抗原提示細胞

アレルギー

免疫の鍵!CD80/CD86分子の役割

私たちの体は、常に病原体や異常な細胞の脅威にさらされています。体内には、まるで精巧な防衛システムのように、それらの脅威から身を守るための免疫システムが備わっています。この免疫システムにおいて、様々な免疫細胞がそれぞれ重要な役割を担っていますが、その中でも特に重要なのが細胞同士の情報伝達です。まるで会話をするかのように、免疫細胞は互いに情報を交換し、協調して働いています。この細胞間コミュニケーションにおいて、司令塔のような役割を果たすのが抗原提示細胞(APC)です。APCは、体内に侵入した病原体や体内で発生した異常な細胞を見つけると、それらを捕獲し、その断片である抗原を細胞表面に提示します。これは、例えるなら、敵の情報が入った報告書を掲げているようなものです。この報告書を受け取るのが、T細胞と呼ばれる免疫細胞です。T細胞は、APCから提示された抗原を認識することで、敵の存在を認識し、攻撃の準備を始めます。しかし、T細胞は抗原を認識しただけでは、本格的な攻撃を開始することはありません。T細胞が完全に活性化し、効果的に敵を攻撃するためには、APCからの更なる指示、すなわち共刺激シグナルが必要となります。この共刺激シグナルは、APCからT細胞に送られる活性化のメッセージのようなものです。T細胞は、抗原の提示と共刺激シグナルの両方を受け取ることで、確信を持って敵を攻撃することができます。このように、抗原提示と共刺激シグナルという二つの重要なステップを踏むことで、私たちの体は効果的に病原体や異常な細胞を排除し、健康を維持することができるのです。
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