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体温維持の秘密兵器:シバリング

寒い日に一歩外に出ると、私たちの体はまるでセンサーのように、空気の冷たさを敏感に感じ取ります。気温が下がり、体温がほんの少し下がると、脳は体が危険な状態になりかけていると判断し、体温を一定に保とうと様々な指令を出します。その中でも特に早く、そして強烈な反応として現れるのが「シバリング」、つまり震えです。 では、なぜ震えが起こるのでしょうか?それは、脳からの指令を受けた筋肉が、熱を生み出そうと細かく収縮と弛緩を繰り返すためです。筋肉が熱を生み出す工場のような役割を果たし、体の中心部、特に心臓や肺などの重要な臓器を守ろうとします。同時に、皮膚の表面近くの血管は収縮します。これは、冷たい外気に触れる面積を減らし、熱が逃げるのを最小限に抑えるための体の知恵と言えるでしょう。 このように、震えは体温低下という危機に対して、私たちの体が発動させる、迅速かつ効率的な防衛システムなのです。
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