外科手術

外科

手術の現場 – 術野ってどんなもの?

手術は体に大きな負担をかける治療法です。安全を確保し、手術が成功するためには、様々な準備と注意が欠かせません。その中でも特に重要なのが、手術を行う場所である「術野」をきちんと確保することです。今回は、手術を受ける上で欠かせない「術野」について詳しく説明していきます。 手術は、出血を伴う操作を伴う場合が多くあります。そのため、出血量を抑え、手術する場所をはっきりと確認できるようにすることが非常に大切になります。この、手術を安全かつ確実に行うために必要な、清潔を保ち、操作しやすい状態に整えられた場所のことを「術野」と呼びます。 術野を確保するためには、まず手術前に手術を受ける部位の毛を剃ったり、消毒を行ったりします。さらに、手術中は清潔な布で手術部位以外を覆い、雑菌の侵入を防ぎます。 術野を適切に確保することで、手術の安全性は格段に向上します。出血を最小限に抑えられ、医師は手術操作に集中することができます。また、感染のリスクを減らすことができ、術後の回復も早くなります。 手術を受ける際には、安心して手術を受けられるよう、術野の確保が適切に行われているか、事前に担当医によく確認しておきましょう。
外科

内鼠径ヘルニアとは?

皆さん、こんにちは。今日は、「お腹の一部が飛び出してくる病気」、「ヘルニア」についてお話します。 誰でもかかる可能性のある、身近な病気です。 今回は、数あるヘルニアの中でも、特に患者数の多い「内鼠径ヘルニア」について、詳しく解説していきましょう。 内鼠径ヘルニアは、太ももの付け根の辺りにある「鼠径部」という場所に、本来お腹の中にあるはずの腸などの臓器が飛び出してきてしまう病気です。 男性に多い病気として知られていますが、女性でも発症することがあります。 内鼠径ヘルニアになると、鼠径部に痛みや違和感を感じたり、腫れが現れたりします。 症状が進むと、飛び出した腸が締め付けられてしまい、激しい痛みや吐き気などを引き起こすこともありますので、注意が必要です。 この病気は、放っておくと悪化する可能性があります。 鼠径部に異常を感じたら、早めに医療機関を受診するようにしましょう。
外科

鼠径ヘルニアとは?

鼠径ヘルニアは、太ももの付け根の少し上、脚の付け根と下腹部の間にできる病気です。この部分は「鼠径部」と呼ばれ、お腹の中の腸などを支える筋肉や組織でできています。 通常、これらの筋肉や組織は強固で、お腹の中の臓器をしっかりと支えています。しかし、加齢や重いものを持つなどの負担、生まれつきの体質などが原因で、この部分が弱くなってしまうことがあります。 鼠径部の筋肉や組織が弱くなると、お腹の中の腸などが、その隙間から皮膚の下に飛び出してきてしまいます。これが鼠径ヘルニアです。飛び出した部分は、触ると柔らかく、押し戻せることもあります。 鼠径ヘルニアは、男性に多くみられます。これは、男性の鼠径部には、精巣に繋がる管が通っているため、構造的に弱くなっている部分があるためです。 鼠径ヘルニアは、自然に治ることはありません。治療には、一般的に手術が必要となります。鼠径ヘルニアかなと思ったら、早めに医療機関を受診しましょう。
外科

知っておきたい体の異常:ヘルニア

- ヘルニアとは私たちの体は、筋肉や組織でできた壁によっていくつもの部屋に分かれており、それぞれの部屋に大切な臓器が収まっています。これは、まるで建物の中にいくつもの部屋があり、それぞれの部屋に役割があるのと同じです。\ヘルニアとは、この体内の壁の一部が弱くなったり、穴が開いたりすることで、本来その部屋にあるべき臓器や組織の一部が、その隙間から飛び出してしまう状態を指します。建物の壁に穴が空いてしまい、そこから中の物が出てきてしまう様子を想像してみてください。\飛び出した臓器や組織は、周りの組織を圧迫することで様々な症状を引き起こします。飛び出す場所や大きさ、内容物によって症状は異なりますが、一般的には、患部に痛みや腫れ、違和感などが現れます。\ヘルニアは、お腹や足の付け根、背中など、体の様々な場所で起こる可能性があります。また、重い物を持ち上げるなど、お腹に力を入れる動作がきっかけで発症することもあります。\ヘルニアは、自然に治ることはほとんどありません。放置すると、飛び出した部分が締め付けられて血流が悪くなり、壊死してしまう可能性もあります。そのため、早期に発見し、適切な治療を受けることが大切です。
循環器

生体弁:心臓の働きを助ける天然の代替弁

私たちの体にとって、心臓は休むことなく全身に血液を送る重要な役割を担っています。心臓は複数の部屋に分かれており、それぞれの部屋の間には血液が逆流するのを防ぐための弁が存在します。しかし、加齢や生活習慣病など、様々な原因によって心臓弁が正常に機能しなくなることがあります。弁がうまく開閉しなくなると、心臓は全身に十分な血液を送ることができなくなり、動悸や息切れ、むくみなどの症状が現れます。 このような心臓弁の異常を治療するために、近年注目されているのが「生体弁」です。生体弁は、その名の通り生物の組織を材料にして作られた人工弁の一種です。主に、ウシやブタなどの心臓弁や心膜を特殊な処理を施すことで、人体に適合するように作られています。生体弁は、人工物で作られた機械弁と比較して、血栓ができにくいという利点があります。そのため、血液をサラサラにする薬を服用する必要性が低く、患者さんの負担軽減に繋がります。一方で、機械弁と比べて耐久性が低いため、将来的に再手術が必要となる可能性もあります。 生体弁は、心臓弁の機能が低下した患者さんにとって、生活の質を向上させるための重要な選択肢の一つとなっています。
外科

手術の進化:組織接着剤とその役割

組織接着剤は、手術や怪我の治療において、組織や臓器を繋ぎ合わせるために用いられる医療材料です。これは、例えるならば、体の中で傷口を塞ぐために働く血液凝固の仕組みを人工的に再現したものです。私たちの血液中には、トロンビンとフィブリノゲンと呼ばれる成分が含まれています。組織接着剤は、これらトロンビンとフィブリノゲンを主成分として作られています。組織や臓器の切断面に組織接着剤を塗布すると、トロンビンとフィブリノゲンが反応して、フィブリンと呼ばれる繊維状のタンパク質が生成されます。このフィブリンが網目状に組織を包み込み、接着力を発揮することで、傷口を素早く塞ぎます。このことから、組織接着剤はフィブリン糊とも呼ばれています。組織接着剤は、従来の縫合糸やホッチキスを用いる方法と比べて、出血や空気の漏れを効果的に防ぐことができます。また、手術時間を短縮できる、傷跡が目立ちにくいなどの利点もあります。そのため、近年、組織接着剤は、従来の方法に代わる、あるいは補完する手段として、多くの医療現場で注目されています。
外科

命を支える管:シャント機能不全とは?

- シャントとは私たちの体には、血液や体液が流れるための血管や臓器など、様々な管が張り巡らされています。これらの管は、通常はそれぞれ独立して機能しており、血液や体液は決められた経路を通って全身を循環しています。しかし、病気や怪我などによって、これらの管が正常に機能しなくなることがあります。例えば、腎臓病になると、血液をきれいにする働きが低下し、体内に老廃物が溜まってしまいます。また、水頭症になると、脳の中の脳脊髄液が過剰に溜まり、脳を圧迫してしまいます。このような場合に、人工的に管をつないで、体液の迂回路を作ったり、流れを調整したりする医療技術があります。これが「シャント」です。シャントは、本来つながっていない血管や臓器の間に、人工的に作った経路のことを指します。体液を迂回させたり、流れを調整したりするために用いられます。例えば、血液透析が必要な腎臓病の患者さんの場合、血液を浄化する装置(人工透析器)にスムーズに血液を送り込むために、腕の動脈と静脈の間にシャントを作ります。このシャントは、人工透析を受ける上で欠かせないものです。また、脳に水がたまる水頭症の患者さんの場合、過剰に溜まった脳脊髄液を腹腔(お腹の中)などに流すシャントが用いられます。脳脊髄液は、このシャントを通して腹腔に吸収され、脳の圧迫を軽減することができます。このように、シャントは様々な病気の治療に役立つ重要な医療技術です。患者さんの状態や治療目的に合わせて、適切なシャントが選択されます。
外科

命のバトン:移植医療の現状と未来

- 移植とは何か移植とは、病気やけが、あるいは生まれつきの異常などによって、本来の働きを失ってしまった臓器や組織を、健康な臓器や組織と取り替える治療法のことです。たとえば、心臓病で心臓の働きが弱ってしまった場合、健康な心臓をほかの人から提供してもらい、移植することで再び健康な生活を送れる可能性があります。移植が必要となる臓器や組織はさまざまです。心臓や肺、肝臓、腎臓といった重要な臓器だけでなく、角膜や骨髄、皮膚なども移植の対象となります。これらの臓器や組織を提供してくれるのは、脳死と判定された方や、心停止後に臓器を提供することを承諾していた方です。移植手術は、高度な技術と専門知識を必要とする大変難しい手術です。しかし、移植によって、失われた体の機能を取り戻し、再び社会復帰できる可能性があります。また、場合によっては、移植が唯一の治療法となることもあります。移植は、まさに「命のバトン」をつなぐ医療と言えるでしょう。しかし、日本では、臓器提供を希望する人が少なく、移植を希望していても、なかなか順番が回ってこないのが現状です。臓器移植は、提供してくれる人がいて初めて成り立つ医療です。臓器移植について、一人ひとりが深く考え、自分自身の意思を明確にすることが大切です。
外科

飛び出した臓器:ヘルニアを理解する

- ヘルニアとは? 私たちの体は、骨や筋肉、そして様々な組織によって支えられています。これらの組織は、まるで壁のように臓器を正しい位置に保つ役割を担っています。しかし、様々な要因によって、この「壁」の一部が弱くなってしまったり、隙間ができてしまうことがあります。 ヘルニアとは、このような体の壁にできた異常な開口部から、本来そこにはないはずの臓器の一部が飛び出してしまう状態を指します。 例えるなら、中身がいっぱい詰まった丈夫な袋を想像してみてください。この袋の一部が、何らかの原因で薄くなってしまったり、穴が開いてしまったとします。すると、袋の中身は、その薄くなった部分や穴から外に押し出されてしまいますよね。ヘルニアもこれと同じように、弱くなった体の壁から、臓器の一部が押し出されるようにして飛び出してきてしまうのです。 飛び出した臓器は、触ると柔らかいことが多いですが、常に痛みがあるわけではありません。しかし、飛び出した部分が大きくなったり、周囲の組織を圧迫したりすると、痛みや違和感を感じることがあります。また、場合によっては、飛び出した臓器への血流が悪くなり、緊急を要するケースも考えられます。
外科

生命を支えるパイプライン:シャント機能不全とその対処

私たちの体は、血管やリンパ管など、体液を循環させるための重要な管が隅々まで張り巡らされています。これらの管は、まるで体中に張り巡らされた水道管のように、血液やリンパ液といった体液を必要な場所に送り届ける役割を担っています。しかし、病気や怪我によって、これらの重要な管が詰まったり、機能しなくなったりすることがあります。水道管が壊れて水が流れなくなってしまうように、体液を運ぶ管が正常に機能しなくなると、私たちの体は栄養や酸素を十分に受け取ることができなくなり、生命維持に支障をきたす可能性も出てきます。 このような事態に対処するために開発されたのが「シャント」です。シャントとは、人工的に作ったバイパスルート、つまり体液の流れ道のことを指します。体内に細い管を通したり、血管同士をつなぎ合わせたりすることで、本来のルートが機能しなくても体液をスムーズに流すことができるようになります。これは、まるで壊れた水道管を迂回して新しい水道管を敷設するようなものです。シャントによって体液の流れを確保することで、栄養や酸素を体の各部に届け、正常な生命活動を維持することが可能になります。シャントは、心臓外科手術や透析治療など、様々な医療分野で重要な役割を果たしています。
消化器

盲腸(虫垂炎)とは?

- 虫垂炎とは虫垂炎は、盲腸の先端にある細い管状の器官である虫垂に炎症が起こる病気です。一般的に「盲腸」と呼ばれることも多いですが、これは正確ではありません。盲腸は大腸の一部であり、虫垂は盲腸から突き出た器官です。虫垂の役割は完全には解明されていませんが、腸内細菌のバランスを調整したり、免疫機能に関与していると考えられています。 虫垂炎は、虫垂の入り口が便や異物によって塞がってしまうことで、細菌が増殖し、炎症を引き起こすと考えられています。主な症状としては、初期にはみぞおちのあたりに鈍い痛みを感じることがあります。その後、痛みが右下腹部に移り、吐き気や嘔吐を伴うこともあります。発熱することもあります。 虫垂炎は放置すると虫垂が破裂し、腹膜炎を引き起こす可能性があります。腹膜炎は命に関わる危険な状態であるため、早期に診断し、治療することが重要です。虫垂炎の治療法は、抗生物質による薬物療法と、手術による虫垂の切除の二つがあります。
外科

医療行為における「観血的」とは?

医学の分野において、「観血的」という言葉は、文字通り「血を見る」処置、つまり出血を伴う医療行為を指します。患者さんの体内に直接アプローチするため、出血は避けられない側面と言えます。 観血的な医療行為の代表例としては、外科手術が挙げられます。外科手術では、メスを用いて皮膚や組織を切開し、病変部を切除したり、臓器を修復したりします。例えば、虫垂炎の手術では、炎症を起こした虫垂を切除するために腹部を切開します。また、骨折した骨を固定するために、金属プレートやネジを埋め込む手術なども、観血的な医療行為に分類されます。 心臓カテーテル検査も、観血的な医療行為の一つです。この検査では、足の付け根や腕の血管からカテーテルと呼ばれる細い管を挿入し、心臓まで進めます。そして、造影剤を注入しながらレントゲン撮影を行うことで、心臓の血管の状態を詳細に調べます。 観血的な医療行為は、出血や感染症などのリスクを伴いますが、直接患部にアプローチできるため、より確実な診断や治療効果が期待できます。例えば、外科手術では、病変部を直接見て確認しながら切除できるため、取り残しを少なくすることができます。また、心臓カテーテル検査では、心臓の血管の状態を詳細に把握することで、適切な治療方針を立てることができます。
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医療における「観血的」とは?

- 観血的な治療とは医療において、患者さんの身体に直接介入して治療を行う方法を、大きく分けて「観血的治療」と「非観血的治療」の二つに分類することがあります。 「観血的治療」とは、文字通り、血液を見る可能性を伴う治療法を指します。具体的には、メスを用いて皮膚や組織を切開する外科手術や、カテーテルを血管や体腔に挿入する検査などが、観血的な治療に該当します。観血的な治療は、体内を直接見たり、触ったりすることができるため、病気の原因を特定し、より確実な治療を行う上で非常に有効な手段となります。例えば、外科手術では、病気の原因となっている臓器や組織を直接切除したり、修復したりすることができます。また、カテーテルを用いた検査や治療では、心臓や血管など、体の深部にある臓器の状態を詳細に把握し、適切な処置を行うことが可能です。しかし、観血的な治療は、皮膚や組織を傷つけるため、出血を伴う可能性があります。また、傷口からの感染症のリスクもゼロではありません。そのため、観血的な治療を行う場合は、出血や感染症などのリスクを十分に考慮した上で、慎重に判断する必要があります。近年では、医療技術の進歩により、内視鏡手術のように、身体への負担が少ない観血的治療も増えています。患者さんの状態や病気の種類、治療の目的などに応じて、最適な治療法を選択することが重要です。
外科

開腹手術:お腹を開いて治療する方法

- 開腹手術とは開腹手術とは、お腹を切開して、お腹の中の臓器を直接見て、治療する手術のことです。「お腹を開く手術」というと、体への負担が大きく、複雑な手術というイメージを持たれる方も多いかもしれません。しかし実際には、様々な病気に対して行われている手術です。例えば、虫垂炎や腸閉塞、消化管穿孔など、緊急を要する病気に対して行われる場合もあれば、腫瘍の切除など、計画的に行われる場合もあります。開腹手術は、お腹の中を直接見ることができるため、病変部を確実に確認し、治療できるという利点があります。また、内視鏡手術に比べて、複雑な手術や大規模な手術にも対応しやすいという利点もあります。かつては、お腹の手術のほとんどが開腹手術で行われていました。しかし近年では、傷口が小さく体への負担が少ない内視鏡手術が普及してきており、開腹手術を行う機会は減ってきているのも事実です。それでも、開腹手術は現在もなお、多くの患者さんの命を救い、健康を守るために重要な役割を果たしている手術です。
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甲状腺がん:知っておきたい基礎知識

- 甲状腺がんとは喉仏の下あたりにある、蝶のような形をした甲状腺という臓器をご存知でしょうか。この甲状腺は、体の代謝を調整するホルモンを分泌するという、とても大切な役割を担っています。 甲状腺がんとは、この甲状腺に発生するがんのことを指します。甲状腺がんは、他の臓器のがんと比較して比較的まれながんですが、近年増加傾向にあります。 特に、20歳代から40歳代の女性に多く見られるのも特徴の一つです。甲状腺がんは、進行が遅く、早期に発見し適切な治療を行えば、治癒率の高いがんとしても知られています。 しかし、進行すると、声のかすれや呼吸困難などの症状が現れることがあります。 また、まれに、骨や肺などに転移することもあります。甲状腺がんの主な治療法は、手術療法、放射線療法、薬物療法などです。 治療法は、がんの進行度や患者さんの状態によって異なります。甲状腺がんは、早期発見、早期治療が非常に重要です。 定期的な健康診断や、首にしこりなどを感じた場合には、速やかに医療機関を受診するようにしましょう。
外科

自家移植:自分の体の一部を使って治す

- 自家移植とは自家移植とは、病気や怪我によって損傷を受けたり機能しなくなったりした組織や臓器を、健康な状態に戻すための治療法の一つです。 具体的には、患者さん自身の体の一部を採取し、治療を必要とする別の部位に移植します。移植に用いられる組織や臓器はさまざまです。例えば、重度の火傷を負った場合には、自身の健康な皮膚を採取し、損傷を受けた部位に移植します。 また、骨髄移植では、健康な骨髄液を採取し、血液の病気の治療に役立てます。自家移植の最大のメリットは、拒絶反応のリスクが極めて低い点にあります。 通常の臓器移植では、他人の臓器を移植するため、体内の免疫システムが、移植された臓器を「異物」と認識し攻撃してしまうことがあります。これが拒絶反応です。しかし、自家移植では、移植片は元は自分の体の一部であるため、免疫システムが攻撃することはありません。このため、自家移植では、拒絶反応を抑えるための免疫抑制剤を長期間にわたって服用する必要性が低く、感染症などの副作用のリスクを軽減することができます。自家移植は、患者さん自身の細胞や組織を利用することで、身体への負担を最小限に抑えながら、さまざまな病気や怪我の治療に貢献できる可能性を秘めた治療法と言えるでしょう。
外科

知っておきたい病気:ヘルニア

- ヘルニアとは私たちの体は、まるで部屋のように、筋肉や組織の壁によっていくつもの区画に仕切られています。そして、胃や腸などの臓器は、それぞれ決められた区画の中に収まっています。しかし、この仕切りの壁が弱くなったり、穴が開いてしまったりすることがあります。ヘルニアとは、このように体の内部にある組織や臓器の一部が、本来あるべき場所から、弱くなった壁の隙間を通って飛び出してしまっている状態のことを指します。飛び出した臓器は、皮膚の下に膨らみとして現れることが多く、触ると柔らかいことが多いです。また、ヘルニアの種類や症状の程度によっては、痛みを伴うこともあります。痛みは、重いものを持ち上げたり、咳やくしゃみをしたり、長時間立っていたりするときに強くなることがあります。ヘルニアは、お腹、鼠径部(そけいぶ)、太ももの付け根、おへその周りなど、体の様々な場所に起こる可能性があります。また、加齢、肥満、妊娠、重いものを持ち上げるなどの腹圧がかかる動作、慢性的な咳なども、ヘルニアのリスクを高める要因となります。自己判断せず、体に異常を感じたら、医療機関を受診するようにしましょう。
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