嘔吐

消化器

知っておきたい病気:イレウス

- イレウスとはイレウスとは、食べ物を消化し、栄養を吸収する上で非常に重要な役割を担っている腸の働きが、何らかの原因で阻害され、本来ならばスムーズに送られるべき内容物が腸内に滞ってしまう状態を指します。私たちの体は、口から摂取した食べ物を胃で消化し、腸で栄養分を吸収することで生命を維持しています。この消化吸収という過程は、胃や腸などの消化器官が蠕動運動と呼ばれる規則正しい収縮運動を行うことで成り立っています。しかし、様々な要因によってこの蠕動運動が弱まったり、あるいは完全に停止してしまうことで、イレウスは引き起こされます。腸は栄養の吸収だけでなく、体内の水分調整にも深く関わっています。イレウスによってこの機能が損なわれると、体全体の水分バランスが崩れ、脱水症状を引き起こす可能性があります。さらに、イレウスを放置すると、腸閉塞や腸穿孔といった命に関わる重篤な合併症を引き起こす可能性もあります。そのため、早期の診断と適切な治療が非常に重要となります。
消化器

吐き気:その不快感の正体

- 吐き気とは 吐き気は、一般的に「吐きそう」と表現される、非常に不快な感覚です。これは、胃の内容物を口から外に出したいという衝動を伴いますが、実際に吐いてしまうこと(嘔吐)とは区別されます。つまり、吐き気を感じていても、必ずしも嘔吐するとは限りません。 吐き気は、多くの人が経験するありふれた症状です。食べ過ぎや乗り物酔いなど、比較的軽い原因で起こることもあれば、病気のサインとして現れることもあります。例えば、胃腸炎や食中毒などの感染症、胃潰瘍や胆石などの消化器疾患、脳腫瘍や髄膜炎などの脳神経系の病気など、様々な病気が吐き気を引き起こす可能性があります。 吐き気は、体を守るための重要な反応の一つでもあります。体に有害な物質を摂取した場合、それを吐き出すことで、体内への吸収を防ぐ役割を果たします。また、病気の際には、食欲を抑制することで、消化器官への負担を軽減する効果もあります。 しかし、吐き気が続く場合は、脱水症状や栄養不足を引き起こす可能性もあります。そのため、吐き気が続く場合は、自己判断せずに、医療機関を受診し、医師の診察を受けるようにしましょう。
消化器

感染性胃腸炎: 冬の流行に注意

- 感染性胃腸炎とは感染性胃腸炎は、ウイルスや細菌などの微生物が原因となって、胃や腸などの消化管に炎症が起こる病気です。代表的な症状としては、吐き気や嘔吐、下痢、腹痛などがあり、発熱を伴うこともあります。これらの症状は、体内に入った病原体が胃や腸の粘膜に侵入し、炎症を引き起こすことで現れます。感染性胃腸炎の多くは、経口感染で広がります。これは、汚染された飲食物を口にすることで、病原体が体内に侵入することを意味します。例えば、十分に加熱処理されていない肉や魚介類、洗浄が不十分な野菜、賞味期限切れの食品などを摂取することで感染する可能性があります。また、感染者の便や吐瀉物に含まれるウイルスや細菌が、手や調理器具などを介して口に入ることでも感染します。感染性胃腸炎は、年間を通して発生しますが、特に冬場に流行しやすい傾向があります。これは、気温が低く乾燥した環境では、ウイルスが活性化しやすくなるためです。また、冬場は人々が室内で過ごす時間が長くなり、密集状態になりやすいことも、感染拡大の一因と考えられます。感染性胃腸炎は、多くは数日から1週間程度で自然に治癒しますが、脱水症状を引き起こしやすいため、こまめな水分補給が重要です。また、症状が重い場合や長引く場合は、医療機関を受診しましょう。
消化器

胃腸炎とは:原因と症状、予防策について

胃腸炎は、食べ物を消化し吸収する器官である消化管に炎症が起こる病気です。主に胃、小腸、大腸といった器官が炎症の影響を受けます。一般的に「お腹の風邪」とも呼ばれ、多くの人が経験するありふれた病気です。 胃腸炎になると、腹部に強い痛みを感じることがあります。また、下痢や吐き気、嘔吐といった症状も現れます。これらの症状は、日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。例えば、仕事や学校を休まざるを得ない状況になることもありますし、家事や育児に集中することが難しくなることもあります。 多くの場合、胃腸炎は数日程度で自然に治癒します。しかし、症状が長引いたり、重症化したりするケースもあります。特に、下痢や嘔吐が続くと、体内の水分や電解質が失われ、脱水症状に陥る危険性があります。脱水症状が重症化すると、入院治療が必要となる場合もあるため注意が必要です。 胃腸炎の原因はさまざまですが、主にウイルスや細菌による感染が挙げられます。これらの病原体は、汚染された食品や水、あるいは感染者の便などを介して、口から体内へと侵入します。また、ノロウイルスのように、空気中に漂うウイルスを吸い込むことで感染するケースもあります。 胃腸炎を予防するためには、手洗いの徹底が重要です。特に、トイレの後や食事の前には、石鹸と流水を使って手を丁寧に洗いましょう。また、食品を適切な温度で保管したり、調理する際は十分に加熱したりすることも、食中毒による胃腸炎の予防に効果的です。
消化器

ノロウイルス感染症:その感染力と症状

- ノロウイルスとは?ノロウイルスは、一年を通して私たちの間で頻繁に流行を引き起こす、急性胃腸炎の代表的な原因となるウイルスです。ノロウイルスに感染すると、吐き気や嘔吐、腹痛、下痢などの症状が現れます。 多くの場合、これらの症状は1日から3日程度で治まりますが、乳幼児や高齢者の方などは、脱水症状や他の病気の合併症を引き起こす可能性もあるため、注意が必要です。ノロウイルスの感染力は非常に強く、わずか10~100個ほどのウイルス粒子が口から体内に入るだけで感染が成立してしまうと言われています。これは、他のウイルスと比較しても極めて少ない数であり、ノロウイルスの感染力の強さを示しています。感染経路は主に、ウイルスに汚染された食品や飲料水を摂取することによる「経口感染」です。特に、カキなどの二枚貝や、ノロウイルスに感染した人が調理した食品などを介して感染することが多いため、注意が必要です。また、感染者の吐物や糞便に含まれるウイルスが、空気中に舞い上がり、それを吸い込むことで感染する「空気感染」や、感染者の吐物や糞便が付着したドアノブやトイレなどを介して感染する「接触感染」もあります。ノロウイルスに対する有効なワクチンや特効薬は、現在のところありません。そのため、感染を防ぐためには、日頃から手洗いを徹底することや、食品を加熱調理することなど、基本的な衛生対策を心掛けることが重要です。
小児科

ロタウイルス感染症:乳幼児に多い胃腸炎

- ロタウイルスとはロタウイルスは、乳幼児によく見られる胃腸炎を引き起こすウイルスです。特に、生後6か月から2歳頃までのお子さんは注意が必要です。感染すると、嘔吐や下痢、発熱などの症状が現れ、脱水症状に陥りやすいため、注意深いケアが欠かせません。ロタウイルスは、感染した人の便の中に存在し、その便に直接触れたり、便で汚染された物に触れることで感染します。例えば、オムツ交換の際に手にウイルスが付着したり、おもちゃやドアノブなどを介して口に入ったりすることで感染が広がります。また、十分に洗浄されていない食品を食べることでも感染する可能性があります。ロタウイルスの感染力は非常に強く、ごくわずかな量のウイルスでも感染を引き起こす可能性があります。そのため、感染予防には、手洗いの徹底が何よりも重要です。石鹸を使って丁寧に手を洗い、流水で十分にすすぎましょう。また、おもちゃや身の周りの物の消毒もこまめに行うことが大切です。ロタウイルス胃腸炎はワクチンで予防できる病気です。ワクチンを接種することで、重症化を防ぐ効果が期待できます。かかりつけ医に相談し、ワクチンの接種を検討しましょう。
消化器

感染性胃腸炎: 冬の流行に注意

- 感染性胃腸炎とは感染性胃腸炎は、食べ物や飲み物、あるいは感染者の便などを通して、体の中に微生物が侵入し、胃や腸などの消化管に炎症を引き起こす病気です。この微生物には、主に細菌やウイルスなどが挙げられます。代表的な症状としては、吐き気や嘔吐、下痢、腹痛などがあり、発熱や頭痛を伴うこともあります。これらの症状は、体内に入った微生物を排除しようとする体の防御反応によって起こります。感染性胃腸炎は、乳幼児から高齢者まで幅広い年齢層で発症する可能性があります。特に、免疫力が十分に発達していない乳幼児や、免疫力が低下しやすい高齢者は、重症化しやすい傾向にあるため注意が必要です。感染性胃腸炎は、年間を通して発生しますが、特に冬場に流行しやすいと言われています。これは、気温が低く乾燥した環境では、ウイルスが空気中を漂いやすく、感染が広がりやすいためと考えられています。また、夏場には、細菌による食中毒が原因で発症するケースも多くなります。感染性胃腸炎を予防するためには、こまめな手洗いが重要です。特に、食事の前やトイレの後には必ず手を洗いましょう。また、食品は十分に加熱してから食べるようにし、生水は飲まないようにしましょう。周りの人に感染を広げないためにも、咳エチケットを心がけることも大切です。
消化器

嘔吐:その原因とメカニズム

- 嘔吐とは嘔吐は、私たちが食べたものが胃から食道を通って口に戻り、最終的には体外へ出てしまう現象のことを指します。多くの人が経験する現象ですが、不快で苦しいものです。嘔吐が起こる前には、吐き気を催したり、体が冷えて汗が出てきたり、顔が青白くなったりすることがあります。このような症状は、体が嘔吐に向けて準備をしているサインと言えるでしょう。嘔吐の原因は様々です。食べ過ぎや消化不良など、一時的な要因で起こることもあれば、病気の症状として現れることもあります。例えば、風邪やインフルエンザなどの感染症、胃腸炎、食中毒、乗り物酔い、脳腫瘍などが挙げられます。そのため、嘔吐が続く場合や、発熱、腹痛、下痢、頭痛、意識障害などの症状を伴う場合には、自己判断せずに、速やかに医療機関を受診することが重要です。自己判断で市販薬を服用するのも危険です。嘔吐を繰り返すと、体内の水分や塩分が失われて脱水症状に陥ることがあります。そのため、嘔吐後は、経口補水液やスポーツドリンクなどで水分と塩分を補給するように心がけましょう。また、しばらくは消化の良いものを食べるようにして、胃腸を休ませることが大切です。
消化器

吐き気:その不快感の正体

- 吐き気とは吐き気は、多くの人が経験する、胃のあたりから込み上げてくるような不快な感覚です。食べ物の匂いを嗅いだだけで、あるいは乗り物に乗っている時など、状況によっては強い不安感や恐怖感を伴うこともあります。しばしば嘔吐の前兆として現れ、実際に吐いてしまうこともありますが、吐き気だけにとどまり、嘔吐に至らない場合も少なくありません。吐き気を感じると、食欲がなくなったり、体がだるく感じたりするなど、他の症状が現れることもあります。また、吐き気は一時的なものから、慢性的に続くものまで、その程度はさまざまです。日常生活において、吐き気は実に様々な原因によって引き起こされます。例えば、食べ過ぎや飲み過ぎ、食あたりなどの消化器系の問題だけでなく、乗り物酔い、つわり、ストレス、強い痛み、薬の副作用なども吐き気を引き起こす要因となります。また、脳腫瘍や髄膜炎など、命に関わる病気のサインである可能性も考えられるため、吐き気が続く場合は、自己判断せずに医療機関を受診することが重要です。
PAGE TOP