看護記録

看護技術

看護の質を高めるカギ!~看護サマリーの効果と課題~

- 看護サマリーとは何か看護サマリーとは、患者さんの重要な情報を分かりやすくまとめた書類のことです。患者さんが入院中に受けた医療や看護の内容が記録されており、病院内の関係者以外でも、患者さんの診療に携わる人が誰でも見られるようになっています。このサマリーは、患者さんが他の病院へ転院する場合や、退院して自宅療養に移る場合などに作成されます。例えば、入院中に使用していた薬の名前や量、あるいは日常生活で注意すべきことなどが具体的に書かれています。これは、患者さんが転院先や自宅でも安心して治療や療養を続けられるように、そして、次の担当者へ重要な情報が正しく伝わるように作成されます。看護サマリーには、「看護要約」や「退院時サマリー」、「退院時要約」など、様々な呼び方があります。いずれも内容はほぼ同じで、患者さん一人ひとりに合わせた医療や看護を提供するために欠かせない情報共有ツールと言えるでしょう。 看護師が中心となって作成しますが、医師や薬剤師、理学療法士など、他の医療従事者も情報を書き加えることがあります。このように、看護サマリーは患者さんの円滑な治療と療養を支える上で、重要な役割を担っていると言えるでしょう。
看護技術

診療記録のSOAPって?

- SOAPとは SOAPは、医療現場で患者さんの情報を整理し、共有するために広く使われている診療録の記載方法の一つです。特に、問題指向型診療録(POMR)と呼ばれる、患者さん中心の診療記録において重要な役割を果たします。 POMRでは、患者さんが抱える健康上の問題を明確化し、その問題解決に向けて診療を進めていくという考え方が基本となります。SOAPは、この考え方に基づき、得られた情報を以下の4つの項目に分類して記録することで、医療従事者間での情報共有をスムーズにし、より質の高い医療の提供を目指します。 * -S(Subjective Data主観的情報)- これは、患者さんから直接伝えられる情報、つまり患者さんの訴えや症状、病歴などを指します。 例えば、「頭が痛い」「昨日から熱がある」「過去に糖尿病と診断されたことがある」といった情報が該当します。 * -O(Objective Data客観的情報)- これは、診察や検査によって得られた客観的な情報です。 具体的には、体温や血圧などのバイタルサイン、血液検査や画像検査の結果などが挙げられます。 * -A(Assessment評価)- 主観的情報と客観的情報を総合的に判断し、患者さんの状態を評価した結果を記述します。 ここでは、問題の特定や診断名の記載などが行われます。 * -P(Plan計画)- 評価に基づいて、今後どのような治療や検査を行うのか、具体的な計画を立てます。 投薬内容やリハビリテーション計画、さらなる検査の必要性などが含まれます。 SOAPを用いることで、医療従事者は共通のフォーマットで情報を共有できるため、診療の継続性やチーム医療の効率性が向上します。また、問題点や治療方針が明確になることで、患者さん自身も自身の健康状態や治療内容を理解しやすくなるというメリットもあります。
外科

手術後を意味するPOとは?

手術は病気の治療において重要な役割を担っていますが、手術後も患者の状態を注意深く観察し、適切な処置を行うことが非常に重要です。 医療現場では、患者の状態や治療の経過を正確かつ簡潔に記録するために、様々な略語が使われています。特に手術後の記録には、これらの略語が数多く登場します。 これらの略語は、医療従事者間での情報共有を円滑にするための共通言語として機能しており、患者の状態を素早く把握するために不可欠です。例えば、手術後の患者の意識状態を表す「JCS」や、バイタルサインを示す「BT」など、多くの略語が使われています。 しかし、これらの略語を理解していなければ、患者の状態や治療の経過を正しく把握することができません。そのため、医療従事者は、日頃からこれらの略語の意味を正しく理解し、記録内容を正確に解釈できるようにしておく必要があります。また、患者やその家族に対しては、分かりやすい言葉で説明することが大切です。
看護技術

看護記録の焦点:フォーカスチャーティングとは

医療現場において、看護記録は患者の状態や受けた看護ケアの内容を正確に記録し、医師や薬剤師、理学療法士など、医療チーム全体で情報を共有するために非常に重要なツールです。近年、従来の記録方式に加えて、患者の視点に立った、より患者中心的な記録方式が注目されています。 従来の記録方式では、看護師の視点から見た症状や行った処置などが中心に記録される傾向にありました。しかし、患者中心の記録方式では、患者の発言や行動、そしてその背景にある感情や考え方を重視します。 代表的な患者中心の記録方式として、『フォーカスチャーティング』があります。これは、患者の状態や行動、看護師の観察内容などを、「データ」「アクション」「レスポンス」の3つの要素で記録する手法です。「データ」は患者の訴えやバイタルサインなどの客観的な情報を、「アクション」は看護師が行ったケアの内容を、「レスポンス」はケアに対する患者の反応を記録します。 患者中心の記録方式を導入することで、医療チーム全体が患者の状況をより深く理解し、患者一人ひとりのニーズに合わせた質の高い医療を提供することに繋がります。また、患者自身が自分の状態や治療経過を把握しやすくなることで、治療に対する意欲や自己管理能力の向上も期待できます。
看護技術

看護の現場で活躍するカーデックス

- カーデックスとは病院の病棟では、患者さん一人ひとりの情報を正確に把握し、安全な看護を提供することが非常に重要です。そのために用いられるのが「カーデックス」と呼ばれる記録用紙です。カーデックスは、患者さん一人ひとりに専用のものが用意され、氏名や年齢といった基本的な情報はもちろん、病気や治療内容、服用している薬、食事の内容、アレルギーの有無など、医療に関わる様々な情報が詳細に記録されます。さらに、看護師は患者さんの状態を観察し、体温や脈拍、血圧などの測定結果、行った処置やその後の経過などを記録していきます。これらの情報は、一枚の紙に要約してまとめられ、専用のファイルに保管されます。ファイルには複数の患者さんのカーデックスが収められており、看護師は必要なときにすぐに取り出して患者さんの情報を確認することができます。カーデックスは、患者さんに関する情報を一元的に管理し、看護師間で共有するための重要なツールと言えるでしょう。情報を共有することで、看護師は、患者さん一人ひとりに最適な看護を提供できるだけでなく、業務の引継ぎもスムーズに行うことができます。また、医師や薬剤師など、他の医療従事者にとっても、患者さんの状態を把握するための貴重な情報源となっています。このように、カーデックスは、病院において患者さんの安全な医療と看護を提供するために欠かせない存在です。
看護技術

診療記録の謎を解く:NCの意味とは?

- 医療現場で使われる略語NC 医療現場では、正確な情報を素早く記録し、共有することが非常に重要です。そのために、様々な医療用語や指示を短くまとめた略語が日常的に使われています。カルテや指示書には一見暗号のように思えるアルファベットの羅列が並び、初めて見る方は戸惑ってしまうかもしれません。 今回は、数ある医療略語の中から「NC」について解説します。NCは「Nasal Cannula」の略で、日本語では「鼻カニューレ」といいます。 鼻カニューレは、鼻から酸素を供給するための医療器具です。細いチューブの先端に鼻孔にフィットする柔らかいプラスチック製の突起が二つ付いており、これを鼻の穴に差し込んで使用します。 酸素吸入が必要な患者さんにとって、鼻カニューレは日常生活の妨げが少ないという利点があります。食事や会話も無理なく行うことができ、比較的長時間の使用にも適しています。 カルテに「NC 5L」などと書かれている場合は、「5リットル/分の酸素を鼻カニューレを用いて投与している」という意味になります。このように、医療現場では略語を用いることで、簡潔に患者の状態や治療内容を記録しています。
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診療記録の簡略表記:NCの意味とは?

病院では、患者さんの状態や治療の経過を記録するために、カルテや看護記録が使われます。その記録には、様々な専門用語や略語が使われており、医療関係者たちはそれらを共通の言葉として使っています。 その中でも「NC」は、カルテや看護記録で頻繁に目にする略語の一つです。「NC」は英語の "No Change" の略で、日本語では「変化なし」という意味になります。これは、患者の状態や検査結果などに変化がない場合に用いられます。 例えば、患者の体温が昨日と変わらず36.5度のままであれば、「体温36.5℃ NC」といったように記録されます。 この「NC」は、一見簡潔で便利な表現ですが、医療現場では使い方に注意が必要です。 なぜなら、「変化なし」と判断する基準は、医療従事者によって異なる可能性があるからです。 例えば、患者の呼吸状態について、「呼吸数18回/分 NC」と記録されていたとします。しかし、この患者が慢性呼吸器疾患を患っていた場合、18回/分という呼吸数は正常範囲内であっても、病状によっては注意が必要な場合があります。 このように、「NC」はあくまでも簡略な表現であるため、重要な変化を見逃さないためには、数値や状態を具体的に記録することが大切です。また、少しでも異常を感じたら、自己判断せずに、必ず医師や看護師に報告することが重要です。
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医療現場のNC:特記すべきことなし

- NCの意味とはNCは医療現場でよく使われる言葉の短縮形で、「特記すべきことなし」という意味です。これは、患者の容態に目立った変化がなく、特に伝えなければならないような症状や検査結果がない場合に、記録として残されます。例えば、毎日の経過観察の中で、患者の様子に変化が見られない場合や、診察の結果、特に気になるような異常が見つからなかった場合などに用いられます。NCは、医療従事者間で情報をスムーズに共有するために使われる重要な言葉です。カルテや看護記録などにNCと記載されている場合は、その時点では患者さんの状態に特に問題がないと判断されたことを示しています。しかし、NCはあくまでその時点での評価に基づいた記録であることを忘れてはなりません。たとえNCと記録されていても、後から症状が現れたり、状態が悪化したりする可能性もあります。そのため、医療従事者は、NCと記録された場合でも、常に患者の状態に注意を払い、変化を見逃さないようにする必要があります。
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