失行

脳・神経

指示された動作ができない?観念運動失行について

- 観念運動失行とは観念運動失行は、運動機能そのものに問題がないにも関わらず、頭で理解している動作や身振りを実際に行うことが難しい状態を指します。 例えば、「手を振ってください」と指示されても、手をどのように動かして良いのか戸惑ってしまったり、ぎこちない動きになってしまったりします。これは、筋肉や関節に異常があるのではなく、脳の指令が運動機能に正しく伝わらないことが原因だと考えられています。もう少し具体的に説明すると、私たちは体を動かす時、まず脳で「手を振る」という動作のイメージを作り出します。そして、そのイメージを具体的な運動の指令に変換し、神経を通して筋肉に伝えています。観念運動失行の場合、このイメージを運動指令に変換する過程に問題が生じていると考えられています。そのため、簡単な動作であっても複雑な手順を踏むような動作や、日常生活でよく行う動作であっても、意識して行おうとすると上手くできないといった特徴が見られます。例えば、歯ブラシで歯を磨く動作や、箸を使って食事をする動作など、無意識に行う場合は問題なく行えても、意識して行おうとすると途端にぎこちなくなってしまうことがあります。観念運動失行は、脳卒中や脳腫瘍などの脳血管障害によって脳が損傷を受けることで起こることがあります。また、アルツハイマー病などの認知症の初期症状として現れることもあります。
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身近な動作の異変:観念失行

- 観念失行とは観念失行は、脳の一部が損傷を受けることで起こる症状で、日常生活で何気なく行っている動作がスムーズにできなくなってしまう状態を指します。私たちは普段、朝起きてから夜寝るまで、歯磨きや着替え、食事など、多くの動作を自然と行っています。これらの動作は、いちいち考えなくても、まるで体が覚えているかのようにスムーズに行うことができます。しかし、観念失行になると、これらの動作をどのように行うのか、頭では理解していても、実際に体で表現することが難しくなってしまうのです。例えば、歯ブラシを渡されても、それが歯を磨くための道具だと分かっていても、どのように手を動かして歯に当てればいいのか、戸惑ってしまい、うまく磨くことができません。あるいは、シャツを着ようとして、袖を通す、ボタンを掛けるといった一連の動作が分からなくなり、服を着ること自体に苦労することもあります。観念失行は、動作の意味や手順が分からなくなる失語や、体の動き自体が困難になる麻痺とは異なり、あくまでも動作の実行がうまくいかなくなる点が特徴です。観念失行が起こる原因は、脳卒中や頭部外傷などによって、脳の運動を計画したり、手順を記憶したりする部位が損傷を受けることが考えられます。
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