栄養療法

看護技術

中心静脈栄養法:口からの食事が難しいときの選択肢

- 中心静脈栄養法とは中心静脈栄養法(TPN)は、口から十分な栄養を摂取することが難しい患者さんに対して、必要な栄養を直接血液中に送り込む治療法です。私たちの体は、健康を維持し、活動するためのエネルギー源として、また、組織の成長や修復のために栄養が必要です。 通常、私たちは食事から必要な栄養を摂取しますが、病気や怪我など様々な理由で、口から十分な栄養を摂取できない場合があります。 このような場合に、中心静脈栄養法が用いられます。 中心静脈栄養法では、心臓に近い太い静脈である中心静脈にカテーテルと呼ばれる細い管を挿入します。カテーテルは、通常、鎖骨の下を通る鎖骨下静脈や首にある内頚静脈から挿入され、その先端は心臓の近くにある上大静脈という大きな静脈に位置します。 そして、このカテーテルを通じて、糖分、アミノ酸、脂質、ビタミン、ミネラルなど、体に必要な栄養素をバランス良く含んだ高カロリーの栄養輸液を直接血液中に送り込みます。中心静脈栄養法は、生命維持に不可欠な場合もあれば、患者さんの栄養状態を改善し、回復を早めることを目的とする場合もあります。
消化器

クローン病:現代社会の難病

- 概要 クローン病は、口から肛門まで続く消化管のどこにでも炎症を起こす可能性のある病気で、現代社会における重要な健康問題の一つとなっています。この病気は、本来、体を守るはずの免疫システムが誤って自分の体の組織を攻撃してしまう自己免疫疾患の一種と考えられていますが、その詳しい仕組みはまだ完全には解明されていません。 クローン病は、腹痛や下痢、血が混じった便、発熱、体重減少など、日常生活に大きな影響を与える深刻な症状を引き起こす可能性があります。これらの症状は、炎症が起こっている場所や重症度によって大きく異なります。 さらに、クローン病は腸管が狭くなったり詰まったりする狭窄や閉塞、膿が溜まった腫れである膿瘍の形成などの合併症を引き起こすこともあり、場合によっては手術が必要となることもあります。クローン病は、現在のところ完治させる治療法は見つかっていませんが、薬物療法や食事療法、生活習慣の改善などによって症状をコントロールし、患者さんがより良い生活を送れるように様々な取り組みがなされています。
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