尿道カルンクル:知っておきたい女性の病気
- 尿道カルンクルとは?
尿道カルンクルは、女性の尿道口にできる、やわらかい良性の腫瘍です。尿道口とは、膀胱に溜まった尿が体外へ排出される際に通る穴のことを指します。「腫瘍」と聞くと、がんのような悪性の病気を想像して不安になる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、尿道カルンクルは悪性のものではなく、体に深刻な害を及ぼすことはほとんどありません。
尿道カルンクルは、見た目はつやのある赤いできもののように見え、いちごに似ていることから「尿道肉阜」とも呼ばれます。大きさは数ミリ程度のものから、1センチを超えるものまで様々です。
閉経後の女性に多くみられるのも特徴ですが、若い女性に見られることもあります。はっきりとした原因は解明されていませんが、女性ホルモンの減少や尿道口への刺激などが関係していると考えられています。
多くの場合、痛みやかゆみなどの自覚症状はみられません。しかし、尿道口付近に違和感を感じたり、排尿時に痛みを感じたりする場合もあります。また、まれに出血を伴うこともあります。
基本的には経過観察となりますが、症状が気になる場合には治療を行うこともあります。治療法としては、女性ホルモン含有の軟膏を塗ったり、手術で切除したりする方法などがあります。