によっては、毎日包交を行う場合もあれば、数日に一度の場合もあります。 包交は、単に包帯を巻き直すだけでなく、傷口の観察も重要な目的です。 医師や看護師は、包交の際に、傷口の状態、出血の有無、感染の兆候などを注意深く確認します。 そして、その後の治療方針を決定していきます。 このように、包交は、患者さんの回復を支える上で、欠かせない処置の一つと言えるでしょう。
看護技術

患者さんの痛みの管理:患者管理鎮痛法とは?

近年、医療現場では患者さんの身体的・精神的な負担を軽減することに、より一層力を入れています。その中でも、手術後や慢性的な痛みに苦しむ患者さんにとって、効果的な痛みのコントロールは非常に重要です。 従来の痛み止めの投与方法は、看護師さんなどが決まった時間に与えることが一般的でした。しかし、この方法では、患者さん一人ひとりの痛みの感じ方や変化に対応しきれない場合があり、十分な効果が得られないケースも見受けられました。 そこで近年注目されているのが、患者さん自身が痛みを感じた時に、自ら痛み止めを投与できる「自己調節鎮痛法」です。この方法では、患者さんの状態に合わせて、必要な時に必要な量の薬を投与することができるため、痛みが強い時に我慢したり、逆に痛みがないのに薬を服用してしまうことを防ぐことができます。 自己調節鎮痛法は、従来の方法と比べて、痛みの軽減効果が高く、患者さんの満足度も高いという研究結果も出ています。また、薬の使用量を減らせるというメリットもあり、副作用のリスク軽減にも繋がります。 医療現場では、患者さんの負担を軽減し、より質の高い医療を提供するために、痛みのコントロール方法の革新が日々進んでいます。
看護技術

医療現場の必需品「ピギー」

「ピギー」という言葉を耳にしたことはありますか? 病院で働く看護師や医師が使う専門用語の一つで、医療ドラマで耳にしたことがあるかもしれませんね。 「ピギー」とは、点滴を行う際に、薬剤の入った小さな容器を接続して薬を投与する方法のことです。 また、その際に使用する小さな容器自体を指すこともあります。 では、なぜ「ピギー」と呼ばれるのでしょうか? それは、点滴の薬液が入った大きな容器に、薬剤の入った小さな容器を接続する様子が、まるで子豚が親豚の背中に乗っているように見えることから、このユニークな名前が付けられました。 点滴は、患者さんの症状に合わせて様々な薬剤が使われますが、薬剤によっては、主な点滴液とは別に、少量だけ追加する必要がある場合があります。 このような場合に「ピギー」が用いられるのです。 「ピギー」を利用することで、少量の薬剤を安全かつ効率的に投与することが可能になります。
看護技術

医療現場の必需品 ピギー

- ピギーとは病院で患者さんに点滴をする際に、薬液を入れておく、透明なプラスチック製の容器のことです。この容器は、まるで子豚の鼻のように、下の方に突き出た部分が付いていることから、「ピギー(子豚)」という愛称で呼ばれています。 ピギーには、様々な容量のものがあります。一般的には、200ml、500ml、1000mlのものが多く使われていますが、患者さんの体格や治療内容に応じて、適切な大きさのものが選ばれます。ピギーの中には、何も入っていない状態のものと、あらかじめ生理食塩水やブドウ糖液などの輸液が入っているものの2種類があります。 輸液は、体内の水分や電解質を補給したり、栄養を補給したりするために用いられます。 点滴を行う際には、患者さんの症状に合わせて、必要な薬剤をピギー内の輸液に加えていきます。その後、ピギーを点滴スタンドに吊り下げて、チューブを介して患者さんの血管内に薬液を投与していきます。ピギーは、患者さんの治療を支える上で、欠かせない医療機器の一つと言えるでしょう。
資格・職種

医療現場の頼れる存在:准看護師の役割

- 准看護師とは准看護師は、医師や看護師の指示の下、患者さんの日常生活のサポートや、治療の補助などを行う医療従事者です。 病院や診療所、高齢者施設など、様々な医療現場で活躍しています。准看護師は、患者さんの体調管理を行う上で、重要な役割を担います。具体的には、体温や血圧を測ったり、患者さんの状態を観察したりします。また、点滴や注射などの処置の準備を行うこともあります。 医師や看護師の指示のもと、患者さんが安全に医療を受けられるよう、サポートします。さらに、准看護師は、患者さんの身の回りの世話も行います。食事の介助や、トイレの介助、着替えの介助などを通して、患者さんの日常生活を支えます。 患者さんが安心して療養生活を送れるよう、精神的なケアも重要な業務の一つです。准看護師は、看護師と連携して、チーム医療の一員として活躍します。 患者さんに寄り添い、温かいケアを提供することで、医療現場に貢献しています。
資格・職種

看護師を支える、看護補助者の役割とは?

病院やクリニック、介護施設といった医療や介護の現場で、患者さんの日常を支える大切な役割を担っているのが看護補助者です。看護補助者は、看護師の指示を受けながら、患者さんの身の回りのお世話や看護業務の補助を行います。 具体的には、食事の介助、着替えの補助、トイレの介助、入浴の介助といった日常生活のサポートから、ベッドのシーツ交換、部屋の清掃、患者さんの移動の介助など、患者さんが快適に過ごせる環境作りを行います。 看護補助者は、医療行為を行うことはできません。体温や血圧の測定、薬の投与などは、看護師の指示のもとで行う必要があります。 患者さんの立場に立ち、思いやりの心を持って接すること、そして、チーム医療の一員として、看護師や医師と連携していくことが重要です。 看護補助者は、資格がなくても働くことができますが、より質の高いケアを提供するために、資格取得を目指す人も多くいます。 患者さんの笑顔に直接触れることができ、感謝の言葉をいただけるなど、やりがいを感じられる仕事です。
救急

生命の最前線:集中ケアとは?

- 集中ケアとは集中ケアとは、生命の危機に瀕している患者さんに対して、専門性の高い医療を提供する場です。病気や怪我の程度は患者さん一人ひとり異なり、その状態によっては、一般的な病院のフロアでの治療ではなく、より手厚い医療が必要となる場合があります。集中ケアでは、そのような状態の患者さんに対し、集中的な治療と看護を24時間体制で行います。集中ケアは、一般的な医療とは異なり、高度な知識、技術、そして設備を必要とします。そのため、集中ケアを行う医療従事者は、専門的なトレーニングと豊富な経験を積んでいます。また、集中治療室(ICU)や冠状動脈疾患集中治療室(CCU)といった、生命維持装置や人工呼吸器など、特殊な医療機器が整備された場所で治療が行われます。集中ケアが必要となるケースとしては、重度の肺炎、心筋梗塞、脳卒中などが挙げられます。その他、大手術後や、大きな怪我を負った場合などにも、集中ケアが必要となる場合があります。集中ケアの目的は、患者さんの生命を救うことはもちろんのこと、可能な限り早く回復へと導き、日常生活へと復帰できるようにすることです。
資格・職種

看護のスペシャリスト、認定看護師とは?

- 認定看護師の概要看護の仕事は、病気や怪我の治療のサポートだけでなく、患者さんの生活の質の向上まで、幅広い役割を担っています。そのため、近年では、特定の分野に特化した高度な知識と技術を持つ看護師の必要性が高まっています。 このようなニーズに応えるために、日本には「認定看護師」という資格が存在します。認定看護師とは、簡単に言えば、特定の看護分野において専門的な知識と技術を有し、質の高い看護を提供できることが認められた看護師のことです。 彼らは、日本看護協会が実施する認定看護師認定審査という非常に難しい試験に合格することで、その称号を与えられます。 認定看護師には、がん看護、救急看護、糖尿病看護など、全部で21の専門分野があり、それぞれの分野において専門性を発揮します。例えば、がん看護認定看護師であれば、がん患者さんの身体的な苦痛を和らげるだけでなく、精神的なケアや社会生活への復帰支援など、幅広いサポートを行います。 また、救急看護認定看護師は、緊急を要する患者さんに対して、迅速かつ的確な処置を行う高度な技術と知識が求められます。認定看護師は、それぞれの専門分野においてリーダーシップを発揮し、他の看護師を指導したり、チーム医療を推進したりする役割も担います。 このように、認定看護師は、質の高い看護を提供するために不可欠な存在と言えるでしょう。
資格・職種

専門看護師:高度な看護で社会に貢献

- 専門看護師とは看護師の世界には、特定の分野において高度な知識と技術を身につけた、「専門看護師」という資格が存在します。彼らは、複雑な健康上の問題を抱え、より専門的なケアを必要とする患者さんやそのご家族にとって、心強い味方となります。専門看護師は、豊富な経験に加え、大学院レベルの高い教育を受けることで、専門知識や判断能力、指導力を磨きます。そして、がん看護、精神看護、地域看護、集中ケア、救急看護、手術看護、慢性疾患看護、小児看護、老年看護、母性看護、皮膚・排泄ケア看護、糖尿病看護、摂食・嚥下障害看護といった、13の専門分野において、それぞれの専門性を活かした看護を提供します。例えば、がん看護の専門看護師は、がんと診断された患者さんやそのご家族に対し、病気や治療に関する情報提供、治療に伴う副作用や症状の緩和ケア、社会福祉制度の活用支援など、幅広いサポートを行います。また、精神看護の専門看護師は、心の病を抱える患者さんの社会復帰を支援するために、患者さんやご家族へのカウンセリングや、社会生活を送る上で必要なスキルを指導します。このように、専門看護師は、それぞれの専門分野において、患者さんの抱える様々な問題に寄り添いながら、質の高い看護を提供することで、患者さんやご家族の生活の質向上に大きく貢献しています。そして、他の医療従事者と連携し、チーム医療の一員として活躍することで、より質の高い医療の提供にも貢献しています。
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医療現場の隠語:ワッサーってなに?

医療現場では、患者の容態や治療方針など、重要な情報を正確かつ迅速に共有することが求められます。そのため、限られた時間の中ですばやく意思疎通を図るために、様々な略語や専門用語が使われています。これらの言葉は医療従事者にとっては日常的なものですが、患者にとっては聞き慣れない言葉が多く、不安や混乱を招く可能性も孕んでいます。 例えば、「BP」は血圧、「HR」は心拍数、「NS」は生理食塩水を意味します。医療従事者にとっては、これらの略語を使うことで、カルテへの記録や口頭での指示を簡潔に行うことができます。しかし、患者にとっては、これらの言葉は全く意味が分からない場合もあり、自身の健康状態や治療内容について不安を感じてしまう可能性もあります。 医療現場で働く私たちは、患者との信頼関係を築き、安心して治療を受けてもらうために、これらの略語を患者にそのまま伝えることは避け、分かりやすい言葉で説明することが重要です。患者は医療の専門家ではありません。私たちが使う専門用語を理解することは難しいということを常に意識し、丁寧に説明することで、患者が治療内容を正しく理解し、安心して治療に臨める環境を整える必要があります。
資格・職種

看護のスペシャリスト:認定看護師の役割と重要性

- 認定看護師とは認定看護師とは、看護師の資格を取得した後に、特定の看護分野において専門的な知識や技術を深め、高いレベルの看護を提供できると認められた看護師のことです。彼らは、豊富な経験と専門教育を通じて、複雑な医療ニーズを持つ患者さんやその家族に対して、より質の高い看護を提供します。認定看護師は、がん看護、糖尿病看護、精神科看護、集中ケア看護など、様々な専門分野があります。それぞれの分野において、深い知識と高度な技術を習得し、患者さんの症状や状態に合わせた適切な看護を提供します。また、認定看護師は、医療現場において、患者さんのために、そして他の看護師を指導・支援する上で、重要な役割を担っています。他の看護師に対しては、専門知識や技術の指導、助言、相談などを行い、チーム全体で質の高い看護を提供できるよう努めます。認定看護師は、看護の質向上に貢献する重要な役割を担っており、患者さん一人ひとりに寄り添った、より質の高い看護を提供するために、日々研鑽を積んでいます。
資格・職種

専門看護師:高度な知識と技術で看護を支える

- 専門看護師とは 近年、医療は目覚ましい進歩を遂げていますが、それと同時に、病気の種類や治療法も複雑化し、患者さん一人ひとりに寄り添った高度な看護の必要性が高まっています。このような状況の中、質の高い看護を提供するために、特定の専門分野において深い知識と高度な技術を身につけた看護師がいます。それが「専門看護師」です。 専門看護師は、がん看護や精神看護、集中ケア、小児看護など、現在13の専門分野において活躍しています。彼らは、それぞれの専門分野において、豊富な経験と最新の知識に基づいた高度な看護実践能力を有しています。 具体的には、患者さんの抱える複雑な症状や副作用、療養生活上の問題に対して、専門的なアセスメントを行い、個別的なケアを提供します。また、医師や他の医療スタッフ、患者さんの家族との連携を図りながら、患者さんが安心して治療や療養生活を送れるよう、多職種チームの中心的役割を担います。 専門看護師になるためには、日本看護協会が実施する厳しい認定審査に合格する必要があります。審査では、5年以上の実務経験に加え、専門分野における大学院レベルの教育課程を修了していることなどが求められます。 専門看護師は、その高い専門性と倫理観に基づき、患者さん中心の質の高い看護を提供することで、日本の医療現場における重要な役割を担っています。今後、ますますその役割が期待されています。
その他

患者様の生活を支える訪問診療:医療の新しい形

近年、病院に行かずに医療を受けられる「訪問診療」というサービスが注目されています。これは、病気や怪我、高齢などにより、病院への通院が困難な方のために、医師や看護師が自宅まで訪問して診療を行うというものです。 高齢化が進む現代社会において、病院への往復は体力的な負担が大きく、特に一人暮らしの方や足の不自由な方にとっては大きな負担となっていました。訪問診療は、このような負担を軽減し、住み慣れた自宅で安心して療養生活を送りたいという方々のニーズに応えるものとして、大きな役割を担っています。 訪問診療では、医師による診察や治療、薬の処方、点滴などの医療処置だけでなく、看護師による健康状態の確認や日常生活のサポートなども行われます。さらに、必要に応じてリハビリテーションや栄養指導なども受けられるため、自宅にいながらにして、病院とほぼ同等の医療サービスを受けることが可能となっています。 このように、訪問診療は、患者さんの身体的な負担を軽減するだけでなく、住み慣れた環境で安心して療養生活を送ることを支援し、生活の質の向上にも大きく貢献していると言えるでしょう。
看護技術

看護計画:患者さま中心のケアを実現するために

- 看護計画とは看護計画とは、患者さん一人ひとりに最適な看護を提供するために作成される、いわばケアの設計図です。病気や怪我などによって、日常生活に支障をきたしている患者さんが、再びその人らしく過ごせるように、どのような看護が必要なのかを具体的に計画します。患者さんはそれぞれ、年齢や性別、生活背景、そして抱えている病気や怪我の種類や程度が異なります。そのため、画一的な看護を提供するのではなく、それぞれの患者さんの状況に合わせて、その方に最適な看護を提供することが重要になります。看護計画では、まず患者さんの抱えている問題点を明らかにします。例えば、「歩くのが困難」「食事が一人で食べられない」「不安感が強い」といった状態のことです。そして、これらの問題に対して、看護師は専門的な知識や技術を用いて、どのような看護ケアを行うかを具体的に計画していきます。例えば、「歩くのが困難」な患者さんに対しては、「転倒のリスクを減らすために、ベッドサイドに手すりを設置する」「歩行訓練を実施する」「痛みの軽減のためにマッサージを行う」といった看護ケアが計画されます。看護計画は、患者さんが入院中あるいは在宅療養中に、安全で安楽に、そしてその人らしく生活できることを目指して作成されます。そして、看護師だけでなく、医師や理学療法士、栄養士など、他の医療従事者とも連携しながら、患者さんにとって最善のケアが提供されるよう努めていきます。
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専門看護師:高度な知識と技術で患者を支える

- 専門看護師とは専門看護師は、特別な知識や技術を身につけることで、複雑な病気や問題を抱える患者さんやその家族に対して、より質の高い看護を提供できる看護師のことを指します。 看護師としての経験を積み重ねた上で、大学院の修士課程や専門看護師養成課程などでさらなる研鑽を積むことで、高度な知識や技術を習得します。 専門看護師には、がん看護や精神看護、地域看護など、13の専門分野があります。それぞれの分野において、深い知識と豊富な経験に基づいた質の高い看護を提供することが求められます。 専門看護師の資格を得るためには、日本看護協会が実施する専門看護師認定審査に合格する必要があります。この資格は、国際的にはCNS(Certified Nurse Specialist)と表記され、世界共通の資格として認められています。 専門看護師は、患者さん一人ひとりに寄り添いながら、その人らしい生活を送れるように、そして、その家族が安心して生活を続けられるように、きめ細やかな看護を提供していきます。
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褥瘡ケアの新しい評価尺度:DESIGN-R®

- 褥瘡とは 褥瘡は、長時間同じ姿勢を続けることで、体重によって特定の部位の皮膚が圧迫され、血行が悪くなることで発生する皮膚の損傷です。 寝たきりの状態や車椅子を長時間利用するなど、身体の向きを変えることが難しい方に多く見られます。 褥瘡は、骨が出っ張っている部分、例えば、仙骨(おしりの部分)、かかと、くるぶし、ひじ、後頭部などにできやすいです。初期症状としては、皮膚が赤くなる、腫れる、熱を持つ、痛みがあるなどが挙げられます。 褥瘡は、放置すると皮膚の深い部分まで損傷が及び、潰瘍になったり、感染症を引き起こしたりする可能性があります。 そのため、褥瘡は早期発見と適切な予防、そして早期の治療開始が非常に重要です。 褥瘡を予防するためには、2時間おきなど、定期的に体位を変えることが重要です。また、皮膚を清潔に保ち、乾燥を防ぐことも大切です。栄養状態を良好に保つことも、褥瘡の予防と治療には重要です。 褥瘡が疑われる場合は、自己判断せずに、早めに医師の診察を受けてください。
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