情緒障害

脳・神経

感情の波に乗りこなせない:感情失禁を理解する

- 感情のブレーキがきかない?私たちは、日常生活で喜びや悲しみ、怒りや楽しみといった様々な感情を経験します。 嬉しいことがあれば笑顔がこぼれ、悲しいことがあれば涙を流すように、感情は自然と表現に表れるものです。しかし、まるでブレーキの壊れた車のように、自分の感情をコントロールすることが難しくなってしまう状態があります。これが、「感情失禁」と呼ばれる状態です。感情失禁では、些細なことで急に泣き出してしまったり、逆に、場違いな状況で大笑いしてしまったりすることがあります。また、周囲の状況を考えずに、激しい怒りを爆発させてしまうこともあります。このように、感情の表現が過剰になったり、周囲の状況と合わなくなったりするのが、感情失禁の特徴です。感情失禁は、周囲の人を困惑させるだけでなく、本人にとっても大きな苦痛となります。感情をうまく表現できないことへのもどかしさや、周囲から誤解されてしまうことへの辛さは、想像を絶するものがあります。さらに、感情の起伏が激しくなることで、人間関係に支障をきたしたり、仕事や学業に集中することが難しくなったりすることもあります。感情失禁の原因は、脳卒中などの脳血管障害や、認知症、パーキンソン病などの神経変性疾患など、様々なものが考えられます。もし、ご自身や周りの方で感情失禁の症状が見られる場合は、早めに医療機関を受診し、専門医の診断を受けることが大切です。
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高次脳機能障害について

- 高次脳機能障害とは 高次脳機能障害は、交通事故や脳卒中といった病気や怪我によって脳が損傷することで発症します。脳の損傷により、言語、記憶、注意、遂行機能、社会的行動、情緒といった機能に障害が現れ、日常生活に様々な支障をきたす状態を指します。 高次脳機能障害では、具体的な症状として、言葉を発したり理解することが困難になる場合があります。また、新しいことを覚えられなくなったり、覚えが悪くなったりする記憶障害、周りの状況を把握することが困難になる注意障害などもみられます。 さらに、計画を立てたり、物事を順序立てて行うことが難しくなる遂行機能障害、他人とのコミュニケーションがうまくいかなくなる、場にそった行動が取れなくなるといった社会的行動の障害、感情のコントロールが難しくなる情緒障害なども現れることがあります。 これらの症状は、脳の損傷部位や程度によって異なり、一人ひとり症状の出方が異なります。そのため、個々の症状に合わせたリハビリテーションや支援が必要となります。
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