性感染症

産婦人科

包括的な性教育の必要性

- 性教育とは何か性教育は、人が生涯を通じて心身ともに健やかに生きていくために必要な、性に関する幅広い知識やスキルを身につけるための教育です。思春期に訪れる体の変化や、性感染症の予防、避妊の方法など、その内容は多岐にわたります。 性教育は、単に性に関する知識を与えることを目的とするのではありません。自分自身の体と心を大切にすること、そして他者を尊重することの大切さを教えることを通じて、子どもたちが自分自身の価値観に基づいて行動できるようになることを目指しています。 例えば、思春期を迎えると、男女ともに体つきが変化し、異性を意識するようになります。性教育では、そうした変化に戸惑うことなく、自分自身の体を受け入れ、肯定的に捉えることを学びます。また、性感染症のリスクや避妊の重要性を理解することで、責任ある行動をとることの大切さを学びます。 さらに、性教育は、性暴力から身を守るための知識やスキルを身につける上でも重要な役割を担っています。自分の体に触れられて嫌だと感じることを、はっきりと言えるようにすること、また、もしも性暴力の被害に遭ってしまった場合に、誰に相談すれば良いのかを知っておくことは、子どもたちが自分自身を守るために必要不可欠です。 このように、性教育は、子どもたちが健全な人間関係を築き、自分の人生を自ら選択し、責任を持って生きていくために欠かせないものです。
皮膚科

性器ヘルペス:知っておきたいこと

- 性器ヘルペスとは性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス(HSV)と呼ばれるウイルスが原因で発症する性感染症の一つです。性器ヘルペスに感染すると、性器やその周辺の皮膚に、痛みを伴う水ぶくれや潰瘍といった症状が現れます。性器ヘルペスの主な感染経路は、性行為です。感染している人の体液や粘膜に触れることで、ウイルスが体に侵入し感染します。具体的には、性器同士の接触だけでなく、オーラルセックスやアナルセックスによっても感染する可能性があります。性器ヘルペスの厄介な点は、症状が現れずに感染している場合があることです。自覚症状がないまま性行為を行うことで、知らず知らずのうちに相手に感染させてしまう可能性もあります。また、一度感染すると、ウイルスは体内に潜伏し続けます。普段は症状が現れないものの、体調不良やストレスなどによって免疫力が低下すると、再び症状が現れることがあります。これを再発と呼びます。性器ヘルペスの治療法は確立されていませんが、症状を和らげる抗ウイルス薬があります。性器ヘルペスの疑いがある場合や、不安なことがあれば、医療機関を受診し、適切な検査や治療を受けるようにしましょう。
皮膚科

「ワ氏」って何のこと?

- 古い医療用語 「ワ氏」という言葉をご存知でしょうか? おそらく多くの方が首を傾げることでしょう。それもそのはず、この言葉は、一昔前に使われていた医学用語で、現代ではほとんど耳にすることはありません。 「ワ氏」とは、結核のことを指します。 結核は、結核菌によって引き起こされる感染症で、かつては「国民病」と呼ばれるほど、多くの人々を苦しめていました。そのため、当時は誰もが知る病気であり、その代名詞として「ワ氏」という言葉が広く使われていたのです。 しかし、医学の進歩とともに、結核の治療法は確立され、患者数も大幅に減少しました。それと同時に、「ワ氏」という言葉が使われる機会も減っていき、今では過去の遺物となりつつあります。 日常生活で「ワ氏」という言葉を使うことはほとんどないでしょう。しかし、昔の小説やドラマなどでは、ひそかに結核を患っている登場人物を表す言葉として、「ワ氏」が登場することがあります。 そのような作品に触れることで、過去の病気や医療について知り、改めて健康の大切さを考えるきっかけになるかもしれません。
検査

梅毒検査のSTSについて

- STSとは STSは、血液を用いて梅毒の感染を調べる検査です。正式名称は「梅毒血清学的検査」と言い、英語表記「Serologic Test for Syphilis」の頭文字をとってSTSと略されます。 梅毒は、「梅毒トレポネーマ」という細菌が体の粘膜や傷口から侵入することで感染する病気です。感染すると、性器や口、皮膚などに様々な症状が現れます。 STSでは、梅毒トレポネーマに対する抗体の有無を調べます。抗体とは、体に侵入してきた細菌やウイルスなどの異物から体を守るために、免疫システムが作り出すタンパク質のことです。 梅毒に感染すると、体はこの梅毒トレポネーマに対抗するために、抗体を作ります。STSでは、この抗体を血液中で検出することで、梅毒の感染を診断します。 ただし、STSは梅毒に感染しているかどうかを完全に確定できる検査ではありません。他の病気でも陽性反応が出たり、感染初期には抗体が作られておらず陰性となる場合もあるため、医師は他の検査結果と合わせて総合的に判断します。
検査

梅毒検査のSTSについて解説

- STSとはSTSは、「Serologic Test for Syphilis(セロロジック テスト フォー シフィリス)」の略称で、日本語では「梅毒血清学的検査」といいます。これは、梅毒への感染を調べるための血液検査の一つです。梅毒は、「梅毒トレポネーマ」という細菌が、性的な接触などによって体内に侵入することで感染する病気です。感染すると、初期には性器などに症状が現れますが、治療せずに放置すると、長い年月をかけて全身に様々な症状を引き起こす可能性があります。そのため、早期に発見し、適切な治療を開始することが非常に重要です。STSは、この梅毒の診断に用いられる検査法の一つで、患者さんの血液中に、梅毒トレポネーマに対する抗体が作られているかどうかを調べることで、感染の有無を判定します。抗体とは、体内に侵入してきた細菌やウイルスなどの異物(抗原)から体を守るために、免疫システムによって作られるタンパク質のことです。STSは、梅毒の診断に広く用いられる検査ですが、検査の結果だけで梅毒と確定診断することはできません。確定診断には、医師による診察や、他の検査結果と合わせて総合的に判断する必要があります。もし、梅毒の感染が疑われる場合は、医療機関を受診し、医師に相談してください。
皮膚科

尖圭コンジローマ:性感染症を知ろう

- 尖圭コンジローマとは 尖圭コンジローマは、性的な接触によって人にうつる病気の一つです。医学的には性感染症に分類され、ヒトパピローマウイルスという、非常に小さな病原体が原因で発症します。このウイルスは、種類が多く、その中でも主に6型と11型が尖圭コンジローマを引き起こします。 このウイルスが皮膚や粘膜に感染すると、良性の腫瘍、つまり、放置しても命に関わることはありませんが、自然に消えることのないいぼができます。このいぼは、尖っていて、表面がデコボコしていることが特徴で、カリフラワーのような形に見えることもあります。 尖圭コンジローマは、性器だけでなく、肛門の周りや口の中など、性的な接触のある部位であればどこにでもできる可能性があります。また、感染してから症状が出るまでの期間は、数週間から数ヶ月と、個人差が大きいことも特徴です。 尖圭コンジローマは、放置していても命に関わることはほとんどありませんが、見た目の問題や、パートナーへの感染などのリスクがあります。そのため、早期に発見し、適切な治療を受けることが大切です。
皮膚科

知っておきたい性感染症:梅毒

梅毒は、梅毒トレポネーマという螺旋状の形をした微生物によって引き起こされる感染症です。この微生物は、細菌の一種ですが、他の細菌とは異なり、栄養を取り入れるための器官が退化しており、外界では長く生きることができません。そのため、感染経路は、感染している人の粘膜や皮膚に直接触れることに限られます。 具体的には、性行為によって感染することが最も一般的です。感染している人の性器、口、または肛門と直接接触することで、微生物が体内に侵入し、感染が成立します。また、まれではありますが、感染した妊婦から胎児に感染する可能性もあります。 日常生活での接触では感染することはありません。食器やタオルの共用、握手、トイレの便座などを通じて感染することはありませんので、過度に心配する必要はありません。 しかし、梅毒は初期症状が軽いため、感染に気づかずに他の人に感染させてしまう可能性があります。早期発見と適切な治療が重要です。心配な場合は、医療機関を受診し、検査を受けるようにしてください。
皮膚科

ワ氏:梅毒患者の呼称

- ワ氏とはワ氏(わし)とは、かつて梅毒に罹患した人を指す言葉でした。今日ではほとんど使われなくなりましたが、この言葉の存在は、かつて梅毒が社会に大きな影を落としていたことを物語っています。梅毒は、主に性交渉によって感染する病気で、感染すると皮膚や粘膜に様々な症状が現れます。かつては有効な治療法がなかったため、進行すると骨や神経にまで影響が及び、死に至ることもありました。日本では、江戸時代には既に梅毒が蔓延しており、「悪瘡(あくそう)」などと呼ばれ、恐れられていました。「ワ氏」という言葉が使われるようになった背景には、16世紀にヨーロッパから梅毒が伝来したという説があります。当時、ヨーロッパでは梅毒は「フランス病」とも呼ばれていましたが、日本では「和蘭(オランダ)瘡」と呼ばれるようになりました。そして、この「和蘭瘡」の患者を指す言葉として、「和蘭」の頭文字を取って「ワ氏」と呼ぶようになったと言われています。梅毒は、その感染経路から、道徳的に問題視されることも多く、偏見や差別の対象となりました。「ワ氏」という言葉にも、そうした当時の社会状況が反映されていると言えるでしょう。今日、梅毒は抗生物質によって治療できる病気となりました。しかし、過去の教訓を忘れずに、正しい知識を身につけ、予防に努めることが大切です。
血液

HIV感染症:免疫との闘い

- HIV感染症とはHIV感染症は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)という病原体が体内に侵入することで発症する感染症です。 HIVは、免疫システムにおいて重要な役割を担うリンパ球という細胞の中でも、特にCD4陽性リンパ球と呼ばれる細胞に感染します。 このCD4陽性リンパ球は、体内に侵入してきた細菌やウイルスなどの病原体から体を守るために非常に重要な役割を担っています。HIVに感染すると、このCD4陽性リンパ球が破壊され、その数が徐々に減少していきます。 CD4陽性リンパ球が減少し、免疫力が低下すると、健康な時には感染しないような弱い病原体にも感染しやすくなり、様々な病気を発症しやすくなります。 この状態を後天性免疫不全症候群、つまりAIDS(エイズ)と呼びます。HIVは、血液、精液、膣分泌液、母乳などの体液を介して感染します。 具体的には、感染者の体液が、傷口や粘膜(口の中、性器、肛門など)に直接触れることで感染します。 日常生活で感染する可能性は極めて低く、握手や抱擁、咳やくしゃみなどでは感染しません。HIV感染症は早期に発見し、適切な治療を受けることで、健康な状態を長く維持することが可能です。
泌尿器

淋病:性感染症を知ろう

- 淋病とは淋病は、淋菌と呼ばれる細菌が原因で引き起こされる、性感染症の一つです。この病気は、性行為によって人にうつります。具体的には、性行為の際に、口、性器、肛門といった粘膜を通じて、淋菌が体内に侵入することで感染します。淋病に感染すると、主に性器に炎症が起こります。男性の場合、尿道に炎症が起こり、排尿時に痛みを感じたり、膿が出るといった症状が現れます。女性の場合、子宮頸管に炎症が起こり、おりものの増加や下腹部の痛みといった症状が現れます。ただし、淋病は症状が出ないまま進行することも少なくありません。症状がないまま放置すると、将来的に不妊症のリスクが高まったり、他の病気を併発する可能性もあります。淋病は、淋菌感染症や淋疾とも呼ばれます。淋病と診断された場合、医師の指示に従って抗生物質を服用することで治療します。淋病は早期に発見し、適切な治療を受ければ完治する病気です。しかし、治療せずに放置すると、自身だけでなく、パートナーにも感染を広げてしまう可能性があります。性感染症を防ぐためには、性行為の際にコンドームを正しく使用することが重要です。また、定期的に性感染症の検査を受けることも大切です。
検査

梅毒検査の基礎:STSとは?

- 梅毒検査STSの概要梅毒は、「トレポネーマ・パリダム」という細菌が原因で発症する性感染症です。感染すると、皮膚や粘膜に病変が現れ、放置すると全身に様々な症状を引き起こします。早期発見・早期治療が重要となるため、梅毒の感染を調べるための検査がいくつかあります。 その中でも、「STS」は、Serologic Test for Syphilisの略称で、梅毒の感染を調べるための血液検査の一つです。STSは、トレポネーマ・パリダム自体を検出するのではなく、感染によって体内で作られる抗体を検出することで、間接的に梅毒の感染を診断します。 体内に梅毒トレポネーマが侵入すると、私たちの体はこれに対抗するために「抗体」と呼ばれるタンパク質を作ります。STSでは、この抗体の有無を調べることで、過去に梅毒に感染したことがあるか、現在感染しているかを判断します。 STSには、「非特異的抗体検査」と「特異的抗体検査」の二種類があります。非特異的抗体検査は、梅毒トレポネーマ以外の細菌感染でも陽性反応が出る可能性がありますが、検査費用が安く、広く実施されています。一方、特異的抗体検査は、梅毒トレポネーマに特異的な抗体を検出するため、より正確性が高い検査と言えます。 STSは、梅毒の診断に有効な検査ですが、検査結果だけで梅毒感染の確定診断はできません。医師は、STSの結果と合わせて、症状や診察 findings、その他の検査結果などを総合的に判断して診断を下します。
皮膚科

知っておきたい梅毒の知識

- 梅毒とは梅毒は、梅毒トレポネーマと呼ばれる螺旋状の細菌が原因で発症する感染症です。この病気は、主に性行為によって感染します。具体的には、感染している人の性器、口、または肛門との直接的な接触によって菌が体内に侵入します。稀ではありますが、感染した母体から胎児に感染する可能性もあります。梅毒の恐ろしい点は、感染初期には症状が現れないか、現れても非常に軽いため、感染に気づかない場合が多いことです。初期症状として、性器に硬くて痛みのない潰瘍(しこり)ができることがありますが、痛みがないため、放置してしまうことがあります。しかし、治療せずに放置すると、細菌は体内に留まり続け、やがて全身に様々な症状を引き起こします。具体的には、発疹、発熱、リンパ節の腫れなどが現れることがあります。さらに進行すると、心臓、脳、神経などに深刻な合併症を引き起こし、生命を脅かす可能性もあります。梅毒は早期に発見し、適切な治療を行えば完治する病気です。疑わしい症状がある場合は、ためらわずに医療機関を受診し、検査を受けるようにしましょう。また、性行為の際にはコンドームを正しく使用することで、感染のリスクを減らすことができます。
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