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デブリーフィング:心のケアにおける現状と課題

- デブリーフィングとはデブリーフィングとは、大きな衝撃を受けた経験について、その直後から数週間の間に、経験を共有し、感情を整理することで、心の安定を目指す心理的なケアの方法です。自然災害、事故、事件、暴力など、私たちが予期せず遭遇する出来事は、時に心に深い傷跡を残すことがあります。このような経験をした直後は、ショックや混乱、恐怖、不安など、様々な感情に圧倒され、冷静に状況を把握することが難しい状態に陥ることがあります。デブリーフィングは、このような状態にある人に対して、安全な場で自分の体験を語り、感情を吐き出す機会を提供することで、心の安定を取り戻し、PTSD(心的外傷後ストレス障害)などの精神的な問題を予防することを目的としています。デブリーフィングという言葉は、元々は軍隊で使われていた用語で、戦場から帰還した兵士たちが、自らの体験を語り合うことで心の安定を取り戻すための手法として用いられていました。現在では、軍隊に限らず、消防士、警察官、医療従事者など、ストレスの多い現場で働く人々や、災害や事故の被害者、その家族など、幅広い人々に提供されています。デブリーフィングは、必ずしも専門家が主導する必要はなく、友人や家族、同僚など、信頼できる相手に話を聞いてもらうだけでも効果があると言われています。ただし、深刻な心の傷を負っている場合には、専門家による適切なケアが必要となることもあります。
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