問診から始まる医療:アナムネーゼの重要性
- アナムネーゼとは病院を受診した際、医師から「いつから具合が悪いのですか?」「どこがどのように痛みますか?」などと聞かれた経験はありませんか? これは決して世間話をしているのではなく、患者さんから病気に関する情報を詳しく聞き取っている、医療現場において非常に重要なプロセスなのです。 この患者さんから情報収集を行う「問診」のことを、医学用語で「アナムネーゼ」といいます。アナムネーゼは、ドイツ語の「anamnese」を語源とする言葉です。 日常生活では聞き慣れない言葉かもしれませんが、医療現場では欠かせない行為であり、医師は患者さんから得た情報をもとに、病気の原因を突き止め、適切な検査や治療方針を決定していきます。アナムネーゼで得られる情報は多岐に渡ります。 いつから、どのような症状が現れたのか、といった病気の経過や、患者さんが感じている具体的な症状の内容はもちろんのこと、過去の病歴や、服用中の薬、アレルギーの有無、生活習慣や家族構成といったものまで、患者さんを取り巻く様々な要因も重要な情報として聞き取られます。このように、アナムネーゼは医師が患者さんを診断していく上で、最初の、そして非常に重要なステップといえるでしょう。