手術

検査

手術の現場における「ラパ」とは?

「ラパ」という言葉を耳にしたことがありますか?もしかしたら、医療ドラマの手術シーンで、医師が「ラパで…」と話すのを聞いたことがあるかもしれませんね。この「ラパ」は、「腹腔鏡」を意味する医療現場で使われる略語です。 では、腹腔鏡手術とはどのような手術なのでしょうか? これは、お腹を大きく切開する従来の開腹手術とは異なり、お腹に小さな穴を数カ所開け、そこからカメラや手術器具を挿入して行う手術のことです。カメラを通して体内の様子はモニターに映し出されるため、医師は鮮明な画像を見ながら手術を進めることができます。 腹腔鏡手術は、開腹手術に比べて傷口が小さくて済むため、患者さんの体への負担が軽減されます。 また、術後の痛みも少なく、回復も早いというメリットがあります。そのため、近年では、さまざまな手術において、この腹腔鏡手術が取り入れられています。
外科

切断術:アンプタとは

- アンプタの意味「アンプタ」は、医療現場で使用される用語で、体の部位、特に手足を手術によって切り離すことを意味します。 これは本来「Amputation(アンピュテーション)」という英語を短縮した言葉です。医療従事者の間では、この「アンプタ」は日常的に使用されています。例えば、「下肢切断」のことを「下肢アンプタ」と簡略化して表現することがあります。切断手術が行われる主な原因は、重度の外傷や血管の病気、悪性腫瘍など、患部を切除しなければ生命の維持が困難になる場合です。 具体的には、交通事故による損傷や、糖尿病による足の壊疽などが挙げられます。アンプタは患者さんにとって、身体機能や外観を大きく変えてしまう可能性のある、とても大きな手術です。そのため、医師は患者さんとその家族に対して、手術の必要性やリスク、術後の生活について、時間をかけて丁寧に説明します。そして、患者さんが納得した上で、初めて手術が行われるのです。
外科

掻爬:その役割と医療現場における適用例

- 掻爬とは何か掻爬とは、体表面や体腔内にある組織の一部を、専用の器具を使って削り取る医療行為のことを指します。この行為は、皮膚の表面から子宮内膜といった体の深部まで、様々な部位に対して行われます。掻爬に用いられる器具は、採取する組織や部位によって形状が異なります。例えば、皮膚表面の細胞を採取する場合は、へらのような形をした器具を用います。一方、子宮内膜を採取する場合は、細い管状の器具を用います。掻爬は、大きく分けて二つの目的で行われます。一つは、病気の診断です。採取した組織を顕微鏡で観察することで、癌などの病気の有無を調べることができます。もう一つは、治療です。例えば、子宮内膜症や子宮筋腫などの治療において、病変部を削り取る目的で掻爬が行われることがあります。掻爬は、一般的にメスで切開して病変部を切除する手術と比較して、身体への負担が少ない処置であると考えられています。しかし、体内に器具を挿入するため、出血や感染などのリスクが全くないわけではありません。掻爬を受ける際は、医師から施術の方法やリスクについて十分な説明を受け、納得した上で受けることが重要です。
外科

手術の現場 – 術野ってどんなもの?

手術は体に大きな負担をかける治療法です。安全を確保し、手術が成功するためには、様々な準備と注意が欠かせません。その中でも特に重要なのが、手術を行う場所である「術野」をきちんと確保することです。今回は、手術を受ける上で欠かせない「術野」について詳しく説明していきます。 手術は、出血を伴う操作を伴う場合が多くあります。そのため、出血量を抑え、手術する場所をはっきりと確認できるようにすることが非常に大切になります。この、手術を安全かつ確実に行うために必要な、清潔を保ち、操作しやすい状態に整えられた場所のことを「術野」と呼びます。 術野を確保するためには、まず手術前に手術を受ける部位の毛を剃ったり、消毒を行ったりします。さらに、手術中は清潔な布で手術部位以外を覆い、雑菌の侵入を防ぎます。 術野を適切に確保することで、手術の安全性は格段に向上します。出血を最小限に抑えられ、医師は手術操作に集中することができます。また、感染のリスクを減らすことができ、術後の回復も早くなります。 手術を受ける際には、安心して手術を受けられるよう、術野の確保が適切に行われているか、事前に担当医によく確認しておきましょう。
検査

手術の略語:ラパってなに?

皆さんは「ラパ」という言葉を耳にしたことはありますか?もしかしたら、医療ドラマの手術シーンで、医師が「ラパで!」と指示を出す場面を目にしたことがあるかもしれませんね。 実はこの「ラパ」という言葉、正式な医学用語ではなく、医療現場だけで使われている略語なのです。「ラパ」は「腹腔鏡手術」のことを指します。 従来の手術では、お腹を大きく切開して、医師が直接患部を見て手術を行っていました。しかし、腹腔鏡手術では、お腹に小さな穴をいくつか開け、そこから細い管状の器具である腹腔鏡と手術器具を挿入します。腹腔鏡にはカメラがついており、そのカメラが捉えた映像をモニターに映し出すことで、医師はモニター越しにお腹の中を見ながら手術を行うのです。 お腹を大きく切開する必要がないため、従来の手術に比べて傷口が小さく、患者さんの身体への負担が軽減されます。また、術後の痛みも少なく、回復も早いといったメリットがあります。 そのため、近年では様々な手術において、この腹腔鏡手術が広く行われるようになってきました。
看護技術

清潔操作の基礎:ドレーピングとは?

- ドレーピングの定義医療現場で行われる手術や、腹水・胸水穿刺、中心静脈穿刺などの医療処置において、患者さんの体を清潔な状態に保つことは非常に重要です。これらの処置では、体内や血管などに針やメスなどの医療器具を挿入するため、細菌などの微生物が体内に入り込むことで感染症を引き起こすリスクがあります。そこで、処置を行う部分を清潔な状態に保ち、感染症のリスクを最小限に抑えるために行われるのが「ドレーピング」です。ドレーピングとは、特殊な滅菌処理が施された布(ドレープ)を用いて、患者さんの体の一部や周囲を覆う行為を指します。ドレープには、手術部位のみに穴が開いたものや、体全体を覆う大きなものなど、様々な種類があります。使用するドレープの種類や覆い方は、手術や処置の内容や部位、患者さんの体格などによって異なります。ドレーピングを行う上で最も重要なことは、処置を行う部分を適切に露出させると同時に、清潔に保つべき範囲(清潔野)を可能な限り広くとることです。細菌は目に見えないため、清潔野が狭いと、気づかないうちに細菌が侵入し、感染症を引き起こす可能性があります。このように、ドレーピングは患者さんの安全を守る上で欠かせない行為と言えます。
外科

手術室の現場:術野ってどんなところ?

患者さんの命を預かる手術は、適切な処置を行うことが求められます。安全かつ確実な手術を行うために手術室では様々な準備が行われますが、中でも「術野」と呼ばれる領域の確保は非常に重要です。 術野とは、手術を行う際に医師が直接操作を行う部位とその周辺領域を指します。手術の内容によってその範囲は異なりますが、清潔に保たれ、必要な器具や材料がすぐに使用できる状態である必要があります。 手術前に、患者さんの体にメスを入れる部分を中心に広範囲を消毒し、滅菌された布で覆います。これは、手術部位を清潔に保ち、細菌による感染症を防ぐためです。また、手術中に血液や体液が飛び散る可能性があるため、医師や看護師は手術用の特別な衣服、マスク、手袋を着用します。 このように、清潔な状態に保たれた術野を確保することで、医師は患者さんの状態に集中し、安全かつ確実な手術を行うことができます。術野は、手術の成功を左右する重要な要素の一つと言えるでしょう。
外科

アンプタ:四肢切断という選択

- アンプタとはアンプタとは、医学用語で「切断」または「切除術」を意味し、特に手足に行われる場合を指します。これは、事故や病気など、様々な理由で手足の機能を完全に失ってしまった場合に、患者の生活の質を向上させるための最終手段として選択されることがあります。例えば、重度の外傷や広範囲な熱傷、凍傷、あるいは進行した悪性腫瘍などによって、手足への血流が著しく阻害され、組織が壊死してしまうことがあります。このような場合、壊死した組織は感染症のリスクを高めるだけでなく、体全体に悪影響を及ぼす可能性があります。また、糖尿病などの疾患によって、神経や血管が損傷し、手足の感覚や運動機能が著しく低下することもあります。このような状態が進行すると、日常生活に支障をきたすだけでなく、潰瘍や壊疽などを引き起こし、切断が必要となるケースもあります。アンプタは、患者の身体的負担が大きい手術であると同時に、精神的な苦痛を伴うこともあります。そのため、医師は患者と十分に話し合い、切断の必要性やリスク、術後のリハビリテーション、義肢装具の使用などについて、丁寧に説明する必要があります。近年では、手術技術の進歩やリハビリテーション方法の多様化により、アンプタ後の社会復帰が可能となるケースも増加しています。しかし、依然として社会的な偏見や生活環境における課題も少なくありません。アンプタを受けた人が、社会の一員として再び活躍できるよう、医療従事者だけでなく、社会全体で支えていくことが重要です。
外科

外科手術の必需品:開胸器とその役割

- 開胸器とは開胸器とは、心臓や肺といった、胸部に位置する臓器に対して外科手術を行う際に必要不可欠な医療器具です。人の胸部は、心臓や肺といった生命維持に重要な役割を担う臓器を保護するために、肋骨と呼ばれる複数の骨が組み合わさって鳥籠のような構造を作っています。この頑丈な構造のため、手術を行うためには肋骨の間を何らかの方法で広げて、内部の臓器にアクセスするための空間を確保する必要があります。 開胸器はこのような場面で活躍します。開胸器を用いることで、外科医は胸骨や肋骨の間を安全かつ確実に広げ、手術を行うのに十分な空間を確保することができます。この空間は、外科医が手術部位である胸腔内臓器を直接目視し、繊細な操作を行うために必要不可欠です。 開胸器によって適切な視野が確保されることで、手術の精度と安全性が向上します。また、手術時間の短縮にも繋がり、結果として患者さんの体への負担軽減にも大きく貢献します。
看護技術

清潔処置に欠かせないドレーピング:その重要性と基礎知識

- ドレーピングとは?手術や腹水・胸水穿刺、中心静脈穿刺など、医療現場で行われる様々な処置において、患者の体に針やメスを入れることがあります。このような医療行為を行う際には、細菌などの微生物が患部に入り込み、感染症を引き起こさないようにするための対策が何よりも重要となります。そのための重要な技術の一つが「ドレーピング」です。ドレーピングとは、滅菌処理を施した布(ドレープ)を用いて、患者の体を適切に覆うことを指します。医療現場では、清潔な部分を「清潔域」、清潔ではない部分を「不潔域」と呼びますが、ドレーピングを行うことで、この二つの領域を明確に区別します。具体的には、処置を行う部分のみを露出させ、それ以外の部分をドレープで覆うことで、清潔域を確保し、不潔域からの微生物の侵入を防ぎます。ドレーピングは、患者さんの安全を守る上で欠かせない処置であり、医療従事者には、状況に応じた適切なドレーピング技術が求められます。特に、手術室では、手術台や患者さんの体、医療機器など、広範囲にわたってドレーピングが行われます。適切なドレーピングを行うことで、手術部位を清潔に保ち、手術後の感染症のリスクを大幅に減らすことができます。
外科

手術後の必須アイテム:ペンローズ・ドレーンの役割

- ペンローズ・ドレーンとはペンローズ・ドレーンとは、手術後などに体内に溜まった血液や組織液などを体外に排出するために用いられる、柔らかく扁平な管のことです。体内に異物が残ると、そこから細菌感染を起こしたり、傷の治りが遅くなったりする可能性があります。ペンローズ・ドレーンを患部に挿入することで、これらの不要な液体を効率的に除去し、合併症のリスクを低減することができます。ドレーンには様々な種類がありますが、ペンローズ・ドレーンはフィルム型に分類され、細いゴムやシリコン製の管で作られています。管の中は空洞になっており、この構造が重要な役割を果たします。体内に挿入されたドレーンの周囲には、手術などの影響で組織液や血液などが溜まります。ペンローズ・ドレーンはこの液体を、毛細管現象と呼ばれる物理現象を利用して、管の内部に引き込みます。毛細管現象とは、細い管状の空間で液体が重力に逆らって上昇する現象のことです。ペンローズ・ドレーンの場合、管の内壁と体液との間に働く力によって、体液が管の中を伝って体外へと排出されます。ペンローズ・ドレーンは、構造が単純で、挿入が比較的容易であるという利点があります。また、体への負担が少なく、費用も比較的安価です。しかし、自然に排出される力のみを利用するため、排出量が少なく、管理に手間がかかるという側面もあります。そのため、排出量の多い場合や、長期間にわたるドレナージが必要な場合は、別の種類のドレーンが用いられることもあります。
循環器

徐脈性不整脈とペースメーカー植え込み術

私たちの心臓は、まるで正確な時計のように規則正しく拍動を繰り返し、全身に血液を送るポンプとしての役割を担っています。この心臓の規則正しいリズムが乱れることを不整脈と呼びます。 不整脈は大きく分けて二つの種類に分けられます。一つは脈が速くなるタイプの不整脈で、頻脈性不整脈と呼ばれています。このタイプの不整脈が起こると、心臓はまるで慌てたように速く拍動し、全身への血液供給が滞ってしまうことがあります。もう一つは脈が遅くなるタイプの不整脈で、徐脈性不整脈と呼ばれています。このタイプの不整脈が起こると、心臓はゆっくりとしか拍動しなくなり、全身へ十分な血液を送ることができなくなってしまいます。 不整脈は、心臓の病気や加齢、ストレス、睡眠不足、過労、喫煙、過剰な飲酒、カフェインの摂り過ぎなど、様々な要因によって引き起こされます。また、健康な人でも、一時的に不整脈が起こることがあります。 不整脈は、場合によっては命に関わるような重篤な症状を引き起こす可能性もあります。そのため、動悸や息切れ、めまい、失神などの症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診することが重要です。
泌尿器

膀胱腫瘍を内視鏡で治療!TURBTとは?

- 膀胱腫瘍と診断されたら「膀胱腫瘍」と診断を受けると、当然のことながら、驚きと不安な気持ちに襲われるでしょう。診断名は同じ「膀胱腫瘍」でも、腫瘍が体の表面に近い場所にできる「良性」の場合と、体の奥深くまで進行する可能性のある「悪性(がん)」の場合があります。膀胱腫瘍は、尿をためておくための臓器である膀胱の内側にできる腫瘍です。そして、腫瘍が良性であるか悪性であるか、腫瘍の大きさや種類、進行度合いなどによって、適切な治療法は異なってきます。初期の膀胱がんの治療法として、よく用いられるのが「経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)」です。これは、尿道から内視鏡という細い管状の医療機器を挿入し、膀胱内部を観察しながら、腫瘍を電気で切除する方法です。開腹手術と比べて体への負担が少なく、回復も早いというメリットがあります。しかし、TURBTだけで完全にがんが取りきれるとは限りません。また、がんの種類や進行度によっては、TURBT以外の治療法、例えば抗がん剤を用いた化学療法や放射線治療などを併用する必要がある場合もあります。大切なのは、医師から診断内容や治療方針について、しっかりと説明を受けることです。不安な点や疑問点は、遠慮なく医師に相談し、納得のいく治療を受けていきましょう。
外科

手術の必需品:ケリー鉗子

- ケリー鉗子とは外科手術において、出血を制御し、組織を安全に分離することは非常に重要です。これらの操作をスムーズに行うために欠かせない器具の一つが、ケリー鉗子です。その名の由来は、20世紀初頭に活躍したアメリカの外科医、ハワード・アトウッド・ケリー博士です。彼が考案したこの鉗子は、現在も世界中の手術室で使われています。ケリー鉗子最大の特徴は、先端部分が緩やかに湾曲している点にあります。この独特の形状によって、術野の奥深くにある血管や組織に対しても、的確にアプローチすることが可能となりました。従来のまっすぐな鉗子では届かなかった部分にもアクセスできるため、より安全かつ精密な手術操作を実現できます。ケリー鉗子は、その用途の広さから、様々なサイズが用意されています。小さな血管を挟む際には繊細な作りの小型のもの、より大きな組織を把持する際には頑丈な大型のものといったように、状況に応じて適切なサイズを選択することが重要です。このように、ケリー鉗子は、外科医にとって無くてはならない、まさに「手術の必需品」と言えるでしょう。
消化器

人工肛門について

- 人工肛門とは人工肛門とは、病気や怪我などが原因で、本来の肛門から便を排出することができなくなった場合に、お腹の表面に人工的に作られた便の出口のことです。通常、私達は口から食べたものが胃や腸で消化、吸収され、不要となったものが便として肛門から排出されます。しかし、病気や怪我によって肛門やその周辺の組織が損傷を受けると、この流れが阻害され、正常な排便が困難になることがあります。このような場合に、手術によって腸の一部をお腹の壁に通し、皮膚の外に出すことで、便を体外に排出できるようにします。これが人工肛門です。人工肛門が必要となる原因は様々ですが、代表的なものとしては、直腸がんや大腸がん、潰瘍性大腸炎、クローン病などの消化器疾患、そして事故による外傷などが挙げられます。人工肛門の手術は、患者さんにとって大きな負担となる場合もありますが、正常な排便機能を回復し、生活の質を維持するためには非常に重要な治療法となります。
呼吸器

手術室の縁の下の力持ち:ジャクソンリース

手術や集中治療室などで、呼吸が困難になった患者さんの命をつなぐ人工呼吸器。その中でも、「ジャクソンリース」という医療機器は、「縁の下の力持ち」として、多くの医療現場で活躍しています。 ジャクソンリースは、専門的には「バッグバルブマスク(BVM)」と呼ばれる手動式の人工呼吸器に分類されます。人工呼吸器というと、ベッドサイドに設置された大型の機械を思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、ジャクソンリースは、医師や看護師が手で持って操作することができるため、緊急時や患者の移動時など、様々な場面で柔軟に対応できるという利点があります。 特に、病院の手術室では、欠かせない医療機器の一つとなっています。手術中は、患者の呼吸を一時的に人工呼吸器で管理する必要があり、その際、ジャクソンリースが活躍します。また、手術中だけでなく、術後の回復室や集中治療室などでも、人工呼吸器から自発呼吸への移行をスムーズに行うために使用されます。 このようにジャクソンリースは、人工呼吸器が必要な患者さんの呼吸を支える、重要な役割を担っています。医療現場では、日々進化する医療技術とともに、患者さんの安全と安心を守るため、様々な医療機器が活躍しています。ジャクソンリースも、その一つとして、これからも多くの命を救っていくでしょう。
外科

手術の必需品:持針器

- 持針器とは持針器は、外科手術において縫合を行う際に必要不可欠な医療器具です。手術では、傷ついた組織を縫い合わせるために縫合糸と縫合針が用いられますが、縫合針は非常に小さく、素手で扱うには滑りやすく危険が伴います。そこで、安全かつ確実に縫合針を保持するために持針器が用いられます。持針器の先端部分は、短い顎のような形をしています。この顎の部分で縫合針を挟み込むことで、針をしっかりと固定し、術者が思い通りに操作することを可能にしています。また、持針器は、握りやすく、指先の微妙な動きを針先に伝えることができるよう、人間工学に基づいて設計されています。持針器には、さまざまな種類があります。使用する縫合針の太さや手術部位、手術の種類などに応じて、適切な形状やサイズ、材質のものが使い分けられます。例えば、開腹手術のように深く広い範囲の手術には、長い持針器が適しています。一方、腹腔鏡手術のように小さな穴から器具を挿入して行う手術には、短く細い持針器が用いられます。このように、持針器は、外科手術において精密な作業を安全に行うために欠かせない存在と言えるでしょう。
外科

手術には欠かせない!ドレープの役割と種類

手術は患者さんの体を切開し、体内を操作するため、傷口から細菌などの微生物が侵入し、感染症を引き起こすリスクが常に伴います。安全な手術を行う上で、手術野と呼ばれる患部とその周囲を清潔に保つことは非常に重要です。そのために用いられるのが手術用ドレープです。 手術用ドレープは、患者の体に直接触れる滅菌された布で、手術を行う部分以外を覆うことで、手術野を清潔に保つ役割を担います。具体的には、患者の皮膚には常在菌と呼ばれる無数の細菌が存在しますが、ドレープはこれらの細菌が手術創に到達することを防ぎます。また、手術中の医療従事者の衣服や体から落下する細菌、空気中を浮遊する細菌などからも手術野を隔離することで、感染リスクを最小限に抑えます。 ドレープは、一枚の布全体で覆うだけでなく、手術部位の形に合わせて開口部が設けられているものや、体の一部だけに使用する部分用、血液や体液を受け止める吸収性の高いものなど、様々な種類があります。状況や手術内容に応じて適切なドレープを使用することで、より効果的に感染を防ぐことができます。 このように、一見シンプルな布切れであるドレープですが、手術における感染リスクを低減するために非常に重要な役割を果たしているのです。
外科

手術室の頼れる存在:メイヨー剪刀

- メイヨー剪刀とはメイヨー剪刀は、外科手術において組織を切開するために用いられる、無くてはならない医療器具の一つです。 その名の由来は、20世紀初頭にアメリカで活躍した医師であり、世界的に有名なメイヨークリニックを創設した、メイヨー兄弟に由来します。数ある剪刀の中でも、メイヨー剪刀は特に組織を切開する能力に優れており、その切れ味の鋭さから、外科医にとって信頼のおける道具となっています。刃先は、組織をスムーズに切開できるよう、鋭く滑らかな曲線を描いており、先端は尖っているものと丸みを帯びているものの二種類があります。 この形状の違いにより、それぞれ用途が異なってきます。例えば、尖った先端のものは、皮膚のように比較的硬い組織を切開する際に使用されます。一方、丸みを帯びた先端のものは、血管や神経など、繊細な組織を傷つけずに周囲の組織だけを切開する際に使用されます。このように、メイヨー剪刀は、その用途に合わせて形状が工夫されており、外科医は手術の内容や部位に応じて使い分けることで、安全かつ正確な手術を行うことができるのです。 メイヨー剪刀は、まさに外科医にとって無くてはならない「右手」とも呼べる存在と言えるでしょう。
外科

手術後の頼もしい味方:スキンステープラー

- スキンステープラーとは? 手術後などに傷ついた皮膚を縫い合わせる方法として、昔から糸を用いた縫合が行われてきました。しかし近年、糸の代わりに金属製の針を用いる「スキンステープラー」と呼ばれる医療器具が普及しています。 スキンステープラーは、その名の通り、まるでホッチキスのように皮膚を金属製の針で留めていくことから、医療現場では「ステープラー」と簡略化して呼ばれることも少なくありません。 従来の糸を用いた縫合と比べて、スキンステープラーには以下のような利点があります。 * 手術時間の短縮糸を通すという細かい作業が不要になるため、迅速に皮膚を閉じることができます。 * 患者さんの負担軽減手術時間の短縮は、麻酔の時間短縮にも繋がり、患者さんの体への負担を軽減することに繋がります。 * 傷跡が目立ちにくい糸で縫合するよりも傷跡が小さく、目立ちにくくなる傾向があります。 これらの利点から、スキンステープラーは、近年多くの医療機関で採用されており、患者さんにとってもメリットの大きい医療器具と言えるでしょう。
産婦人科

掻爬:その役割と医療現場での活用

- 掻爬とは何か掻爬(そうは)とは、体表面や体腔内の組織の一部を、専用の器具を使って削り取る医療行為です。 この際用いられる器具には、主に「キュレット」と「ルーメン」の二種類があります。「キュレット」は、先端がスプーンのような形をしており、その縁に鋭い刃が付いています。 一方、「ルーメン」は、先端にループ状の刃が付いており、組織を切除する際に用いられます。 これらの器具は、患部や目的に応じて使い分けられます。掻爬は、主に病変部や不要な組織を取り除く目的で行われます。 例えば、子宮頸がんの検査や治療、子宮内膜ポリープの切除、中絶手術など、様々な場面で用いられます。 また、皮膚の病変部を採取して検査する際にも、掻爬が行われることがあります。掻爬は、比較的簡便な処置ではありますが、体内に器具を挿入するため、痛みや出血を伴うことがあります。 また、稀に感染症などの合併症を引き起こす可能性もあります。 施術を受ける際には、医師から事前に説明を受け、疑問点や不安な点は解消しておくようにしましょう。
外科

手術に欠かせない道具:鑷子の種類と使い方

- 鑷子とは鑷子(せっし)は、一般的にはピンセットとして知られており、医療現場で幅広く使用されている器具です。二つの金属片が支点を中心につながっており、ちょうど指先のように先端を閉じたり開いたりすることで、物を掴んだり、繊細な作業を行ったりすることができます。医療現場、特に手術や無菌操作においては欠かせない道具の一つと言えるでしょう。 薬品やガーゼを扱う際、患部に触れることなく処置を行う際など、衛生面を保ちながら安全に作業を進める上で非常に重要な役割を担います。鑷子は、その用途や対象となる組織に合わせて様々な種類が存在します。例えば、手術で使用する場合は、組織を傷つけずにしっかりと保持できるよう、先端が鋭利なものや、曲がっているものなどがあります。また、眼科手術など、非常に細かい作業が必要な場合には、先端が極めて細く作られた鑷子が用いられます。このように、鑷子は医療現場において、なくてはならない道具の一つと言えるでしょう。その種類は多岐に渡り、医療従事者は、それぞれの用途に合わせて適切な鑷子を使い分ける必要があります。
外科

手術を待つということ:待機的手術について

- 待機的手術とは待機的手術とは、緊急性を要しない手術のことを指します。つまり、心臓発作や事故など、すぐに手術を行わなければ生命に関わるような状況ではなく、計画的に手術日を決定できる場合に行われる手術です。例えば、長年続く膝の痛みのために人工関節を入れる手術や、徐々に大きくなる良性の腫瘍の摘出手術、白内障の手術などが挙げられます。これらの病気は、すぐに手術をしなくても命に関わることは少ないですが、生活の質を大きく左右する可能性があります。そのため、症状や生活への影響、手術のリスクなどを考慮し、医師と患者で相談の上、手術を行うタイミングを決定します。待機的手術の場合、患者は手術前に十分な時間をかけて、医師から病気の状態や手術の内容、術後の生活などについて説明を受けられます。また、必要な検査を受けて体調を整えたり、手術や入院に対する不安や疑問を解消したりする時間もあります。このように、患者は心身ともに準備を整えた上で手術に臨むことができる点が、待機的手術の大きなメリットと言えるでしょう。
消化器

ハイアンテ:高位前方切除術の概要

- ハイアンテとはハイアンテとは、「高位前方切除術」と呼ばれる手術の略称です。この手術は、直腸がんの治療において重要な役割を担っています。直腸は、食べた物が消化吸収された後に残る便を、一時的に貯めておく器官です。大腸の一部であり、肛門へとつながっています。この直腸に発生するがんが、直腸がんです。直腸がんの治療法は、がんが直腸のどの部分に発生しているのか、進行度合いはどの程度かなどによって異なります。ハイアンテは、がんが直腸の上部にできた場合に検討される手術です。具体的には、がんのある直腸の部分と、周りのリンパ節を切除し、その後、S状結腸と呼ばれる大腸の一部と肛門を繋ぎ合わせます。ハイアンテは、がんを完全に取り除くことを目的とした、根治治療の一つです。しかし、直腸は排便をコントロールする機能にも関わっており、手術によってその機能が損なわれる可能性も少なからずあります。そのため、患者さんの状態や希望を十分に考慮した上で、手術を行うかどうか、行うとすればどの手術方法が最適かを慎重に判断する必要があります。近年では、腹腔鏡を用いた手術やロボット支援手術など、低侵襲手術も広く行われるようになっています。これらの手術法は、従来の開腹手術と比べて、傷口が小さく、体への負担が少ないというメリットがあります。そのため、患者さんの回復が早く、入院期間も短縮できる可能性があります。
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