咳嗽

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咳 reflex:体の防御反応

咳とは、誰もが経験する、ごくありふれた体の反応です。医学用語では「咳嗽」と書きますが、これは、呼吸をするために空気の通り道となっている気道に、不要なものが溜まった時に、それを体外に排出するために起こる、生まれつきの大切な防御反応です。 私たちは呼吸をする際に、空気と一緒に、ごく小さな埃や、目には見えないウイルスや細菌などを体内に取り込んでいます。これらは通常、鼻や口、気道の粘膜に付着し、体内に入るのを防いでいます。しかし、過剰な埃やウイルス、細菌などが体内に入り込んだり、気道に炎症が起こったりすると、それを体外に排出するために、私たちの体は咳という反応を起こします。 咳は、肺に溜まった空気を、勢いよく吐き出すことで、異物を体外へ排出します。この時、同時に気道に溜まった痰と呼ばれる粘液も一緒に排出されます。痰には、埃やウイルス、細菌などが含まれており、咳によってこれらを体外に出すことで、呼吸器の健康を守っているのです。 咳は、たばこなどによる刺激や、喘息などの病気の症状として現れることもあります。咳が長引く場合は、自己判断せずに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けるようにしましょう。
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咳だけが続く? 知っておきたい咳喘息

- 咳喘息とは咳喘息は、喘鳴や呼吸困難といった典型的な喘息の症状が現れず、慢性的な咳だけが続く病気です。まるで風邪を引いた後のように、咳がなかなか治らず、通常は8週間以上続きます。咳は、特に夜間や早朝にひどく出ることが多く、日常生活に支障をきたすこともあります。一見すると、ただの風邪と勘違いしてしまいがちですが、咳喘息は気管支に慢性的な炎症が起こっている状態です。風邪の原因となるウイルスなどによる一時的なものではなく、気管支が過敏になり、少しの刺激で咳込んでしまう状態が続いているのです。咳喘息を放置すると、本格的な喘息に移行するリスクもあります。そのため、咳喘息は適切な治療が必要な病気なのです。自己判断で市販の風邪薬などを服用し続けるのではなく、医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。
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