水疱

皮膚科

子どものよくある皮膚トラブル:とびひ

- とびひとは 「とびひ」は、医学的には「伝染性膿痂疹」と呼ばれる、細菌によって引き起こされる皮膚の感染症です。 この病気の原因となる細菌は、主にブドウ球菌とレンサ球菌の二つです。これらの細菌は、私たちの皮膚に日常的に存在していますが、健康な状態であれば、通常は病気を引き起こすことはありません。しかし、ちょっとした傷や虫刺されなど、皮膚のバリアが壊れてしまった部分から、これらの細菌が体内に侵入し、感染を引き起こしてしまうのです。 とびひは、特に免疫力が未熟で、細菌に対する抵抗力が弱い乳幼児や小さな子供に多く見られます。 また、保育園や幼稚園など、子供たちが集団生活を送る場所では、接触によって感染が広がりやすいことも、とびひが多発する要因の一つです。 とびひは、適切な治療を行えば、通常は跡を残さずに治癒します。しかし、放置すると症状が悪化し、周囲に広がってしまう可能性もあるため注意が必要です。
皮膚科

知って防ごう!身近な感染症:疱疹

- 疱疹とは? 疱疹は、皮膚に小さな水ぶくれや膿を含んだ発疹が多数現れる病気です。その原因となるウイルスは、大きく分けて単純ヘルペスウイルスと水痘帯状疱疹ウイルスの二種類が存在します。 単純ヘルペスウイルスは、口唇ヘルペスや性器ヘルペスなどを引き起こす、非常にありふれたウイルスです。多くの人が一度は感染を経験するほど、身近なものといえます。例えば、唇の周りに水ぶくれができたり、ピリピリとした痛みを感じたりするのが、口唇ヘルペスの特徴です。 一方、水痘帯状疱疹ウイルスは、子供の頃に水ぼうそうを引き起こした後に、体内に潜伏するという特徴があります。そして、加齢や免疫力の低下といった体の変化がきっかけで再び活性化し、帯状疱疹を発症します。帯状疱疹は、体の左右どちらか一方に、帯状に広がる赤い発疹と強い痛みを生じます。 このように、疱疹は原因となるウイルスによって症状や特徴が異なります。どちらも再発を繰り返す可能性があり、生活の質に影響を与える場合もあるため、適切な治療が必要です。
皮膚科

びらん:皮膚の浅い傷と治癒について

- びらんとは何か 私たちの体は、外界からの様々な刺激から身を守るために、皮膚というバリアで覆われています。皮膚は、場所や役割によって厚さが異なりますが、大きく分けて3つの層で構成されています。 一番外側にあるのが表皮と呼ばれる層です。この層は、細菌やウイルスなどの病原体や、紫外線などの有害な刺激から体を守る、まさに最前線の防御壁としての役割を担っています。その内側には、真皮と呼ばれる層があります。真皮は、コラーゲンやエラスチンといった線維状のタンパク質を豊富に含み、皮膚に弾力と強度を与えています。また、血管や神経などもこの層に分布しています。そして、最も内側にあるのが皮下組織です。皮下組織は、主に脂肪細胞からなり、体温の維持や外部からの衝撃を吸収する役割を担っています。 「びらん」とは、この皮膚のうち、最も外側にある表皮だけが傷ついた状態を指します。つまり、真皮よりも深くまでは達していない浅い傷のことです。カミソリ負けや靴擦れなどが、びらんの代表的な例です。びらんは、適切な処置を行えば、通常は跡を残さずに綺麗に治癒します。
皮膚科

診断の鍵となる皮膚症状:ニコルスキー現象

- ニコルスキー現象とは 健康な肌は、通常、多少の摩擦や圧力では傷ついたり剥がれたりしません。これは、皮膚の表面にある表皮と、その下の真皮がしっかりと結びついているからです。しかし、特定の病気や皮膚の状態によって、この結びつきが弱くなってしまうことがあります。その結果、少し触れただけでも皮膚が薄く剥がれ落ちてしまう現象が起こります。これがニコルスキー現象です。 ニコルスキー現象は、まるで薄い紙や膜が剥がれるように、皮膚の表面だけが剥がれ落ちるのが特徴です。これは、皮膚の層構造を維持する上で重要な役割を果たす、デスモソームという細胞結合に異常が生じているために起こります。デスモソームは、細胞同士をしっかりと結びつける役割を担っていますが、ニコルスキー現象が起こると、この結合が壊れやすくなっているのです。 この現象は、皮膚が赤くなる、水ぶくれができる、痛みやかゆみがあるといった他の皮膚症状と同時に現れることが多いです。ニコルスキー現象が見られる代表的な病気としては、天疱瘡やSSSS(ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群)などが挙げられます。これらの病気は、細菌感染や自己免疫反応などが原因で起こると考えられており、早期の診断と適切な治療が必要となります。
PAGE TOP