ラッセル音:肺の音の秘密
私たちは普段、日常生活の中で呼吸の音を意識することはほとんどありません。健康な状態であれば、呼吸は静かで穏やかに行われるからです。しかし、肺に何らかの異常が生じると、呼吸に伴って普段は聞こえない音が聞こえることがあります。これらの音は「副雑音」と呼ばれ、肺の状態を知るための重要な手がかりとなります。
副雑音には様々な種類がありますが、その一つに「ラッセル音」があります。ラッセル音は、粘り気の強い分泌物が気道に詰まっているときに、呼吸に伴って生じる音です。例えるならば、ストローにジュースを少し残した状態で息を吸ったり吐いたりしたときに聞こえる、ブツブツとした音に似たものが、ラッセル音です。
ラッセル音は、肺炎や肺水腫など、気道に分泌物が溜まりやすい病気でよく聞かれます。これらの病気では、炎症によって気道が狭くなったり、分泌物の排出が滞ったりするため、ラッセル音が発生しやすくなります。ラッセル音が聞こえる場合は、医師の診察を受け、適切な治療を受けることが重要です。