循環器

検査

12誘導心電図:心臓の状態を調べる検査

- 12誘導心電図とは 12誘導心電図は、心臓の電気的な活動を記録することで、心臓の状態を評価する検査です。 私たちの心臓は、全身に血液を送り出すポンプとしての役割を担っています。このポンプ機能は、心臓の筋肉が規則正しく収縮と拡張を繰り返すことで成り立っています。そして、この収縮と拡張のリズムを刻んでいるのが、心臓内にある電気信号です。 12誘導心電図では、体の表面の決まった位置に電極を貼り付けます。すると、心臓から発生する微弱な電気信号をこれらの電極を通して捉えることができます。電極の位置によって心臓の電気信号をとらえる角度が異なるため、12種類の波形として心臓の電気活動を記録することができます。 この検査によって、不整脈や狭心症、心筋梗塞など、様々な心臓の異常を発見することができます。12誘導心電図は、心臓の健康状態を把握するための重要な検査と言えるでしょう。
外科

心臓手術の立役者: 人工心肺装置

- 人工心肺装置とは人工心肺装置とは、心臓手術を行う際に欠かせない医療機器です。 私たちの体にとって心臓と肺は、まるで車のエンジンとガソリンのような関係です。心臓は全身に血液を送り出すポンプの役割を、肺は血液中の不要な二酸化炭素と新鮮な酸素を交換する役割を担っています。心臓手術中は、心臓を停止させて行う手術が多くあります。 しかし、心臓が止まると血液が体内を循環しなくなり、酸素が体の隅々まで行き渡らなくなります。 そのため、心臓手術中には人工心肺装置を用いて、心臓と肺の働きを一時的に代行する必要があるのです。人工心肺装置は、心臓の代わりにポンプを使って血液を循環させ、肺の代わりに血液中の二酸化炭素と酸素を交換します。 いわば、人工心肺装置は体外に設置された「もう一つの心臓と肺」として機能するのです。 これにより、心臓を停止させた状態でも手術を行うことができ、患者さんの生命を維持することができます。人工心肺装置は、心臓外科医にとってまさに「右腕」とも呼べる存在であり、心臓手術の安全性を飛躍的に向上させました。 人工心肺装置の登場により、これまで不可能だった複雑な心臓手術も可能となり、多くの患者さんの命が救われています。
血液

生命を巡る赤い川:血液の役割

私たちの体内を流れる血液は、一見すると均一な赤い液体に見えますが、実際には様々な成分から構成されています。大きく分けると、液体成分である血漿と、細胞成分である血球の二つに分けられます。 血漿は血液の大部分を占める淡黄色の液体で、約90%が水分です。残りの約10%には、生命活動に必要な様々な物質が含まれています。栄養素やホルモンは、血漿によって体内の各組織に運ばれ、逆に組織で生じた老廃物は、血漿によって運び出されます。また、電解質と呼ばれるミネラル成分も含まれており、体内の水分量やpHバランスの調整に重要な役割を果たしています。 一方、血球は顕微鏡で観察すると形の違いによって区別できる細胞成分です。大きく分けて、赤い色をした赤血球、白い色をした白血球、そして細胞のかけらである血小板の三種類があります。赤血球は、肺から取り込んだ酸素と結びつき、全身の細胞に酸素を供給します。白血球は、体内に侵入した細菌やウイルスなどの異物を攻撃し、病気から体を守ります。血小板は、血管が傷ついたときに集まり、血液を凝固させて出血を止めます。 このように、血液は血漿と血球という異なる成分が互いに連携し、私たちの生命維持に欠かせない様々な機能を果たしているのです。
検査

心臓超音波検査:心臓の働きを目で見えるようにする検査

心臓超音波検査は、超音波を用いて心臓の状態を詳しく調べる検査です。身体に害の少ない超音波を用いるため、痛みや負担が少なく、繰り返し検査を受けることが可能です。検査中は、左胸に検査機器を当てて、心臓の動きを超音波で捉えます。この超音波は、人間の耳には聞こえない音波であり、身体に害を与える心配はありません。検査で得られた超音波の反射波は、コンピューターで処理され、心臓の断面図や動画として映し出されます。 心臓超音波検査では、心臓の大きさや形、壁の厚さ、動き、弁の状態などを確認することができます。これにより、心臓弁膜症や心筋症、心不全などの心臓病の診断、病状の進行度、治療効果の判定などに役立ちます。さらに、心臓内の血流をカラーで表示するカラードプラ法や、血流の速度を測定するドプラ心エコー法などの検査方法を組み合わせることで、より詳細な情報を得ることができ、心臓の病気の早期発見・早期治療に繋がります。
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