斜視

目・眼科

眼球偏位:目の位置異常とその原因

- 眼球偏位とは? 眼球偏位とは、片目または両方の目が正面から逸れてしまう状態を指します。通常、私たちは両目でまっすぐ前を見ることができ、脳は左右の目から送られてくる視覚情報を一つにまとめて処理することで、立体的に物事を認識しています。 しかし、眼球偏位が起こると、この目の動きがうまくいかなくなり、目が内側、外側、上側、下側など、様々な方向にずれてしまいます。その結果、左右の目から送られてくる視覚情報にずれが生じ、脳がうまく情報を処理できなくなるため、様々な視覚障害が現れます。 代表的な症状としては、物が二重に見えてしまう複視が挙げられます。これは、左右の目で見ているものがずれているために、脳が二つの像として認識してしまうために起こります。また、視線が定まらず、視野が狭くなってしまうこともあります。さらに、眼球偏位を隠そうと無意識に頭を傾けたり、顔をしかめたりするため、肩こりや頭痛を引き起こすこともあります。 眼球偏位は、生まれたときから症状が現れている先天的なものと、後 acquired天的に発症するものがあります。原因は様々で、視神経や筋肉、脳などに異常がある場合や、糖尿病などの基礎疾患が原因となることもあります。治療法としては、眼鏡やプリズム眼鏡を用いて視線のずれを矯正する方法や、手術によって眼球の位置や眼筋を調整する方法などがあります。
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視覚のずれを矯正:プリズム眼鏡の役割

- プリズム眼鏡とはプリズム眼鏡とは、レンズの一部にプリズムと呼ばれる特殊な加工が施された眼鏡のことです。プリズムは、光を屈折させる性質があり、プリズムを通った光は、一定の角度で方向を変えるという特徴を持っています。このプリズムの働きを利用して、眼に入る光の方向を意図的に変えることで、視覚に問題を抱える方の見え方をサポートするのがプリズム眼鏡です。私たちの目は、通常は左右の目で見た映像が脳で一つに統合されて立体的に物事を認識しています。しかし、斜視など、両目の視線がずれている状態の場合、ものが二重に見えたり、遠近感がつかみにくくなったりするといった問題が生じることがあります。プリズム眼鏡は、レンズに組み込まれたプリズムによって眼に入る光の方向を調整することで、この視線のずれを矯正し、両眼で正しくものを見られるようにサポートします。プリズム眼鏡は、視線のずれの程度や方向に合わせて、レンズに組み込むプリズムの種類や角度が調整されます。そのため、一人ひとりの目に合ったプリズム眼鏡を作成するためには、眼科医による適切な検査と診断が必要です。
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眼を守る眼帯:その役割と注意点

眼帯は、病気や怪我をした目を保護するために用いられる医療器具です。目の上に直接装着することで、外部からの刺激や衝撃から目を守ります。また、眼帯の下に薬を塗ったガーゼなどを挟むことで、薬の効果を高めたり、目の乾燥を防いだりする効果もあります。 眼帯は、目を覆うことで、異物や衝撃から目を保護します。また、目を動かさなくすることで、眼球の安静を保ち、炎症の悪化を防ぎます。さらに、眼帯をすることで、まぶたが閉じやすくなるため、涙の蒸発を防ぎ、目の乾燥を防ぐ効果もあります。 眼帯は、目の手術後や、角膜損傷、結膜炎、眼内炎などの目の病気の治療にも用いられます。また、弱視の治療として、健全な方の目に眼帯を装着し、弱視の目を強制的に使う訓練にも用いられます。 眼帯は、ドラッグストアや薬局などで購入できます。眼帯には、ガーゼを固定するためのテープが付いているものや、伸縮性のある素材でできているものなど、さまざまな種類があります。眼帯を使用する際は、医師や薬剤師の指示に従って、正しく使用してください。
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視能矯正:より良い視覚を取り戻す

- 視能矯正とは視能矯正とは、私たちが普段意識することなく行っている「ものを見る」という行為を、よりスムーズかつ快適にするための治療です。 具体的には、両目で一つの対象物を見つめる「両眼視機能」を高めることを目的としています。両眼視機能は、単に左右の目で別々に物を見るのではなく、両目の情報を脳で統合することで、より鮮明で奥行きのある立体的な視覚体験を可能にしています。この機能が正常に働かない場合、物が二重に見えたり、遠近感が掴みにくくなったり、場合によっては眼精疲労や頭痛を引き起こすこともあります。視能矯正では、これらの症状を改善するために、眼鏡やコンタクトレンズを用いたり、視能訓練と呼ばれるトレーニングを行います。 視能訓練では、眼球運動の協調性を高めるトレーニングや、遠近調節機能を改善するトレーニングなど、個々の症状に合わせたメニューが組まれます。視能矯正は、乳幼児から大人まで、幅広い年齢層の方に行われています。特に、弱視や斜視などの治療においては、視能矯正が重要な役割を担っています。 また、近年では、VDT作業などによる眼精疲労の増加や、スマートフォンなどの普及による近視の低年齢化に伴い、視能矯正の重要性がますます高まっています。視能矯正によって、より快適な視覚体験を得られるだけでなく、日常生活における様々な場面で、より安全で円滑に行動できるようになることが期待できます。
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