弾力性の源、エラスチン
- エラスチンとは私たちの体は、自由に動き、様々な活動を行うことができます。曲げたり、伸ばしたり、時にはねじったりと、複雑な動作も滑らかに行うことができますが、このような体の柔軟性を支えている重要な成分の一つに、「エラスチン」と呼ばれるタンパク質があります。エラスチンは、その名の通り、ゴムのように伸縮する弾力性を持つ特別なタンパク質です。まるでゴムひもが伸び縮みするように、エラスチンは、体に様々な力が加わっても、その力に応じて伸び縮みし、力がなくなると元の状態に戻る性質を持っています。このエラスチンは、体内の様々な場所に存在し、組織に弾力性と柔軟性を与えています。例えば、血管では、血液を送り出す心臓の拍動による圧力変化に柔軟に対応し、スムーズな血液循環を助ける役割を担っています。また、皮膚では、肌に弾力を与え、しわを防ぐ役割も担っています。その他にも、肺や軟骨など、体の様々な場所で重要な働きをしています。しかし、エラスチンは加齢と共にその生成量が減少し、また、紫外線や喫煙などの影響も受けて、その構造が壊れやすくなります。その結果、血管や皮膚、肺などの組織の弾力性が失われ、動脈硬化や皮膚のたるみ、肺気腫などの原因となることがあります。このように、エラスチンは私たちの体の柔軟性や弾力性を保つために非常に重要な役割を担っています。健康な体を維持するためには、エラスチンの働きを維持することが大切です。