牛痘:人にも感染する動物由来の感染症
- 牛痘とは牛痘は、牛痘ウイルスによって感染する病気です。主に牛などの動物がかかりますが、人間にも感染することがあります。このウイルスは、オルソポックスウイルスというグループに属しており、かつて猛威を振るった天然痘ウイルスと同じ仲間です。しかし、人間にとって命に関わることもある天然痘とは異なり、牛痘は比較的症状が軽く、ほとんどの場合、重症化することはありません。牛痘の症状として、まず、感染した場所にかゆみのある赤い発疹が現れます。これは通常、手にできることが多いですが、顔や体など、体の他の部分に現れることもあります。その後、発疹は水ぶくれになり、かさぶたとなって治っていきます。発熱や倦怠感などの全身症状が現れることもありますが、多くは軽度です。牛痘は、感染した動物との接触によって感染します。具体的には、感染した牛の乳を搾ったり、傷口に触れたりすることで感染する可能性があります。また、ウイルスが付着した物に触れることによっても間感染することがあります。かつて、牛痘は人間にとって身近な病気でしたが、現在では、世界中で牛の予防接種が進み、人間への感染は非常にまれになっています。ただし、牛などの動物を扱う職業の人や、動物園や牧場などで動物と触れ合う機会が多い人は、感染のリスクに注意する必要があります。牛痘は通常、特別な治療を必要とせず、自然に治癒します。症状を和らげるために、かゆみ止めや解熱鎮痛剤を使用することもできます。ただし、症状が重い場合や、心配な症状がある場合は、医療機関を受診してください。