水頭症

外科

命を支える管:シャント機能不全とは?

- シャントとは私たちの体には、血液や体液が流れるための血管や臓器など、様々な管が張り巡らされています。これらの管は、通常はそれぞれ独立して機能しており、血液や体液は決められた経路を通って全身を循環しています。しかし、病気や怪我などによって、これらの管が正常に機能しなくなることがあります。例えば、腎臓病になると、血液をきれいにする働きが低下し、体内に老廃物が溜まってしまいます。また、水頭症になると、脳の中の脳脊髄液が過剰に溜まり、脳を圧迫してしまいます。このような場合に、人工的に管をつないで、体液の迂回路を作ったり、流れを調整したりする医療技術があります。これが「シャント」です。シャントは、本来つながっていない血管や臓器の間に、人工的に作った経路のことを指します。体液を迂回させたり、流れを調整したりするために用いられます。例えば、血液透析が必要な腎臓病の患者さんの場合、血液を浄化する装置(人工透析器)にスムーズに血液を送り込むために、腕の動脈と静脈の間にシャントを作ります。このシャントは、人工透析を受ける上で欠かせないものです。また、脳に水がたまる水頭症の患者さんの場合、過剰に溜まった脳脊髄液を腹腔(お腹の中)などに流すシャントが用いられます。脳脊髄液は、このシャントを通して腹腔に吸収され、脳の圧迫を軽減することができます。このように、シャントは様々な病気の治療に役立つ重要な医療技術です。患者さんの状態や治療目的に合わせて、適切なシャントが選択されます。
小児科

二分脊椎:知っておきたい基礎知識

- 二分脊椎とは二分脊椎は、赤ちゃんがお腹の中にいる時に、背骨の形成がうまくいかず、生まれつき背骨に異常がある状態を指します。 背骨は、積み木のように椎骨と呼ばれる骨が重なってできており、その中には脳から続く重要な神経である脊髄が通っています。 通常、この脊髄は椎骨に囲まれて保護されていますが、二分脊椎では、妊娠中の発達の段階で椎骨が完全に閉じないことがあります。この椎骨の異常な形成により、脊髄やその周りの組織が背中に飛び出したり、露出したりすることがあります。飛び出す程度や部位は人によって異なり、症状も様々です。 二分脊椎は、大きく分けて「顕在性二分脊椎」と「潜在性二分脊椎」の二つに分類されます。 顕在性二分脊椎は、皮膚の上から見てわかるように脊髄が飛び出している状態です。一方、潜在性二分脊椎は、皮膚の下に隠れていて外見からは分かりづらい状態です。潜在性二分脊椎は、腰などに生まれつきのあざやへこみがあることで気づかれることもあります。二分脊椎は、歩行障害や排泄障害など、様々な症状を引き起こす可能性があります。そのため、早期に発見し、適切な治療やケアを行うことが重要です。
外科

生命を支えるパイプライン:シャント機能不全とその対処

私たちの体は、血管やリンパ管など、体液を循環させるための重要な管が隅々まで張り巡らされています。これらの管は、まるで体中に張り巡らされた水道管のように、血液やリンパ液といった体液を必要な場所に送り届ける役割を担っています。しかし、病気や怪我によって、これらの重要な管が詰まったり、機能しなくなったりすることがあります。水道管が壊れて水が流れなくなってしまうように、体液を運ぶ管が正常に機能しなくなると、私たちの体は栄養や酸素を十分に受け取ることができなくなり、生命維持に支障をきたす可能性も出てきます。 このような事態に対処するために開発されたのが「シャント」です。シャントとは、人工的に作ったバイパスルート、つまり体液の流れ道のことを指します。体内に細い管を通したり、血管同士をつなぎ合わせたりすることで、本来のルートが機能しなくても体液をスムーズに流すことができるようになります。これは、まるで壊れた水道管を迂回して新しい水道管を敷設するようなものです。シャントによって体液の流れを確保することで、栄養や酸素を体の各部に届け、正常な生命活動を維持することが可能になります。シャントは、心臓外科手術や透析治療など、様々な医療分野で重要な役割を果たしています。
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