心臓のポンプ機能:スターリングの法則
私たちの体は、休むことなく活動するために絶えずエネルギーを必要としています。そのエネルギー源となる酸素や栄養分を体の隅々まで送り届けているのが血液であり、その血液を循環させるポンプの役割を担っているのが心臓です。
心臓は、握りこぶしほどの大きさで、胸の中心からやや左寄りの位置にあり、1分間に約60~80回、毎日約10万回も拍動を繰り返しています。この心臓がどれだけの血液を送り出すことができるのか、その力は一体どのように決まるのでしょうか?
心臓の力は、心臓が一回の拍動で送り出す血液の量である「一回拍出量」と、1分間に心臓が拍動する回数である「心拍数」によって決まります。一回拍出量が多いほど、あるいは心拍数が多くなるほど、心臓はより多くの血液を送り出すことができます。
心臓は、運動やストレス、年齢、性別、体格など様々な要因によってその活動レベルを調整し、体が必要とする血液量を常に満たすように働いています。激しい運動時には、多くの酸素が必要となるため、心拍数を上げて一回拍出量を増やし、より多くの血液を送り出すように働きます。逆に、安静時には心拍数は少なくなり、一回拍出量も少なくなることで、心臓の負担を軽減しています。
このように、心臓は状況に応じてその力を巧みに調整することで、私たちの生命活動を支えています。