心機能の重要な指標:心係数とは
私たちの体にとって欠かせない臓器である心臓は、全身に血液を送り出すポンプとしての役割を担っています。この心臓がどれくらい効率的に血液を送り出しているかを評価する指標の一つに心拍出量があります。心拍出量は、心臓が1分間に送り出す血液の量を示すものですが、体の大きさによって大きく変化します。体が大きければ心臓も大きくなり、心拍出量も多くなるのは当然のことです。そのため、心拍出量をそのまま見てしまうと、体が大きい人は心臓の機能が高い、体が小さい人は心臓の機能が低いと誤解してしまう可能性があります。
そこで、体格差による影響を補正し、より正確に心臓の機能を評価するために用いられるのが心係数です。心係数は、心拍出量を体表面積で割ることで計算されます。体表面積は、身長と体重から計算される体の表面の面積のことです。心係数を用いることで、体が大きくても小さくても、心臓が体の大きさに応じて十分な量の血液を送り出せているかを評価することができます。
心係数は、心臓の機能を評価する上で非常に重要な指標であり、心臓病の診断や治療効果の判定などに広く用いられています。例えば、心不全などの心臓病になると、心臓のポンプ機能が低下し、心係数が低下します。また、心臓手術などの治療効果を判定する際にも、心係数の変化が重要な指標となります。