消化器内科

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クローン病:現代社会の難病

- 概要 クローン病は、口から肛門まで続く消化管のどこにでも炎症を起こす可能性のある病気で、現代社会における重要な健康問題の一つとなっています。この病気は、本来、体を守るはずの免疫システムが誤って自分の体の組織を攻撃してしまう自己免疫疾患の一種と考えられていますが、その詳しい仕組みはまだ完全には解明されていません。 クローン病は、腹痛や下痢、血が混じった便、発熱、体重減少など、日常生活に大きな影響を与える深刻な症状を引き起こす可能性があります。これらの症状は、炎症が起こっている場所や重症度によって大きく異なります。 さらに、クローン病は腸管が狭くなったり詰まったりする狭窄や閉塞、膿が溜まった腫れである膿瘍の形成などの合併症を引き起こすこともあり、場合によっては手術が必要となることもあります。クローン病は、現在のところ完治させる治療法は見つかっていませんが、薬物療法や食事療法、生活習慣の改善などによって症状をコントロールし、患者さんがより良い生活を送れるように様々な取り組みがなされています。
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内視鏡的乳頭切開術とは?

内視鏡的乳頭切開術は、十二指腸乳頭と呼ばれる胆管と膵管が十二指腸につながる部分に行う手術です。従来の手術では、お腹を大きく切開してメスを入れていましたが、内視鏡的乳頭切開術は、体への負担が少ない低侵襲な方法で行われます。 この手術では、口から細い管状の内視鏡を挿入し、食道、胃を通過させて十二指腸まで到達させます。内視鏡の先端には、超小型カメラやライト、そして電気メスや小さなバルーンなどの医療器具が取り付けられています。 胆石や腫瘍などによって胆管が狭くなったり、閉塞したりすると、胆汁の流れが悪くなり、腹痛や黄疸などの症状が現れます。そこで、内視鏡の先端に取り付けた医療器具を用いて、胆管の出口にあたる十二指腸乳頭部分を切開し、胆管を拡張します。こうすることで、胆汁の流れが改善され、症状の緩和が期待できます。 内視鏡的乳頭切開術は、従来の開腹手術と比べて、傷口が小さく、術後の痛みや回復期間が短いというメリットがあります。そのため、体の負担が少なく、患者さんにとって優しい手術と言えるでしょう。
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食道静脈瘤を結紮術で治療

- 食道静脈瘤とは食道静脈瘤とは、食道や胃の粘膜の下を通る静脈が、まるで風船のように膨らんでしまう病気です。この静脈瘤は、肝臓の病気が主な原因となって起こります。私たちの体内では、食べたものは胃や腸で消化吸収され、栄養豊富な血液となって肝臓に送られます。肝臓は、この血液をきれいにして全身に送り返す役割を担っています。しかし、肝臓が病気になると、血液をスムーズに流すことができなくなり、門脈と呼ばれる肝臓につながる血管の圧力(門脈圧)が高くなってしまいます。門脈の圧力が高まると、血液は行き場を失い、食道や胃の静脈に流れ込みやすくなります。その結果、普段よりも多くの血液が流れ込んだ食道や胃の静脈は、圧力に耐えきれずに膨らんでしまい、静脈瘤ができてしまうのです。食道静脈瘤は、放置すると破裂しやすく、大出血を引き起こす可能性があります。大量の吐血や血便が見られ、命に関わる危険な状態となることもあります。そのため、早期発見と適切な治療が非常に重要です。
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