知られざる体内の世界:宿便の真実
「宿便」という言葉、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。なんとなく、体に悪いイメージを持っている方もいるかもしれませんね。
医学的には「糞便塊」や「宿便性便秘」とも呼ばれ、長期間にわたって腸内に溜まった便のことを指します。一般的には、通常の排便で排出されずに腸内に残留し、時間の経過とともに硬くなってしまった便をイメージする方が多いでしょう。
しかし、実際には医学的に「宿便」という言葉は存在しません。腸は、食べたものを消化・吸収し、不要なものを便として体外に排出する役割を担っています。毎日、規則正しく排便があれば、便が腸内に長期間留まることはありません。
「宿便」という言葉が使われる背景には、「腸内環境が悪いと、体内に毒素が溜まり、様々な病気の原因になる」という考えがあるようです。便秘になると、お腹が張ったり、食欲がなくなったりすることがあります。そのため、便秘によって体の中に毒素が溜まっていると感じる人もいるのかもしれません。
しかし、便秘と健康状態の関係は複雑で、一概に便秘が体に悪いとは言えません。便秘に悩んでいる場合は、自己判断で市販薬に頼ったりせず、まずは医師に相談することをおすすめします。