生命の維持に欠かせない呼吸
呼吸とは、私たちが生きていく上で欠かせない活動の一つです。食べ物を口にすることなく数週間、水を飲むことなく数日生きることができたとしても、呼吸を数分間停止したらどうなるでしょうか。おそらく、生命を維持することは難しいでしょう。それほどまでに、呼吸は人間の生命活動と深く結びついています。
呼吸は、大きく分けて「外呼吸」と「内呼吸」の二つに分けられます。 「外呼吸」とは、肺で行われる空気の出し入れのことです。息を吸うと、空気中の酸素が肺に取り込まれ、血液中に送られます。同時に、血液中の二酸化炭素が肺に送られ、息を吐くことで体外に排出されます。 一方、「内呼吸」は、血液と細胞の間で行われるガス交換のことです。血液によって全身に運ばれた酸素は、細胞で栄養素を分解し、エネルギーを生み出すために使われます。そして、この過程で発生した二酸化炭素が、血液によって肺まで運ばれていくのです。
このように、呼吸は体内に酸素を供給し、不要な二酸化炭素を排出するために、休みなく続けられています。私たちが意識することなく、呼吸が規則正しく行われているのは、脳にある呼吸中枢が関わっているからです。呼吸中枢は、血液中の酸素と二酸化炭素の濃度を常に監視し、状況に応じて呼吸の速さや深さを調整しています。