患者中心

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インフォームド・コンセント:医療における共同意思決定

- インフォームド・コンセントとは医療現場において、患者さんが自身の病気や治療について十分に理解し、納得した上で治療方針を決めていくために非常に重要なプロセス、それがインフォームド・コンセントです。従来の医療では、医師が患者さんに最善の治療法を一方的に提示することが一般的でした。しかし、現代医療においては、患者さんの価値観や人生観を尊重し、患者さん自身が主体的に治療に参加していくことが重要視されています。インフォームド・コンセントを実現するためには、医師は患者さんに対して、病気の状態や治療法、それぞれの治療法のメリット・デメリット、治療に伴うリスクや副作用などを分かりやすく説明する必要があります。患者さんは、医師の説明に対して疑問点があれば質問し、十分に納得できるまで話し合うことが大切です。インフォームド・コンセントは、単に医師の説明を受け、同意書にサインをするだけの手続きではありません。患者さんと医師がお互いを尊重し、信頼関係を築きながら、より良い治療を目指していくための共同作業と言えるでしょう。インフォームド・コンセントは、患者さんの自己決定権を尊重するだけでなく、患者さんの治療への参加意識を高め、治療効果を高めることにも繋がると期待されています。
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医療現場における説明責任:アカウンタビリティとは

医療現場において「説明責任」という言葉が使われることが多くなってきました。これは、患者さんに対して行われる治療や処置について、その内容をきちんと説明する医療従事者の責任を指す言葉です。 医療従事者は、専門的な知識や技術を駆使して日々患者さんの治療にあたっていますが、患者さんにとってはその内容は必ずしも理解しやすいものとは言えません。患者さん自身が自分の病気や治療内容について正しく理解し、納得した上で治療を受けていただくためには、医療従事者による分かりやすく丁寧な説明が不可欠です。 例えば、検査や治療の目的、予想される効果だけでなく、起こりうる副作用やリスクについても包み隠さず説明する必要があります。また、患者さんの年齢や病状、置かれている状況などを考慮し、分かりやすい言葉や表現を用いることも大切です。 このような説明責任を果たすことは、単に医療行為に対する理解を深めるだけでなく、患者さんの自己決定権を尊重することに繋がります。患者さんは、医師から提供された情報に基づいて、治療を受けるか、他の治療法を選択するか、あるいは治療を受けないという選択をすることができます。 さらに、医療従事者と患者さんの間に良好な信頼関係を築く上でも説明責任は非常に重要です。納得のいく説明を受けることで、患者さんは安心して治療に臨むことができ、医療従事者に対する信頼感を深めることができます。これは、より良い医療を提供していく上で欠かせない要素と言えるでしょう。
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医療の転換点:DOSからPOSへ

これまで長い間、医療の世界では、病気を中心とした医療体制が一般的でした。これは、医師が中心となって、患者の訴えや診察結果から病気を特定し、その治療に専念するというものです。医師は、長年の研鑽で培った豊富な知識と経験を駆使して、病気の根本原因を突き止め、適切な薬の処方や治療法を選択してきました。 医師の指示のもと、看護師は患者の日々のケアや治療の補助を行い、薬剤師は処方された薬の調剤や服薬指導を行うなど、それぞれの専門性を活かして医師と連携し、チームとして患者の治療に取り組んできました。このように、病気そのものに焦点を当て、医師の専門知識と判断を軸に治療を進めていくのが、従来の医療システムの特徴と言えるでしょう。
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医療の転換点:疾患中心から患者中心へ

これまで長い間、医療の世界では、「疾患中心システム(Disease Oriented System DOS)」と呼ばれる考え方が一般的でした。これは、医師が医療の中心に立ち、患者の訴える体の不調や病気に対して、その原因を突き止め、治療を行うというものです。 医師は、医学の専門家として、長年の研鑽によって得られた豊富な知識と経験を駆使し、患者を診察します。そして、患者の訴えや診察所見から病気を特定し、薬物療法や手術療法など、その病気に最適な治療法を選択します。 このシステムの中で、看護師は医師の指示に従って患者のケアを行い、薬剤師は処方された薬を調剤し、リハビリテーションを専門とする理学療法士は医師の指示の下で患者の運動機能回復を支援します。このように、医師の指示を軸に、それぞれの専門性を生かして、医療従事者が協力して患者の治療にあたってきました。
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インフォームド・コンセント:医療における共同意思決定

- インフォームド・コンセントとは医療現場において、患者さんが自身の病気や治療について十分に理解し、納得した上で治療方針を決定することは非常に重要です。 このプロセスを「インフォームド・コンセント」と呼びます。 インフォームド・コンセントは、医師と患者さんの間で一方的に情報が伝えられるのではなく、対等な立場で意見交換を行い、協力しながら最善の医療を目指すためのプロセスと言えます。具体的には、医師は患者さんに対して、病気の状態や進行度合い、考えられる治療法、それぞれの治療法のメリット・デメリット、効果やリスク、治療にかかる期間や費用などを分かりやすく説明します。 専門用語を避け、図やイラストなどを用いることで、患者さんが理解しやすいように工夫することも大切です。患者さんは医師から提供された情報を元に、自身の価値観や生活背景、希望する治療方針などを医師に伝え、治療について納得いくまで相談することができます。 例えば、仕事や家庭の事情で治療期間に制限がある場合や、治療に伴う身体への負担や後遺症が心配な場合などは、率直に医師に伝えることが大切です。インフォームド・コンセントは、患者さんが自身の健康について主体的に判断し、より良い医療を受けるために欠かせないプロセスです。
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