球麻痺:言葉と飲み込みに影響する病気
- 球麻痺とは?私たちの脳には、生命維持に欠かせない大切な役割を担う「延髄」と呼ばれる部分が存在します。この延髄は、呼吸や心臓の動きなど、私たちが意識することなく行われている体の機能をコントロールしています。そして、この延髄には、「脳神経核」と呼ばれる神経細胞の集まりがあり、ここが舌や喉の筋肉を動かす司令塔の役割を担っています。球麻痺は、この延髄にある脳神経核が障害されることで発症する病気です。延髄はちょうど球のような形をしているため、球麻痺という名前が付けられました。この病気になると、脳からの指令が舌や喉の筋肉にうまく伝わらなくなり、様々な症状が現れます。具体的には、食べ物を飲み込みにくくなる、言葉が話しにくくなる、物が二重に見える、顔の筋肉が動きにくくなるなどの症状が現れ、日常生活に大きな支障をきたすこともあります。球麻痺の原因は、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害、腫瘍、炎症など様々です。また、ギラン・バレー症候群などの神経疾患が原因となることもあります。球麻痺の治療法は、その原因や症状の程度によって異なりますが、リハビリテーションや薬物療法などが行われます。