人生の最終段階における選択:DNARについて
- DNARとはDNAR(ディーエヌエーアール)は、「Do Not Attempt Resuscitation」の略語で、日本語では「蘇生措置を行わないこと」という意味です。これは、病気や老化などによって人生の最終段階にある患者さんに対して、心臓が停止した場合に、人工呼吸器をつけたり心臓マッサージを行ったりするといった、蘇生のための医療行為を行わないという選択のことを指します。DNARは、あくまで心肺蘇生を行うかどうかの選択であり、それ以外の医療行為、例えば、点滴や薬剤の投与、痛みを和らげるための処置などは、引き続き行われます。DNARを選択した場合でも、患者さんの苦痛を和らげ、穏やかに過ごせるように、できる限りの医療行為は継続されます。DNARは、患者さん自身が、自分の最期をどのように迎えたいか、どのような医療を受けたいかを考え、その意思に基づいて選択するものです。ただし、患者さんが自分自身で意思表示できない場合には、家族が患者さんの価値観や希望を尊重し、医師とよく相談した上で、最善の選択をすることが重要になります。