小児科

呼吸器

百日咳:その脅威と予防について

- 百日咳とは百日咳は、百日咳菌という細菌が原因となる、感染力が非常に強い呼吸器の病気です。この百日咳菌は、感染した人の咳やくしゃみなどによって空気中に飛散し、それを吸い込むことで他の人へと感染していきます。百日咳の症状は、かぜとよく似ており、発熱や鼻水、軽い咳といった症状から始まります。しかし、1~2週間ほど経過すると、激しい咳の発作が起こるようになります。この咳の発作は、一度始まるとなかなか止まらず、嘔吐を伴うこともしばしばです。また、咳の発作の後には、息を吸い込む際に「ヒュー」という笛のような音が聞こえるのが特徴です。この特徴的な咳が、百日咳という名前の由来となっています。百日咳は、乳幼児、特にワクチン未接種の乳児がかかると重症化しやすく、注意が必要です。重症化すると、肺炎や脳症などを併発し、入院が必要となることもあります。また、大人でもかかることがあり、特に高齢者の場合は重症化するリスクが高まります。百日咳を予防するためには、ワクチン接種が最も有効です。乳幼児期に定期接種としてワクチンを受けることが重要です。また、周りの大人が百日咳にかからないように、咳エチケットを心がけたり、ワクチンを接種することも大切です。
産婦人科

新生児を守る移動式ベッド:コット

- コットとは産婦人科や小児科で生まれたばかりの赤ちゃんを寝かせるために、移動式のベッドが使われています。このベッドは「コット」と呼ばれ、病院内で赤ちゃんを安全に移動させたり、お母さんのベッドのすぐそばに寄せて赤ちゃんのお世話や授乳をしやすくするために使われています。コットの特徴は、上段が透明なケースのようになっていることです。これにより、赤ちゃんをあらゆる角度から観察することができます。また、外部からの刺激や感染から赤ちゃんを守る役割も果たします。コットは、赤ちゃんの安全と快適さを考慮して設計されています。ベッドの高さは調節可能で、お母さんが無理のない姿勢で赤ちゃんのお世話ができるようになっています。また、ベッドの側面には柵が設けられており、赤ちゃんが誤って転落するのを防ぎます。さらに、コットの下部には収納スペースが設けられており、おむつやおしりふきなどのベビー用品を収納することができます。このように、コットは病院において、新生児の安全と快適な環境を提供するために欠かせないものです。そして、お母さんにとっても、安心して赤ちゃんのお世話ができる環境を提供してくれる、心強い味方といえるでしょう。
小児科

意外と知らない?「PED」の意味

病院で働いている人や医療ドラマをよく見る人なら、「PED」という言葉を耳にしたことがあるかもしれませんね。この「PED」は一体何を意味するのでしょうか? 「PED」は、「Pediatric Emergency Department」の略称で、日本語では「小児救急外来」という意味になります。 総合病院の中には、この小児救急外来が設置されている場合があります。ここは、15歳以下のお子さんを対象とした救急医療を行うための専門の診療科です。 小児科医や看護師など、子供の診療に精通した医療従事者が常駐し、子供特有の病気や怪我に迅速かつ適切に対応できる体制が整えられています。 夜間や休日も診察を行なっていることが多く、急な発熱や嘔吐、怪我など、お子さんの体調が急変した際に、安心して受診できる場所として、重要な役割を担っています。
小児科

「キント」ってどんな意味?

病院で働く人たちは、患者さんを助けるために日々忙しく働いています。限られた時間の中で、正確に情報を伝えるためには、分かりやすい言葉を使うことが重要です。医療現場では、専門用語や診療科の名前を短く言い換えることがよくあります。このような略語を使うことで、医師や看護師は、スムーズに情報共有を行い、より早く患者さんに対応できるようになります。 例えば、心臓や血管の病気を診る「循環器内科」は「循内(じゅんない)」、胃や腸の病気を診る「消化器内科」は「消内(しょうない)」と短く呼ばれます。その他にも、「整形外科」は「整形(せいけい)」、「耳鼻咽喉科」は「耳鼻科(じびか)」のように、ほとんどの診療科には、独自の略語が存在します。これらの略語は、医師や看護師が日常的に使う言葉であり、医療現場で働くためには、知っておくことが大切です。 また、患者さんにとって、病院で話される言葉は、難しいと感じることも多いでしょう。もし、分からない言葉があれば、遠慮なく、医師や看護師に質問してみてください。
看護技術

新生児の小さな寝台:コット

- コットとは病院の新生児室や小児科でよく見かける、赤ちゃん用の小さなベッドをコットと呼びます。このベッドは移動式で、新生児の安全な睡眠場所として、病院で広く使われています。コットの特徴は何と言っても、透明なケース状の上段部分でしょう。これは、赤ちゃんをあらゆる角度から観察できるように設計されたもので、医療従事者は赤ちゃんの様子を常に確認することができます。呼吸の様子や顔色、体の動きなどを細かく観察することで、赤ちゃんの健康状態を素早く把握することができるのです。また、コットは移動式であるため、病院内での移動もスムーズに行えます。検査や処置のために赤ちゃんを移動させる必要がある場合でも、コットごと移動させることができるので、赤ちゃんへの負担を最小限に抑えられます。これは、繊細な新生児にとって大きなメリットと言えるでしょう。このように、コットは新生児の安全と快適さ、そして医療従事者の業務効率化を両立させた、病院にとって欠かせない設備なのです。
呼吸器

百日咳:その咳、もしかしたら…?

- 百日咳とは百日咳は、百日咳菌というごく小さな生き物が、空気中に漂うツバとともに体の中に入り込み、気管や気管支といった呼吸に関係する場所で増えることで発症する感染症です。感染力は非常に強く、特に免疫力が発達していない乳幼児は重症化しやすいため注意が必要です。この病気の名前は、文字通り、咳が百日間も続くことから名付けられました。もちろん、実際には誰もが百日間も咳をし続けるわけではありませんし、適切な治療を受ければ、それほど長く続くこともありません。しかし、もしも治療をせずに放っておくと、数週間から、場合によっては数ヶ月もの間、激しい咳に悩まされることになる可能性があります。百日咳の初期症状は、風邪とよく似ています。鼻水が出たり、喉が痛くなったり、微熱が続くといった症状が現れます。そして、1~2週間ほど経つと、特徴的な「コンコン」という乾いた咳が出始めます。この咳は、次第にひどくなり、息を吸う時に「ヒューヒュー」という笛のような音がするようになります。 百日咳は、ワクチン接種によって予防することが可能です。乳幼児期にワクチンを接種することで、重い症状になることを防ぐことができます。また、百日咳と診断された場合は、周囲への感染を広げないよう、医師の指示に従って適切な治療を受けることが重要です。
救急

PICUって? 2つの異なる顔を持つ医療現場

PICUという言葉を耳にしたとき、多くの人は同じ場所を思い浮かべるかもしれません。しかし実際には、PICUは全く異なる二つの医療現場を表す略語として使われています。一つは「精神病集中治療室」のことで、英語ではPsychiatry Intensive Care Unitと表記するため、それぞれの単語の頭文字をとってPICUと呼ばれます。もう一つは「小児集中治療室」のことで、こちらはPediatric Intensive Care Unitの略称です。 どちらも、重症化した患者さんの容態を24時間体制で観察し、高度な医療機器を用いた集中的な治療や看護を提供する場であるという点では共通しています。しかし、対象となる患者さんや治療内容は大きく異なります。「精神病集中治療室」では、主に統合失調症やうつ病などの精神疾患が悪化し、自傷や他害のおそれがあるなど、入院治療が必要と判断された患者さんが入院しています。一方、「小児集中治療室」では、重い病気やケガをした15歳未満の子どもたちが、その年齢特有の体の仕組みや病気の特徴に合わせた専門的な治療を受けています。 このように、PICUは一見同じように見えても、実際には全く異なる医療現場を指す言葉なのです。それぞれの現場では、専門的な知識や技術を持った医療従事者が、患者さんの一日も早い回復に向けて日々尽力しています。
アレルギー

IgA血管炎:知っておきたいこと

- IgA血管炎とはIgA血管炎は、以前はヘノッホ・シェーンライン紫斑病(HSP)という名前で知られていました。この病気は、身体の様々な部位に見られる毛細血管、細動脈、細静脈といった細い血管に炎症を起こす病気です。具体的には皮膚や関節、腸、腎臓などに影響を与えます。では、なぜ血管に炎症が起きるのでしょうか?私たちの体には、免疫グロブリンA(IgA)と呼ばれる抗体が備わっています。IgA血管炎の場合、このIgAが何らかの原因で血管の壁に沈着してしまうのです。その結果、血管壁に炎症が引き起こされ、様々な症状が現れます。IgA血管炎は、主に5歳から15歳くらいまでの子供に多く発症する病気として知られていますが、大人になってから発症することもあります。また、男女差で見ると、男性にやや多く発症する傾向があると言われています。IgA血管炎の主な症状としては、紫色の斑点状の発疹が足やお尻に出現すること、関節の痛みや腫れ、腹痛、血尿などが挙げられます。これらの症状は、血管に炎症が起きた場所や程度によって様々です。IgA血管炎は、原因がはっきりとは解明されていないため、根本的な治療法はまだ確立されていません。しかし、多くの場合、症状は自然に軽快していきます。症状が重い場合には、医師の指示のもと、薬物療法などの対症療法が行われます。
救急

PICUってなに? 2つの意味を解説

病院内で「PICU」という言葉を耳にすることがあるかもしれません。これは一体どのような場所を指すのでしょうか? 実は、PICUには『精神病集中治療室』と『小児集中治療室』という、全く異なる二つの意味が存在します。 まず、『精神病集中治療室』は、精神疾患を抱え、症状が重篤化している患者さんのための集中治療室です。ここでは、自傷他害のリスクが高い患者さんや、精神症状の悪化により日常生活を送ることが困難な患者さんに対して、24時間体制で集中的な治療やケアが行われます。 一方、『小児集中治療室』は、主に15歳以下の子供たちを対象とした集中治療室です。重い病気や怪我、手術後などで集中的な治療や看護が必要な子供たちが、専門の医療スタッフによって24時間体制で見守られています。 このように、同じPICUという言葉でも、文脈によって全く異なる意味を持つため、注意が必要です。特に、医療従事者間では、誤解を防ぐため、会話の中でどちらのPICUを指しているのかを明確にすることが重要です。
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