手術には欠かせない!ドレープの役割と種類
手術は患者さんの体を切開し、体内を操作するため、傷口から細菌などの微生物が侵入し、感染症を引き起こすリスクが常に伴います。安全な手術を行う上で、手術野と呼ばれる患部とその周囲を清潔に保つことは非常に重要です。そのために用いられるのが手術用ドレープです。
手術用ドレープは、患者の体に直接触れる滅菌された布で、手術を行う部分以外を覆うことで、手術野を清潔に保つ役割を担います。具体的には、患者の皮膚には常在菌と呼ばれる無数の細菌が存在しますが、ドレープはこれらの細菌が手術創に到達することを防ぎます。また、手術中の医療従事者の衣服や体から落下する細菌、空気中を浮遊する細菌などからも手術野を隔離することで、感染リスクを最小限に抑えます。
ドレープは、一枚の布全体で覆うだけでなく、手術部位の形に合わせて開口部が設けられているものや、体の一部だけに使用する部分用、血液や体液を受け止める吸収性の高いものなど、様々な種類があります。状況や手術内容に応じて適切なドレープを使用することで、より効果的に感染を防ぐことができます。
このように、一見シンプルな布切れであるドレープですが、手術における感染リスクを低減するために非常に重要な役割を果たしているのです。