自動性膀胱:脊髄損傷との関係
- 自動性膀胱とは自動性膀胱は、尿をためて、排出するという膀胱本来の機能が、神経の異常によって損なわれてしまう病気です。本来、健康な状態では、膀胱に尿がたまると、その情報が脳に伝えられます。脳は、今が排尿に適切なタイミングかどうかを判断し、適切なタイミングであれば、膀胱の筋肉を収縮させ、尿道括約筋を緩めるように指令を出します。その指令に従って膀胱の筋肉が収縮し、尿道括約筋が緩むことで、私たちはスムーズに排尿することができます。しかし、脳と膀胱をつなぐ神経経路が、病気や怪我などによって損傷を受けてしまうと、このスムーズな排尿のサイクルが乱れてしまいます。その結果、脳からの指令が膀胱に届かなくなり、膀胱は脳からの指令を待たずに、勝手に収縮と弛緩を繰り返してしまうようになります。これが自動性膀胱と呼ばれる状態です。自動性膀胱は、脳と脊髄をつなぐ橋と呼ばれる部位や、脊髄の上部が損傷を受けた場合に多く見られます。交通事故や脳卒中などが原因で、これらの部位が損傷してしまうと、自動性膀胱を発症する可能性が高まります。