音声手術:ラリンゴとは?
ラリンゴの概要
ラリンゴとは、「喉頭顕微鏡下手術」を短く言い表した言葉で、耳鼻咽喉科で行われる手術の一つです。手術用の顕微鏡を用いて、喉頭と呼ばれる器官を細かく観察しながら、異常のある部分を治療します。喉頭は、呼吸をするための空気の通り道であると同時に、声を出すために重要な役割を果たす器官です。
ラリンゴは、特に「声帯」と呼ばれる、喉頭の中にある二本のヒダ状の組織に生じた病気を治療する際によく用いられます。声帯は、呼吸時に肺から出てきた空気が当たって振動することで、私たちの声を生み出します。この声帯に、腫瘍やポリープ、結節、嚢胞などの病気が発生すると、声が嗄れたり、かすれたり、出にくくなったりするなどの症状が現れます。
ラリンゴでは、このような声帯の病変を顕微鏡で拡大して見ながら、非常に小さな器具を使って丁寧に切除します。これにより、声帯の機能を可能な限り温存し、嗄れなどの症状を改善することを目指します。ラリンゴは、声に関わる仕事をしている人や、普段からよく声を出す機会が多い人にとって、特に有効な治療法と言えるでしょう。