巨赤芽球性貧血:原因と症状
- 巨赤芽球性貧血とは人間の体内を循環する血液には、赤い色をした細胞である赤血球が含まれています。この赤血球は、体の隅々まで酸素を運ぶという重要な役割を担っています。巨赤芽球性貧血とは、この赤血球が正常に成熟することができず、血液中で酸素を運ぶ役割を十分に果たせない状態になることで発症する貧血です。健康な状態では、骨髄と呼ばれる骨の中心部で、赤血球の元となる細胞が分裂と成熟を繰り返しながら、正常な赤血球へと成長していきます。しかし、巨赤芽球性貧血では、この成熟過程がうまくいかず、「巨赤芽球」と呼ばれる未熟な状態の赤血球が骨髄の中に異常に増加してしまいます。巨赤芽球は、正常な赤血球に比べてサイズが大きく、機能も未熟なため、効率的に酸素を運ぶことができません。その結果、巨赤芽球性貧血になると、体が酸素不足に陥り、様々な症状が現れます。代表的な症状としては、顔面蒼白、息切れ、動悸、疲労感、めまいなどが挙げられます。また、舌の炎症や神経障害などが現れることもあります。巨赤芽球性貧血の原因として最も多いのは、ビタミンB12や葉酸の不足です。ビタミンB12と葉酸は、赤血球の成熟に欠かせない栄養素です。これらの栄養素が不足すると、赤血球が正常に成熟することができなくなり、巨赤芽球性貧血を引き起こします。