妄想

脳・神経

逆耐性現象:薬物依存症の影

- 逆耐性現象とは逆耐性現象とは、覚醒剤などの一部の薬物を摂取した際に現れる、一般的な薬物への反応とは異なる現象です。この現象は、フラッシュバック現象や感受性増感現象とも呼ばれ、薬物依存からの回復を目指す上で大きな障壁となることがあります。一般的に、薬物は使い続けることで体が薬に慣れてしまい、効果が薄れていくと考えられています。これは耐性と呼ばれる現象で、多くの薬物で見られます。しかし、逆耐性現象は、この常識とは反対の現象です。逆耐性現象では、薬物の使用量を減らしたり、使用を中止した後でも、過去に大量に摂取した時と同じような効果が現れることがあります。まるで、体が以前の強い薬の効果を「記憶」しているかのように、少量の摂取でも過剰に反応してしまうのです。この現象は、薬物が脳に与える影響が変化することで起こると考えられています。具体的には、脳内の神経伝達物質のバランスが薬物によって崩れ、その影響が長期にわたって残ってしまうことが原因として挙げられます。逆耐性現象は、薬物依存からの回復を難しくするだけでなく、予期せぬ過剰摂取による健康被害のリスクを高めます。そのため、薬物依存治療においては、この現象を理解し、適切な治療法を選択することが重要となります。
脳・神経

理解を超えた信念:一次妄想とは

心の病と聞いて、多くの人が不安や落ち込みといった症状を思い浮かべるかもしれません。しかし、それ以外にも、「妄想」といった、現実認識が歪んでしまう症状が現れることがあります。 妄想とは、実際にはあり得ないことを、真実だと強く信じ込んでしまう状態のことを指します。例えば、周りの人が自分を陥れようとしていると感じる「被害妄想」、誰かに見張られている、盗聴されていると感じる「関係妄想」、テレビやラジオを通して自分にメッセージが送られてくると感じる「注解釈」などが挙げられます。 このような妄想は、統合失調症などの精神疾患において多く見られる症状として知られています。統合失調症は、思考や感情、行動に影響を及ぼす深刻な病気であり、妄想はその症状の一つとして現れることがあります。また、うつ病や不安障害などの心の病でも、症状が重い場合に妄想が現れることがあります。 もし、自分や周りの人が妄想のような症状を持っていると感じる場合には、早めに医療機関に相談することが大切です。適切な治療を受けることで、症状を改善し、より良い生活を送ることができる可能性があります。
心の問題

二次妄想:理解可能な心の影

- 二次妄想とは何か 二次妄想とは、その人の性格や過去の経験、置かれている環境、精神状態など、様々な心理的な要因が複雑に絡み合って引き起こされると考えられる妄想のことです。妄想とは、客観的な証拠がないにもかかわらず、ある考えにとらわれてしまい、それを訂正することが難しい状態を指します。 例えば、仕事で大きな失敗をしてしまったり、大切な人と別れたり、過酷な状況に置かれたりすることで、極度の不安や強いストレスを感じることがあります。また、過去のつらい経験やトラウマが、ふとした瞬間に蘇ってくることもあるでしょう。 このような場合、心が不安定になり、現実を直視することが困難になることがあります。そして、その苦痛から逃れるために、あるいは心のバランスを保つために、現実とは異なる考えにとらわれてしまうことがあります。これが二次妄想です。 二次妄想の内容は、その人が抱えている心理的な問題と深く関連していることが多い点が特徴です。例えば、強い不安を抱えている人は、周りの人が自分を騙そうとしているという被害的な内容の妄想を抱きやすくなることがあります。 二次妄想は、誰にでも起こりうる可能性があります。しかし、だからといって、決して軽視して良いものではありません。もしも、自分自身や周りの人が、現実離れした考えにとらわれていると感じたら、早めに専門医に相談することが大切です。
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