知っておきたい!無症状の感染者「キャリア」
「キャリア」とは、病気の原因となる微生物を体内に持っているにもかかわらず、自分自身が病気にかかっていない状態を指します。例えば、ある種の病気の原因となるウイルスや細菌が体内に侵入してきても、その人自身の免疫力によって微生物が増殖を抑え込まれ、発病しないことがあります。このような場合、一見健康に見えるにもかかわらず、体内に病原体を保有している状態となり、これを「キャリア」と呼びます。
キャリア状態の人は、自覚症状が全くないことが多いため、自分が感染源となっていることに気づかないケースがほとんどです。そのため、知らず知らずのうちに周囲の人々に病気を広げてしまう可能性があります。咳やくしゃみなどを通じて病原体が空気中に拡散したり、接触感染によって他者に感染したりする可能性もあります。
このように、無症状の感染者が存在することで、感染症の予防や対策が非常に難しくなります。感染経路を特定することが困難になるだけでなく、感染拡大を防ぐための対策も取りづらくなるためです。感染症の中には、キャリア状態の人が多い病気も存在し、このような病気の制圧には、早期診断や治療、そして予防ワクチンの普及など、様々な対策を総合的に進めていく必要があります。