機械弁

循環器

生体弁:心臓の働きを助ける天然の代替弁

私たちの体にとって、心臓は休むことなく全身に血液を送る重要な役割を担っています。心臓は複数の部屋に分かれており、それぞれの部屋の間には血液が逆流するのを防ぐための弁が存在します。しかし、加齢や生活習慣病など、様々な原因によって心臓弁が正常に機能しなくなることがあります。弁がうまく開閉しなくなると、心臓は全身に十分な血液を送ることができなくなり、動悸や息切れ、むくみなどの症状が現れます。 このような心臓弁の異常を治療するために、近年注目されているのが「生体弁」です。生体弁は、その名の通り生物の組織を材料にして作られた人工弁の一種です。主に、ウシやブタなどの心臓弁や心膜を特殊な処理を施すことで、人体に適合するように作られています。生体弁は、人工物で作られた機械弁と比較して、血栓ができにくいという利点があります。そのため、血液をサラサラにする薬を服用する必要性が低く、患者さんの負担軽減に繋がります。一方で、機械弁と比べて耐久性が低いため、将来的に再手術が必要となる可能性もあります。 生体弁は、心臓弁の機能が低下した患者さんにとって、生活の質を向上させるための重要な選択肢の一つとなっています。
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心臓手術の選択肢:機械弁とは?

心臓は全身に血液を送るポンプの役割を担っており、その心臓には血液の逆流を防ぐための弁が4つあります。この弁に異常が生じると、心臓は正常に機能することができなくなり、息切れやむくみなどの症状が現れます。このような心臓弁の異常に対しては、カテーテルを用いた弁形成術や外科手術による弁置換術が行われます。 弁置換術では、損傷を受けた弁と入れ替える人工弁として、「機械弁」と「生体弁」の二種類から選択します。機械弁は金属や炭素などの素材で作られており、耐久性に非常に優れているという特徴があります。しかし、機械弁を体内に埋め込むと血栓(血の塊)ができやすくなるため、生涯にわたって抗凝固療法(血液をサラサラにする治療)が必要となります。一方、生体弁はウシやブタなどの動物の組織を加工して作製されたものであり、機械弁と比較して血栓ができにくいという利点があります。そのため、抗凝固療法が必要ない場合もあります。しかし、生体弁は機械弁に比べて耐久性が劣り、およそ10年から20年で再手術が必要となる可能性があります。このように、人工弁にはそれぞれメリットとデメリットがあるため、患者さんの年齢や健康状態、生活習慣などを考慮し、医師とよく相談した上で最適な弁を選択することが重要です。人工弁の種類によって、その後の生活も大きく変わるため、納得いくまで医師に相談するようにしましょう。
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