心臓手術の立役者:人工心肺装置
- 人工心肺装置とは心臓は、私たちの体全体に血液を送り届ける重要な役割を担っています。まるで休むことなく動き続けるポンプのようです。しかし、心臓に病気や異常が見つかり手術が必要になった場合、手術を行うために一時的に心臓の動きを止める必要があります。心臓が止まると、血液を送り出すことができなくなり、体中に酸素が行き渡らなくなってしまいます。そこで活躍するのが、「人工心肺装置」です。人工心肺装置は、その名の通り「人工的に心臓と肺の働きを作り出す装置」です。心臓手術中に心臓が停止している間、人工心肺装置が心臓と肺の代わりに血液に酸素を送り込み、全身に循環させる役割を担います。具体的には、心臓が送り出すはずの血液を体外に取り出し、人工心肺装置内のポンプで酸素を溶かし込んだ血液を再び体内に戻します。この一連の働きによって、心臓が停止している間も、脳や他の臓器に酸素が供給され続けるのです。人工心肺装置は、心臓手術において欠かせない存在であり、心臓外科手術の安全性を飛躍的に高めました。心臓手術という大きな負担がかかる手術でも、患者さんが安心して手術を受けられるよう、医療技術は常に進歩し続けています。