知っていますか?胃下垂について
- 胃下垂とは?胃下垂とは、読んで字のごとく、胃が本来あるべき位置よりも下に垂れ下がった状態を指します。健康な人の場合、胃は横隔膜のすぐ下に位置し、みぞおちの辺りで触れることができます。しかし、胃下垂になると、胃がこの位置よりも下がり、場合によっては骨盤の位置まで垂れ下がってしまうこともあります。では、そもそも胃はどのような働きをしているのでしょうか。胃は、口から続く食道と腸をつなぐ、袋状の形をした臓器です。主な役割は、食事を一時的に貯蔵し、胃酸や消化酵素の働きによって食べ物を分解することです。この消化活動は、食べ物を次の段階である腸での吸収を助けるために非常に重要です。胃下垂になると、胃の位置が変化することで、これらの働きに影響が出る可能性があります。具体的には、胃の蠕動運動と呼ばれる、食べ物を消化しながら腸へ送る動きが鈍くなることがあります。その結果、消化不良を起こしやすくなったり、胃もたれ、胸やけ、便秘、腹部の膨満感などの症状が現れることがあります。また、胃下垂は、自律神経の乱れや、猫背、腹筋の衰え、急激なダイエットなどが原因で起こると考えられています。食生活の欧米化やストレス社会の影響もあり、現代人にとって胃下垂は決して珍しい病気ではありません。