心筋梗塞

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命を脅かす心筋梗塞とは?

心臓には、ポンプのように全身に血液を送り出す重要な役割があります。その心臓自身にも、筋肉が働くために必要な栄養や酸素を届ける血管が存在します。 心臓の表面を冠のように覆っていることから冠動脈と呼ばれるこれらの血管が、動脈硬化などによって狭くなったり詰まったりしてしまう病気を、狭心症や心筋梗塞と呼びます。 狭心症は、一時的に冠動脈が狭くなることで、心臓の筋肉に十分な血液が流れなくなる状態です。 胸の痛みや圧迫感、息苦しさなどの症状が現れますが、通常は数分から十数分で治まります。 一方、心筋梗塞は冠動脈が完全に詰まってしまい、心臓の筋肉の一部が壊死してしまう、より重篤な状態です。 心筋梗塞は、突然死のリスクが高く、迅速な治療が必要となります。 これらの病気は、心臓発作の代表的な原因として知られています。 心臓発作は、心臓の機能が突然停止してしまう状態であり、命に関わる危険な状態です。 心臓発作は、胸の激しい痛みや圧迫感、息苦しさ、吐き気、冷や汗などの症状を伴うことが多く、これらの症状が出た場合は、すぐに救急車を呼ぶ必要があります。
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命に関わる脅威:急性心筋梗塞

心臓は、私たちの体全体に血液を送るポンプのような役割を果たしています。この重要な臓器に血液を供給しているのが、心臓の表面を走っている冠動脈と呼ばれる血管です。 急性心筋梗塞は、この冠動脈が動脈硬化などによって狭窄したり、完全に詰まったりすることで起こる怖い病気です。 冠動脈が詰まると、心臓の筋肉である心筋に十分な酸素や栄養が行き渡らなくなります。そして、心筋は栄養不足の状態が続くと徐々に壊死していくのです。これが急性心筋梗塞です。急性心筋梗塞は、しばしば突然に発症します。締め付けられるような、あるいは圧迫されるような強い胸の痛みが特徴的で、この痛みは数分以上続くことが多く、場合によっては肩や腕、背中、顎などに広がることもあります。 吐き気や嘔吐、冷や汗、息切れ、めまいなどの症状が現れることもあります。このような症状が出たら、一刻も早く救急車を呼ぶことが重要です。急性心筋梗塞は命に関わる危険な病気です。 しかし、早期に適切な治療を受ければ、命を救い後遺症を最小限に抑えることができます。 そのためにも、突然の激しい胸の痛みなど、急性心筋梗塞を疑わせる症状が出た場合には、ためらわずにすぐに医療機関を受診することが大切です。

ニトログリセリン:狭心症治療の切り札

- ニトログリセリンとは ニトログリセリンは、狭心症と呼ばれる心臓の病気の治療薬として、広く使われています。 狭心症は、心臓に十分な量の血液が送り届けられないことで、胸に痛みや圧迫感を感じてしまう病気です。 この心臓への血液供給不足は、心臓に栄養や酸素を運ぶための重要な役割を担っている冠動脈という血管が狭くなってしまうことで起こります。 ニトログリセリンは、血管を広げる作用を持っています。 ニトログリセリンを服用すると、狭くなった冠動脈を含む全身の血管が広がり、心臓への血液の流れが改善されます。 その結果、心臓への酸素供給が回復し、狭心症による胸の痛みや圧迫感を和らげることができます。 ニトログリセリンは、その効果の速さから、狭心症の発作時に緊急で用いられることが多い薬です。 しかし、頭痛などの副作用が現れることもあるため、医師の指示に従って適切に使用する必要があります。
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過去の心臓発作:陳旧性心筋梗塞とは?

- 陳旧性心筋梗塞とは心臓は、全身に血液を送るポンプのような役割を担う重要な臓器です。この心臓の筋肉に栄養や酸素を届けているのが冠動脈と呼ばれる血管です。何らかの原因でこの冠動脈が詰まってしまい、心臓の筋肉に血液が行き渡らなくなる病気、それが心筋梗塞です。 心筋梗塞は、発症から経過した時間によって呼び方が異なります。 発症から30日以内のものを急性心筋梗塞、30日以上経過したものを陳旧性心筋梗塞と呼びます。急性心筋梗塞は、発症直後から心臓の機能が著しく低下し、命に関わる危険な状態です。そのため、緊急処置や集中的な治療が必要となります。 一方、陳旧性心筋梗塞は、急性期を乗り越え、心臓の機能が安定した状態を指します。 これは、心臓の筋肉が壊死した部分に瘢痕組織(はんこんそしき)と呼ばれる組織ができて、心臓の壁を補強してくれるためです。しかし、安心できる状態になったわけではありません。 陳旧性心筋梗塞は、心不全や不整脈などの合併症のリスクを抱えている状態です。 また、再び心筋梗塞を起こす可能性も否定できません。そのため、陳旧性心筋梗塞と診断された後も、再発予防や合併症の早期発見・治療のため、医師の指示に従って、生活習慣の改善や定期的な検査を受けることが重要です。
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高血圧のリスクと予防:健康な毎日を送るために

- 高血圧とは?私たちが健康な生活を送るためには、体内をくまなく巡る血液が欠かせません。血液は、心臓のポンプ作用によって全身に送り出され、酸素や栄養を体の隅々まで届けると同時に、老廃物を回収する役割を担っています。この血液が血管の中を流れる際の圧力を血圧と呼びます。高血圧とは、この血圧が正常範囲を超えて高く維持されている状態を指します。私たちの心臓は、常に血液を全身に送り出すために休むことなく働き続けています。高血圧の状態が続くと、心臓はより強い力で血液を送り出さなければならず、やがて心臓に大きな負担がかかることになります。高血圧は、初期段階では自覚症状が現れにくいという特徴があります。そのため、健康診断などで指摘されるまで、自分が高血圧であることに気づかないケースも少なくありません。しかし、高血圧を放置すると、動脈硬化が進行し、脳卒中や心筋梗塞などの深刻な病気を引き起こすリスクが高まります。こうした背景から、高血圧は「サイレントキラー」とも呼ばれ、注意が必要です。
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命を脅かす心筋梗塞とは?

私たちの心臓は、全身に血液を送るポンプの役割をしています。心臓自身も筋肉でできており、他の筋肉と同じように、動くためには酸素と栄養が必要です。心臓が必要とする酸素と栄養は、冠動脈という血管を通して運ばれてきます。 しかし、生活習慣の乱れや加齢などが原因で、血管の内側に脂肪などが溜まってしまう動脈硬化が起こることがあります。動脈硬化が進むと血管の内側は狭くなり、血液の流れが悪くなってしまいます。さらに、血管の内側が傷ついてしまうと、そこに血の塊(血栓)ができてしまうことがあります。 もし冠動脈で血栓ができてしまうと、心臓の筋肉に血液が行き渡らなくなってしまいます。心臓の筋肉は、血液によって運ばれてくる酸素と栄養が得られないと、正常に働くことができず、最悪の場合は心臓が停止してしまいます。これが心筋梗塞です。 心筋梗塞は命に関わる危険な病気です。普段からバランスの取れた食事や適度な運動を心がけ、血管を健康な状態に保つことが大切です。
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心臓を助ける縁の下の力持ち:IABP療法

- IABP療法とは心臓は、全身に血液を送り出すために休むことなく働き続けています。しかし、病気や怪我などによって心臓のポンプ機能が著しく低下してしまうことがあります。このような状態は心不全と呼ばれ、生命に関わる危険な状態です。IABP療法(大動脈内バルーンパンピング法)は、この心不全に陥った心臓を補助し、回復を促すことを目的とした治療法です。IABP療法では、まず足の付け根の動脈からカテーテルと呼ばれる細い管を挿入します。そして、そのカテーテルの先端に風船のついたバルーンを大動脈まで進めます。このバルーンは心臓の動きと同期して膨らんだり縮んだりするように設計されており、心臓が拡張する時にはバルーンは縮み、心臓が収縮する時にはバルーンは膨らみます。バルーンが膨らむことで大動脈内の圧力が上昇し、心臓から送り出される血液量が増加します。また、バルーンが縮むことで大動脈内の圧力が減少し、心臓の負担が軽減されます。このように、IABP療法は心臓のポンプ機能を補助することで、心不全の症状を改善します。IABP療法は、あくまで心臓が回復するまでの一時的な補助療法であり、心臓の根本的な治療ではありません。しかし、心不全の危機的な状況を乗り越え、心臓の回復を待つための重要な治療法と言えるでしょう。
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心臓の悲鳴:虚血性心疾患とは?

私たちの体は、心臓という重要な器官が休むことなく全身に血液を送ることで活動を維持しています。心臓はまさに、生命を支えるエンジンと言えるでしょう。しかし、この重要なエンジンもまた、正常に動き続けるためには栄養と酸素を必要とします。心臓自身に栄養と酸素を届けているのが、心臓を取り囲むように張り巡らされた冠動脈という血管です。 虚血性心疾患は、この冠動脈に問題が生じることで心臓が必要とする十分な血液を受け取ることができなくなる病気です。心臓は絶えず動き続けなければならないにもかかわらず、その心臓自身に必要なものが供給されなくなってしまうのです。これは、まるで影が心臓を覆い尽くしていくかのような深刻な事態と言えます。 虚血性心疾患は、放置すると心臓の筋肉が栄養不足に陥り、その機能が著しく低下してしまいます。最悪の場合、心臓が完全に停止してしまうこともあり、私たちの命を脅かす危険性も孕んでいます。まさに心臓を襲う影、それが虚血性心疾患なのです。
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動脈硬化の正体:アテロームとは?

- 静かなる脅威アテロームアテロームとは、血管の内壁に脂肪などが溜まっていく病気です。まるで静かに忍び寄る泥棒のように、私たちの体、特に心臓から血液を送り出すための大切な管である動脈に影響を及ぼします。最初はごく小さな変化に過ぎません。血管の内側にコレステロールなどの物質が少しづつ溜まっていきます。これがアテロームと呼ばれるプラークと呼ばれる塊です。この段階では自覚症状はほとんどありません。しかし、時間の経過とともにプラークは成長し、血管を狭くしていきます。血管が狭くなると、血液の流れが悪くなり、様々な体の場所に影響が出始めます。例えば、心臓に栄養を運ぶ血管が狭くなると、胸の痛みや圧迫感(狭心症)を引き起こします。さらに悪化すると、プラークが破裂し、血管が完全に詰まってしまうことがあります。これが心筋梗塞で、命に関わる危険な状態です。アテロームは自覚症状が出にくいため、気づかないうちに進行していることが多く、「静かなる脅威」とも呼ばれています。しかし、食生活の改善や運動習慣など、生活習慣の見直しによって予防することが可能です。健康な血管を維持するために、日頃から自分の体に気を配ることが大切です。
検査

クレアチンキナーゼ:エネルギー代謝の立役者

- クレアチンキナーゼとはクレアチンキナーゼは、私たちの体の中にある、化学反応を速やかに進める働きを持つタンパク質の一種で、酵素とも呼ばれます。この酵素は、特にエネルギー代謝に深く関わっており、生命活動を維持するために欠かせない役割を担っています。クレアチンキナーゼは、クレアチンとよばれる物質と、アデノシン三リン酸(ATP)という物質の間で、リン酸基の受け渡しを行います。ATPは、私たちの体内でエネルギーの通貨として機能しており、筋肉の収縮や神経伝達など、様々な生命活動に利用されます。クレアチンキナーゼは、クレアチンにリン酸基を結合させて、エネルギーを貯蔵する役割と、逆にリン酸基をクレアチンからATPに移動させて、エネルギーを供給する役割の両方を持つ、いわばエネルギーの管理者のような存在です。クレアチンキナーゼは、主に筋肉(骨格筋や心筋)、脳、心臓などに多く存在しています。これらの組織は、活発にエネルギー代謝を行うため、クレアチンキナーゼの働きが特に重要となります。例えば、激しい運動時には、筋肉は大量のエネルギーを必要とします。この時、クレアチンキナーゼは、あらかじめ蓄えておいたクレアチンリン酸からリン酸基をATPに供給することで、筋肉の収縮に必要なエネルギーを供給します。このように、クレアチンキナーゼは、私たちの体内でエネルギー代謝をスムーズに行うために欠かせない酵素です。
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心臓を助ける縁の下の力持ち:IABP

人間の体において、心臓は休むことなく全身に血液を送り続ける、まさに生命の源泉といえます。しかし、加齢や生活習慣病など、様々な要因によって心臓の機能が低下し、十分な血液を送り出せなくなることがあります。 このような状態は心不全と呼ばれ、放置すると生命を脅かす危険性があります。 特に、急性心筋梗塞などによって急激に心機能が低下した場合には、一刻を争う緊急事態となります。 このような危機的な状況において、心臓を補助し、救命に繋がる重要な役割を担うのが補助循環という方法です。その中でも、「大動脈内バルーンパンピング法(IABP)」は、迅速かつ効果的に心臓をサポートできる治療法として広く用いられています。これは、カテーテルと呼ばれる細い管を足の付け根の血管から挿入し、心臓のすぐ近くに位置する大動脈まで進めます。カテーテルの先端には風船(バルーン)が付いており、心臓の拍動に合わせて膨らませたり、しぼませたりすることで、心臓が血液を送り出すポンプ機能を補助する仕組みです。 IABPは、心臓自身の負担を軽減することで、心筋の回復を促し、その後の治療効果を高めることが期待できます。
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細胞膜の重要成分:コレステロール

- コレステロールとは人間の体を含め、動物の体を作る細胞。その細胞一つ一つを包む膜を細胞膜といい、体の細胞全てに存在します。この細胞膜を作るために必要な成分の一つがコレステロールです。細胞膜は細胞の内側と外側を隔てる役割を担っており、細胞が正常に働くために無くてはならない存在です。 コレステロールは、細胞膜の構造を保ち、その流動性を調整する働きをしています。もし、コレステロールが不足すると細胞膜が硬くなってしまい、細胞本来の働きが損なわれてしまいます。逆に、コレステロールが多すぎると細胞膜が不安定になり、これもまた細胞の機能に悪影響を及ぼす可能性があります。 コレステロールは体内のあらゆる細胞に存在しますが、脳や脊髄、肝臓など、生命維持に重要な役割を担う臓器に多く分布しています。これは、これらの臓器が活発に活動するために、多くのコレステロールを必要としているためと考えられています。 このように、コレステロールは細胞の働きを正常に保つために欠かせない物質です。しかし、その量が多すぎても少なすぎても体に悪影響があるため、バランスを保つことが重要です。
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