呼吸器

耳鼻科

くしゃみ:体を守る防御反応

- くしゃみとはくしゃみは、誰もが経験する、ありふれた生理現象です。私たちは、鼻の奥にある粘膜に、ほこりや花粉、ウイルスなどの異物が侵入してくると、それを体外に排出しようとします。その際に起こるのがくしゃみです。くしゃみは、まるで反射のように、瞬間的に起こります。まず、異物を感じ取った鼻の粘膜が刺激され、脳に信号が送られます。すると、脳からの指令で、肺の中に空気をため込み、胸の筋肉や横隔膜が一気に収縮します。その結果、鼻や口から、勢いよく空気が吐き出されるのです。この時、同時に目も閉じられるのは、異物が目に入るのを防ぐためだと考えられています。くしゃみは、一見すると、周囲を驚かせてしまうような激しい反応です。しかし、それは決して恥ずべきことではありません。むしろ、私たちの体を守るための、重要な防御反応なのです。くしゃみを我慢してしまうと、異物を体外に排出できず、かえって症状が悪化してしまう可能性もあります。ですから、くしゃみをしたい時は、思い切ってした方が良いでしょう。ただし、周囲に人がいる場合は、ハンカチやティッシュなどで口と鼻を覆うなど、エチケットを守ることが大切です。
外科

心臓手術の立役者: 人工心肺装置

- 人工心肺装置とは人工心肺装置とは、心臓手術を行う際に欠かせない医療機器です。 私たちの体にとって心臓と肺は、まるで車のエンジンとガソリンのような関係です。心臓は全身に血液を送り出すポンプの役割を、肺は血液中の不要な二酸化炭素と新鮮な酸素を交換する役割を担っています。心臓手術中は、心臓を停止させて行う手術が多くあります。 しかし、心臓が止まると血液が体内を循環しなくなり、酸素が体の隅々まで行き渡らなくなります。 そのため、心臓手術中には人工心肺装置を用いて、心臓と肺の働きを一時的に代行する必要があるのです。人工心肺装置は、心臓の代わりにポンプを使って血液を循環させ、肺の代わりに血液中の二酸化炭素と酸素を交換します。 いわば、人工心肺装置は体外に設置された「もう一つの心臓と肺」として機能するのです。 これにより、心臓を停止させた状態でも手術を行うことができ、患者さんの生命を維持することができます。人工心肺装置は、心臓外科医にとってまさに「右腕」とも呼べる存在であり、心臓手術の安全性を飛躍的に向上させました。 人工心肺装置の登場により、これまで不可能だった複雑な心臓手術も可能となり、多くの患者さんの命が救われています。
検査

血液ガス分析:健康状態を知るための窓

- 血液ガス分析とは血液ガス分析とは、私たちの体の状態を詳しく調べるための大切な検査方法の一つです。 この検査では、動脈または静脈から少しだけ血液を採取し、その血液の中に含まれている様々な成分を分析します。採取した血液から、肺がどれだけしっかりと機能しているのか、体の中にある酸とアルカリのバランスは適切かといったことを評価することができます。具体的には、血液の中にどれだけの酸素と二酸化炭素が含まれているのか、血液のpHはどのくらいなのかといったことを調べます。 私たちの体では、常に酸素を取り込んで、代わりに二酸化炭素を排出しています。このバランスが崩れると、体に様々な不調が現れます。 血液ガス分析では、このガス交換が正常に行われているかどうかを調べることができます。また、血液のpHは体内の酸とアルカリのバランスを示しています。 pHの値が正常範囲から外れると、体の様々な機能に影響が出てきます。 血液ガス分析では、このpHの値を調べることで、体内の酸とアルカリのバランスが保たれているかどうかを判断することができます。血液ガス分析は、呼吸器疾患、心臓疾患、腎臓疾患など、様々な病気の診断や治療効果の判定に用いられています。
検査

アストラップ:血液ガス分析でわかること

- アストラップとはアストラップとは、動脈から血液を採取し、その血液に溶けている酸素や二酸化炭素の量、そして血液の酸性度を調べる検査のことです。正式には「動脈血ガス分析」と呼ばれ、体の呼吸状態や酸塩基平衡状態を評価するために重要な検査です。私たちが呼吸によって体内に取り込んだ酸素は、肺の中で血液中に溶け込み、全身に運ばれます。同時に、細胞が活動した後に排出される二酸化炭素は、血液によって肺に運ばれ、呼吸によって体外へ排出されます。この、酸素と二酸化炭素のやり取りが正常に行われているか、また体内の酸とアルカリのバランスが適切に保たれているかを調べるのがアストラップの目的です。アストラップでは、血液中の酸素の量を示す「酸素分圧」、二酸化炭素の量を示す「二酸化炭素分圧」、そして血液の酸性度を示す「pH」などが測定されます。これらの値を見ることで、肺が正常に機能しているか、呼吸器疾患の可能性があるか、体内の酸塩基平衡が乱れていないかなどを判断することができます。アストラップは、肺炎や喘息などの呼吸器疾患、心不全、糖尿病ケトアシドーシスなどの様々な病態の診断や治療効果の判定に用いられます。また、手術中や集中治療室などにおいて、患者の状態を把握するためにも重要な検査です。
検査

血液ガス分析:健康状態を知る窓

血液ガス分析とは、私たちの体内を流れる血液を採取し、その成分を分析することによって、全身の状態、特に呼吸機能や酸塩基平衡の状態を評価する検査です。 私たちの身体は、細胞が正常に機能するために常に酸素を必要とし、活動によって生じた二酸化炭素を体外へ排出する必要があります。血液は、肺から取り込んだ酸素を全身の細胞へ運び、細胞から排出された二酸化炭素を肺へ運搬する役割を担っています。 血液ガス分析では、血液中に含まれる酸素や二酸化炭素の量や圧力、血液のpH(酸性・アルカリ性の度合い)などを測定します。これらの値を調べることで、肺が正常に酸素を取り込み、二酸化炭素を排出できているか、また体内の酸とアルカリのバランスが適切に保たれているかを評価することができます。 血液ガス分析は、呼吸器疾患の診断や治療効果の判定、集中治療室などでの重症患者の状態把握など、幅広い目的で活用されています。
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