病理学

その他

偽膜:その原因と特徴とは

- 偽膜とは偽膜とは、体内の粘膜の表面に現れる薄い膜状のものを指します。この膜は、炎症によって粘膜が傷ついた際に、血液中の成分や細胞の残骸などが集まり、固まって形成されます。例えるならば、すり傷の上にできるかさぶたを想像してみてください。しかし、かさぶたと偽膜には大きな違いがあります。かさぶたは皮膚の表面にできるのに対し、偽膜は粘膜の表面にできます。粘膜は、口の中や鼻の穴、消化器官など、体の外側と内側を繋ぐ場所に存在し、常に潤っているのが特徴です。このような湿った環境下では、偽膜はかさぶたのようにしっかりと固着することができません。そのため、偽膜は剥がれやすく、出血しやすいという特徴があります。偽膜は、その見た目から容易にそれとわかる場合もありますが、そうでない場合もあります。また、偽膜ができる原因は炎症とされていますが、その炎症を引き起こす原因は細菌やウイルス感染、アレルギー反応など様々です。そのため、偽膜を発見した場合は自己判断せずに、医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けるようにしましょう。
検査

病気の原因を探る!病理診断の世界

- 病理診断とは 病理診断とは、患者さんから採取した臓器や組織の一部を、顕微鏡などを用いて観察し、病気の原因や状態を明らかにする診断方法です。 私たちの身体は、たくさんの細胞が集まってできています。病気になると、この細胞の姿や組織の構造が変化します。病理診断では、これらの変化を顕微鏡を使って詳しく調べることで、病気の原因を探ります。 例えば、がんが疑われる場合、患部の一部を採取し、顕微鏡で観察します。これにより、がん細胞の有無、がんの種類、進行度(悪性度)などを診断することができます。 このように、病理診断は、病気の原因や状態を正確に把握するために欠かせない検査方法です。病理診断の結果は、治療方針の決定や、病気の経過観察に大きく役立ちます。
その他

フィブリノイド変性:免疫と組織の攻防

- フィブリノイド変性とは何かフィブリノイド変性とは、血管や心臓、皮膚、関節など、体の様々な組織に起こる変化のことです。顕微鏡で観察すると、本来は細胞や線維が規則正しく並んでいるはずの組織が、まるでピンク色の雲がかかったように、ぼんやりとした均一な物質に置き換わって見えます。この様子が、血液凝固に関わるタンパク質であるフィブリンが析出した状態に似ていることから、「フィブリノイド変性」と名付けられました。では、なぜこのような変化が起こるのでしょうか? その主な原因として考えられているのが、免疫システムの異常です。私たちの体は、外部から侵入してきた細菌やウイルスなどの異物から身を守るために、免疫システムを備えています。しかし、この免疫システムが何らかの原因で自分の体の組織を攻撃してしまうことがあります。これが自己免疫疾患と呼ばれる病気です。フィブリノイド変性は、この自己免疫疾患において特徴的に見られる変化の一つです。免疫システムが自分の組織を攻撃する際に作られる抗体や免疫複合体が、血管壁などに沈着し、炎症を引き起こします。そして、その過程で組織が壊され、フィブリンによく似た物質に置き換わってしまうのです。フィブリノイド変性は、リウマチなどの自己免疫疾患だけでなく、高血圧や動脈硬化など、血管に負担がかかる病気でも起こることがあります。これらの病気では、血管壁が傷つくことで炎症が起こり、フィブリノイド変性が生じると考えられています。フィブリノイド変性が起こると、組織の機能が低下し、様々な症状が現れます。例えば、血管でフィブリノイド変性が起こると、血管が狭くなったり、詰まったりして、血液の流れが悪くなります。その結果、臓器への酸素供給が不足し、臓器の機能が低下してしまう可能性があります。
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