吐き気を表現する「ナウゼア」
病院や診療所など、医療の現場では、患者さんの訴えや症状を的確に捉え、医師や看護師の間で共有することが非常に重要です。その際に、患者さんが「吐き気がする」「むかつく」「胃がもたれる」といった漠然とした表現を使うことがあります。しかし、これらの言葉だけでは、患者さんが具体的にどのような状態なのか、医療従事者間で解釈が異なる可能性も出てきます。そこで、より正確に症状を伝えるために、「ナウゼア」という言葉を用いることがあります。
ナウゼアとは、英語の "nausea" に由来する医学用語で、日本語では「嘔気」と訳され、吐き気を催している状態を指します。これは、単に胃の内容物が逆流しそうだと感じるだけでなく、実際に吐いてしまう前段階の状態や、吐き気はあるものの吐くものがない状態も含みます。
医療従事者は、患者さんから「吐き気がする」という訴えがあった場合、それが「ナウゼア」に該当するのか、それとも別の症状なのかを注意深く見極める必要があります。そして、患者さんとのコミュニケーションを円滑に進め、他の医療従事者へも正確な情報を伝えるために、「ナウゼア」のような医学用語を用いることがあります。このように、医療現場では、共通の用語を用いることで、誤解のない情報伝達を心がけています。