急性疾患

救急

多臓器不全:命に関わる危険な状態

- 多臓器不全とは 人間の身体は、それぞれ重要な役割を担う様々な臓器が、まるで精巧な機械のように組み合わさって、はじめて正常に機能します。しかし、ある病気や怪我などをきっかけに、この精巧なバランスが崩れ、複数の臓器が同時に、あるいは次々にその働きを失ってしまうことがあります。これが「多臓器不全」と呼ばれる状態であり、命に関わる危険な状態です。 心臓は、全身に血液を送り出すポンプとしての役割を担い、肺は酸素を取り込み、二酸化炭素を排出する、呼吸にとって非常に重要な臓器です。腎臓は、血液をろ過して老廃物を尿として排出する働きをし、肝臓は、栄養分の分解や合成、解毒など、様々な機能を担っています。これらの臓器は、いずれも私達が生きていく上で欠かすことのできないものです。 多臓器不全は、重度の感染症や大怪我、大手術など、身体が非常に強いストレスにさらされた場合に起こりやすく、心臓、肺、腎臓、肝臓といった重要な臓器が、その機能を十分に果たせなくなります。 その結果、血液循環や呼吸、老廃物の排出といった、生命維持に不可欠な機能が損なわれ、最悪の場合、死に至ることもあります。 多臓器不全は、その原因や進行の程度によって治療法が異なり、集中治療室での治療が必要となる場合もあります。早期発見、早期治療が何よりも重要です。
消化器

虚血性大腸炎:原因、症状、治療法

- 虚血性大腸炎とは虚血性大腸炎は、読んで字のごとく、大腸に血液が十分に行き渡らなくなることで起こる炎症性疾患です。 私たちの体は、心臓から送り出された血液によって、酸素や栄養を全身に届けています。 大腸も例外ではなく、常に新鮮な血液が供給されることで、正常な働きを保っています。しかし、何らかの原因で大腸への血流が悪くなると、大腸の粘膜が酸素不足に陥り、炎症を起こしてしまいます。これが、虚血性大腸炎と呼ばれる病気です。 主な症状としては、腹痛や下痢が挙げられます。 腹痛は、キリキリとした痛みや、締め付けられるような痛みなど、患者さんによって様々です。また、下痢には、血液が混じることもあり、これは、炎症を起こした大腸の粘膜から出血しているためです。 多くの場合、虚血性大腸炎は一時的なものであり、適切な治療を行えば、後遺症なく治癒します。 治療としては、絶食や点滴によって、腸に負担をかけないように安静を保ちながら、炎症を抑える薬を投与します。 ただし、重症化すると、大腸に穴が開いてしまうこともあり、手術が必要になるケースもあります。
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