嚥下障害

脳・神経

球麻痺:言葉と飲み込みに影響する病気

- 球麻痺とは?私たちの脳には、生命維持に欠かせない大切な役割を担う「延髄」と呼ばれる部分が存在します。この延髄は、呼吸や心臓の動きなど、私たちが意識することなく行われている体の機能をコントロールしています。そして、この延髄には、「脳神経核」と呼ばれる神経細胞の集まりがあり、ここが舌や喉の筋肉を動かす司令塔の役割を担っています。球麻痺は、この延髄にある脳神経核が障害されることで発症する病気です。延髄はちょうど球のような形をしているため、球麻痺という名前が付けられました。この病気になると、脳からの指令が舌や喉の筋肉にうまく伝わらなくなり、様々な症状が現れます。具体的には、食べ物を飲み込みにくくなる、言葉が話しにくくなる、物が二重に見える、顔の筋肉が動きにくくなるなどの症状が現れ、日常生活に大きな支障をきたすこともあります。球麻痺の原因は、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害、腫瘍、炎症など様々です。また、ギラン・バレー症候群などの神経疾患が原因となることもあります。球麻痺の治療法は、その原因や症状の程度によって異なりますが、リハビリテーションや薬物療法などが行われます。
血液

プランマー・ビンソン症候群:知っておきたい3つの症状

プランマー・ビンソン症候群、聞き慣れない病名かもしれませんね。これは1900年代初頭に、イギリスの医師であるプランマー氏とビンソン氏によって報告された病気です。食道が狭くなってしまうのが特徴で、物をうまく飲み込むことができなくなってしまいます。 この病気の主な症状は3つあります。まず一つ目は、体中の組織に酸素を運ぶための鉄分が不足することで起こる、鉄欠乏性貧血です。顔色が悪くなったり、疲れやすくなったりします。二つ目は、舌が炎症を起こしてしまう舌炎です。舌の色が変わったり、表面が滑らかになったり、痛みを感じたりします。そして三つ目は、食べ物をうまく飲み込めなくなる嚥下障害です。食べ物が喉につかえる感じがしたり、飲み込む際に痛みを感じたりします。 プランマー・ビンソン症候群は、かつては中年期の女性に多く見られる病気でしたが、現代では医療の進歩や栄養状態の改善により、発症する人は少なくなりました。しかし、早期に発見して適切な治療を行えば、症状を改善し、より健康な生活を送ることができます。そのためにも、この病気の基本的な知識を持っておくことは大切です。
PAGE TOP