怒り:その正体と影響
私たちは日々、喜びや悲しみ、そして怒りといった、様々な感情を経験しながら生きています。こうした感情の中でも、「怒り」は特に強いエネルギーを持つ感情と言えるでしょう。
では、この「怒り」とは一体どのような感情なのでしょうか。心理学者の湯川進太郎氏の著書『バイオレンス ―攻撃と怒りの臨床社会心理学―』では、怒りとは「自己もしくは社会への不当なもしくは故意による、物理的もしくは心理的な侵害に対する自己防衛もしくは社会維持のために喚起された心身の準備状態」と定義されています。
少し難しい言い回しですが、簡単に言うと、自分自身や大切なものが攻撃されたと感じた時、私たちは自分を守るために、あるいは社会の秩序を守るために、自然と怒りの感情を抱くということです。
例えば、大切な人に嘘をつかれた時、理不尽な扱いを受けた時、私たちは攻撃されたと感じ、怒りを感じます。これは、自分自身や大切な関係を守るための自然な反応と言えるでしょう。また、社会のルールを破る行為を見た時にも、私たちは怒りを感じることがあります。これは、社会の秩序や正義を維持しようとする気持ちから生まれる怒りと言えるでしょう。